【コラム】

KOMONO道

40 四十の巻: バランスWiiボードで「横浜みなとみらい21」を歩く

 

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ポインティングデバイスを考える

話題のWiiボードを「Google Earth」で使う

思うに、PCのポインティングデバイスは停滞している。ボール方式から光学式へ、ワイヤードからワイヤレスへという進化はあるものの、センサーで移動を検知して距離を測定するという構造は、マウスの原型が登場した1960年代から大きく変わらない。タブレットやトラックパッドなどのデバイスも普及しているが、2次元の移動距離を手の動きで指示するという基本コンセプトは変わらず、いわばマウスの代替装置だ。

ゲームコンソールの分野はといえば、ATARIなど米国製ゲームコンソールが元気な頃は、突き出た棒を机に固定させて使う「ジョイスティック」が全盛だったが、日本製ゲームコンソールの台頭に伴い、両手に持ち操作するパッドタイプの「(ゲーム)コントローラ」に取って代わられた。ジョイスティックは、フライトシミュレータなど一部のゲームタイトルでは今も欠かせない存在だが、現在のコントローラは1983年発売のファミリーコンピュータ用コントローラ - 十字ボタンとA / Bボタン - の亜流ともいえるデザインが主流。依然マウスが主流のPCとは異なり、据置型のジョイスティックから両手支持のコントローラへと、トレンドが変化しているのだ。

同じく任天堂から2006年に発売された「Wii」も、トレンドメーカー的な性格を持ち合わせているゲームコンソールだ。前後左右そして上下という3方向への加速度の変化を検知する「モーションセンサー」の搭載により、振り回したりひねったり、従来のコントローラでは難しい操作が可能になった。この新しいコントローラの登場により、目新しい操作性を備えたゲームタイトルも続々登場、にわかに家庭用ゲーム市場が活気づいたのは記憶に新しい。

そして昨年末、Wii向けに新たなポインティングデバイスが。その名も「バランスWiiボード」、左右独立したセンサで重心・体重移動を検出、ヨガやサッカーのヘディングなどのゲームを楽しめる。いわば全身を使うポインティングデバイスであり、スキーなど体のバランスが重要な意味を持つスポーツを家庭用ゲームで楽しめるようになったのだ。

そのWiiボード、Wii本体とはBluetoothで通信する。PCのポインティングデバイスとしても利用可能で、その機能を生かしたソフトも公開されている。筆者はWii本体を所有していないが、ボード上で足踏みすればGoogle Earth上を"歩く"ことができる「WbalanceGE」やりたさに、Wiiボード単品を購入してしまった次第。

「Wii Fit」の内容物。今回ソフトは使いません

小笠原博之氏が開発したフリーウェア「WbalanceGE」

まずはペアリング

この「WbalanceGE」、早い話がWiiボードをGoogle Earthのポインティングデバイスとして使ってしまおう、というアプリケーション。動作環境はWindows XP SP2 / Vista、もちろんPC側にはBluetoothデバイスと、Google Earthが(軽快に)動作するマシンスペックが必要だ。クドいようだが、Wii本体は必要ない。

筆者が利用したマシン、実はMacBook Pro。Mac OS X 10.5 (Leopard)から標準装備のデュアルブートツール「BootCamp」を利用し、Windows XP SP2 Home Editionをインストールして使っているのだ。自分のマシンで使えれば……と悔しがっているそこのMacユーザ、BootCampでキチンと動くので安心してほしい。

事前準備は、Google EarthのインストールとCOM登録 ("C:\Program Files\Google\Google Earth\googleearth.exe" /regserverの実行)、そしてペアリング。Windows XPの場合、コントロールパネルの「Bluetooth」ペインからウィザードを開始し、バランスWiiボード裏のSYNCボタンを押しつつ操作を進めれば、ペアリングはかんたんに完了するはず。なお、ペアリングはWbalanceGE側から行うこともできる。

ペアリングするときに押すSYNCボタン

通信中は青いボタンが明滅する

Bluetoothペインから登録する場合、ウィザードで「パスキーを使用しない」を選択すること

WbalanceGEからペアリングすることもできる

利用方法は、Google Earthで歩きたい土地を表示してからWbalanceGEを起動、[Earth]メニューの[開始位置設定]項目を選択し、Wiiボードに乗ればOK。そのとき、「建物の3D表示」オプションを有効にしておくことがポイント。そうすれば、Googleにポリゴンデータが蓄えられている街を、存分に闊歩できるのだ。

Wii本体なしでもイケますよ!

