【コラム】

週刊こむぎ

46 じぶんに適した「立ち位置」を見つける

46/77


大きさ、水加減、焼く時間…
こねたものが、いろいろ試行錯誤しながら作られています。
料理をおいしく作るには、様々なものについて
適した分量を考えなくてはなりません。

ブッダも、修行の姿勢やものの考え方について、
適正な立ち位置を見極めることの大切さを発見しました。
これは「中道」と呼ばれ、仏教哲学の重要な教えのひとつになっています。

ブッダが悟りを目指そうとしたとき、当時多くの修行者が行っていた
「苦行」と言う方法を試みました。
苦行が流行っていたのは、命を落としかねないような苦しい状況に耐えることで
精神が研ぎすまされるとか、何事にも動じない境地に至った証明になると
考えられていたからです。

しかし、ブッダは苦しい状況に耐えることと、
悟りに至ることには何も関係がないということに気付きました。
「いかに苦しい事に耐えたか」という成果を出す事にこだわったり、
それを他人と競い合ったりして、悟りに至るという本来の目的を見失ってしまう
(関係のない所で余計な執着が生じてしまう)のです。
現代で言う「寝てない自慢」のようなものかもしれません。

修行に身を投じる前、一国の王子として
不自由のない生活も体験してきたブッダは、
楽すぎたり苦しすぎたりといった極端にとらわれず、
目的のために適した状態(中道)に身を置くことが重要だと考えました。
(「何事も程々に」とか、「とにかく真ん中や平均を取れ」と言うのとは
また違うニュアンスの言葉です。)

自分がやろうとしていること。
その目的のために、適した状態とはどんなものでしょうか?
とにかくひたすら寝ずに頑張らなければならない?
何の準備もしなくて大丈夫?

極端な発想に陥る前に、自分にあったやり方を見つけられるよう
試行を重ねていく必要がありそうです。



■こむぎこをこねたもの、とは?

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。

46/77

インデックス

連載目次
第77回 もやもやを変えるきっかけ
第76回 かわらぬ日常
第75回 夢うつつ
第74回 おだやかなことば
第73回 花は咲いたら落ちるもの
第72回 ひとりで歩くことも時には大切
第71回 あるがままに生きる
第70回 強い執着心が苦しみを生む
第69回 「やりきった」達成感に 要注意
第68回 大きなものは 切り分けたべる
第67回 鳥が鳴くから 静けさがきわだつ
第66回 雑念を 雪のように溶かす
第65回 心身のこわばりから 自由になる
第64回 辛いとわかっているのなら
第63回 目は横に、鼻は縦に
第62回 心を空っぽにできることは 何?
第61回 目をさませ!
第60回 ひとも こむぎも あるがままが一番
第59回 一年のおわりに 「心の癖」をさがす
第58回 寒さのしのぎかたは 人それぞれ
第57回 さとりとは 苦しさから抜け出すこと
第56回 もともと そこには 何もない
第55回 考えるより まず お食べなさい
第54回 言葉にしばられず 「月」をながめる
第53回 「自分だけのもの」は 本当にある?
第52回 言葉がなくても つたわるきもち
第51回 ままならない体で パンをもとめる
第50回 どこから行っても たどりつく月
第49回 良いも 悪いも 心しだい
第48回 自分の足元を しっかりと見る
第47回 夜空の月は ほんとうに浮かんでいるか?
第46回 じぶんに適した「立ち位置」を見つける
第45回 パンだけに頼らず 多くの選択肢を持つ
第44回 どんなにちいさくても 「活きる」場所がある
第43回 「今あるもの」を あらためて知る
第42回 つよく求めるほど こころはさわぐ
第41回 口コミにはない じぶんの体験
第40回 心しだいで 火もまた 涼し
第39回 雲のように 水のように 流れてみる
第38回 すべての不安は 現実をこねたもの
第37回 ことばにできない 感覚を大事に
第36回 食べてみなければ わからない
第35回 七夕の夜に かの人を思う
第34回 すべては さだめ
第33回 居場所に合わせて 心はうつろう
第32回 相手にあわせて 語り方をかえる
第31回 雨もまた ひとつの試練
第30回 しぜんのままに ゆるやかに
第29回 そこにいるだけで 助けになる
第28回 雨が降るから こむぎがそだつ
第27回 答えのありかは 「どちらか」ではない
第26回 うちかつべきは おのれのみ
第25回 片手ではくしゅして 枠を見つめる
第24回 語るべきことだけを ていねいに伝える
第23回 たいせつな日は いつですか?
第22回 さくらの季節と 一期一会
第21回 不安をとりだし こねて焼く
第20回 「正しさ」の向きを 観察する
第19回 目の前のご飯に しっかり向き合う
第18回 待つことも ひつようです
第17回 やすむことも 大切なしごと
第16回 身近なやさしさを たいせつに
第15回 分けへだてなく お茶をもてなす
第14回 かわらぬものなど ないのです
第13回 おいしいとわかる しあわせ
第12回 みえるものだけに とらわれない
第11回 まいにちが 「なにかびより」
第10回 この"まる"は 何にみえる?
第9回 こころもすっきり おおそうじ
第8回 "へいじょうしん"にこそ みちはあり
第7回 こだわりを すててみる
第6回 じぶんにあった「しょうじん」を
第5回 そなたのみちを ゆくのです
第4回 あらゆるものが、われわれの師
第3回 すべてはひとつにつながっている
第2回 かまどにとびこむ勇気
第1回 いつでもおいで

もっと見る



人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事