他人事にあらず、成人病の足音はすぐそこに

ヤバめの数値が出てしまいました

職業柄運動不足であることは百も承知、時間を見つけては散歩や水泳に繰り出してはいたが、まさか自分が成人病一歩手前だったとは。先週末の人間ドック、血圧計で目にした数字はまさかまさかの上「150」の下「105」。一通りの検査を終えたあと、問診票を見ながら担当医が宣うには「血圧が高い」と。いわゆるメタボリックシンドロームで超音波検査によれば脂肪肝気味と。若いので (38ですけどね) 今すぐ薬を服用するほどではないが、体重を落とし血圧に注意する必要があると。これはマズい!!

悪い予感はあった。プリン体の過剰な摂取が痛風の原因になると聞き、ビールを控える代わりにスパークリングワインを嗜むようになったのは数カ月前。本場シャンパーニュは毎日飲むには高いので、スペイン産の「Cava」をチョイス、一晩おけば気が抜けることを口実に1日1本を2日おきに空けていた。しかもウイスキーを2週間で3本というペースにプラスする形で。それだけ飲めば体の変調も宜なるかな。私カバよね、おカバさんよね、と戯れ歌を口にする危機感のなさには我ながら困ったものだが。

というわけで、今回購入したのはオムロンの自動血圧計「HEM-7301-IT」。携帯性の高さとUSB経由でPCにデータを転送できることが特徴の、1月に発売されたばかりの新製品だ。IT系の職業は、とかくメンタルヘルスが注目されがち (実際多いですよね) なれど、成人病に対する注意を喚起すべくここに紹介する次第。

機動性の高さとシンプルな操作性

家庭用血圧計の分類基準はいくつかあり、測定法と腕帯の形状が血圧計本来の機能 (表1)。そこへ測定結果を記憶する機能の有無、持ち運びの容易さなどの付加価値をプラスしたものが、血圧計を選ぶ際のポイントだ。

表1: 家庭用血圧計の主要な分類基準

測定法 コロトコフ法 血管に血液がぶつかる音で測定する。一般的に病院ではこの方式
オシロメトリック法 止まった血流が再び流れはじめるときの動脈壁の振動をセンサーで測定
測定位置 上腕 二の腕を露出しなければならないが、精度は高い
手首 測定しやすい反面、手の位置により結果が変動しやすい
腕帯 一体型 (可動式) 腕を通すだけで測定できるが、大きいのが難点
ダブルカフ 大小の空気袋を使うことにより、信号の減衰を抑える
扇型 腕の形にあわせて巻きやすい (HEM-7301-ITの方式)
フィットカフ 腕帯 (カフ) が腕に密着しやすい構造を持つ

今回購入したHEM-7301-ITは、オシロメトリック法 / 上腕 / 扇形の腕帯で測定する。コロトコフ法 / 上腕 / 可動式の血圧計 - 固形の輪に腕を通すだけで測定できる血圧計はほぼこのタイプ - と比べると測定時にブレが生じやすいものの、なんといってもコンパクト。収納ソフトケースが付属しているので、外泊にもラクラク対応。初代iPod nanoを2回りほど大きくしたようなデザインも、なかなかGood。なにより、測定したデータはUSBでPCに転送可能という点が大きい。

iPod touchと比べるとさすがに大きいが、胸ポケットに入れるわけではないので問題なしか

収納用のソフトケースがもれなくついてくる

電源は単4×4本

このように二の腕に取り付けて測定する

血圧の測定方法だが、かんたんそのもの。二の腕の定位置に腕帯をセット、START / STOPボタンを押すだけで準備完了。あとは正しい姿勢を保ちつつ待機すれば腕帯が加圧され、数十秒ほどで血圧の測定が完了する。

HEM-7301-ITでは、測定した値は自動的に内部メモリへ記録される。上限の84件を超えると古い順に消去されるが、1日3回として28日分×1人の血圧値を記録できる。平均値を表示したり、ゲスト用に記録に残さず測定したり、といった使い方もOK。夫婦2人で共有する用途には適さないが、我が家の高血圧者は自分だけなので問題なし。それよりも、セッセと測定する習慣を身に付けなければ。

これが筆者の血圧。洒落になっていません

管理ソフトが標準装備で値頃感大

HEM-7301-IT最大の特徴は、USBを介したPCとの連携だ。付属の「オムロン健康管理ソフト 血圧計 パーソナルエディション」はWindows専用 (MS .NET Framework 2.0が動作する環境) なことが難点だが、USBケーブルで接続するだけでデータを転送、グラフ化などの作業を行える。血圧の測定は中長期におよぶため、このような機能を必要としている層は多いのではなかろうか?

設定パネルで機種を選択すれば準備完了

かんたんにグラフ化できる

CVSデータとして出力すれば、表計算ソフトで管理することも

ちなみに、以前オムロンから販売されていたHEM-6371Tなどのモデルでは、ソフトは別売 (HEM-SOFT-IT1、定価は5,250円)。HEM-7301-ITには標準装備されているので、PCで管理するためのイニシャルコストはかなり抑えられた計算だ。HEM-7301-ITの1万円台前半という店頭価格を考慮すれば、その値頃感は大きい。

ともあれ、筆者は今後しばらく (死ぬまで?) の間、日に三度血圧を測りつつ生活しなければならない。飲み過ぎ・運動不足・ストレス過多の三拍子揃っていることは重々承知していたが、まさか三十代で高血圧になるとは。このHEM-7301-ITとは、長い付き合いになりそうだ。

○オムロン
HEM-7301-IT
機能 ★★★
価格 ★★★★
楽しさ
怪しさ ★★
衝動買い ★★★★
TOTAL ★★★