筆者が"散歩"に選んだ場所は、隗より始めよ、というわけで地元・横浜の「みなとみらい地区」。自宅から車で20分の位置にあり、よく食事に訪れる勝手知ったる土地だ。Google Earthには、ランドマークタワーや大観覧車(コスモクロック21)のデータが収録されており、彼の地の雰囲気もなかなか出ている。

WbalanceGEで"散歩"が始まると、Google Earthの視点はズズズイッと地上数mの位置まで下がる。あとはボード上を足踏みすると、そのとき向いている方角へと前進を始める。障害物判定はないので、建物の有無は関係なし、ただ前進あるのみ。紅葉坂交差点からインターコンチを目指し歩いてみたが、道どころか壁や階段すら気にする必要もなく、ロイヤルパークをかわしパンパシを突き抜け、あっという間にパシフィコ付近に到達した。

インターコンチからパンパシに向かって歩いているところ

ところで、方向転換には少々テクが必要。片足をWiiボードの前方に置き、もう片方の足を後方で足踏み(靴のつま先をトントンやる要領だ)すれば、後方の足の方向へ曲がることができるのだが、慣れるまではなかなか思うようにいかない。両足がWiiボードから離れると、駆け足と認識され歩幅が広くなるので、せっかちな向きはジャンプ気味に歩くといいかもしれない。

このWbalanceGEとWiiボードの組み合わせ、とにかく面白い。WindowsマシンとBluetoothデバイスさえ用意できれば、あとはすべて無料ということもあるが、自分が訪れたことのない街を散歩できるのはうれしい。さて、みなとみらいも飽きてきたので……フォロ・ロマーノでも散歩してみようかしらん?

みなとみらいのシンボル、コスモクロック21が目の前に

ランドマークタワーも見えます

○任天堂「バランスWiiボード
機能 ★★★★
価格 ★★★★★
楽しさ ★★★★★
怪しさ ★★★★
衝動買い ★★★★★
TOTAL ★★★★★

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インデックス

連載目次
第56回 五十六の巻: Eyeをとりもどせ! ステレオグラムで目の経絡秘孔を突く
第55回 五十五の巻: 乾式クリーニングクロスを素材で選ぶ
第54回 五十四の巻:夏到来……の前に一足早く沖縄で防水機能を試す (準備編)
第53回 五十三の巻: 無線LANのイライラ解消、アイ・オー・データ機器「PLC-ET/MW」シリーズ
第52回 五十二の巻: 話題沸騰、お湯も沸騰! あの「オープンソース焼きそば」をベンチマーク
第51回 五十一の巻: 充電器界の万能ナイフ? 「USBなんでもチャージャー」
第50回 五十の巻: 特別編:IHでも南部鉄器! 「たこ焼きプレート KZ-TK1」
第49回 四十九の巻: GW特別編 - Appleの「ご当地・期間限定モノ」を大阪でGET!
第48回 四十八の巻: ヤッター! 「人生銀行 CoinCoron」だコロン
第47回 四十七の巻: あのアナログ盤をもう一度「PS-LX300USB」(勝手にMac編)
第46回 四十六の巻: 気軽に使えるワンセグTV「SANYO LVT-ND35」
第45回 四十五の巻: 成人病に備える自動血圧計「HEM-7301-IT」
第44回 四十四の巻: 期待のジュークボックスソフト「Songbird」を検証する
第43回 四十三の巻: iTunesもOK、スピーカー内蔵のshuffle対抗馬「Zen Stone」
第42回 四十二の巻: A2DPに対応したLeopardで試す「EG-BT1390」A2DPに対応したLeopardで試す「EG-BT1390」
第41回 四十一の巻: トランスフォーマーのようなノートPCスタンド「iFold」を試す
第40回 四十の巻: バランスWiiボードで「横浜みなとみらい21」を歩く
第39回 三十九の巻: 守るべし、個人情報 - 「ハンドシュレッダー」を吟味する
第38回 三十八の巻: 旨い米こそヤル気の源、「精米御膳 MR-D720」を試す
第37回 三十七の巻: 「コンドルは飛んで行く」で年忘れ
第36回 三十六の巻: 深夜1時に聞きたい「大人の科学 真空管ラジオ Ver.2」
第35回 これぞ、漢のスイート・テン・ダイヤモンド「SPACEWARP desktop」
第34回 三十四の巻: わたあめの大人買い? 「アンパンマン たべっ子わたあめ」
第33回 三十三の巻: 「番外編: マイヌードルカップでCup Noodleを俺色に染める」
第32回 三十二の巻: 「QSKY」は大人が楽しむ空飛ぶチョロQだ!
第31回 HD環境で懐ゲー!? 「HDオプティマイザー」
第30回 三十の巻: 秋深きLEDで本を読む人ぞ ~LED コンパクトブックライトを試す~
第29回 二十九の巻: 遂にGET! 新Apple Wireless Keyboardを試す
第28回 二十八の巻: 耳コピ派御用達ポータブルオーディオ「MP-BT1」
第27回 二十七の巻: 水中撮影もOKなビデオカメラ「アクションカムATC2K」
第26回 二十六の巻: Macで使えるHDビデオカメラ「HDR-SR7」を考える
第25回 二十五の巻: 番外編第2弾、水出し珈琲ポット「MCP-14」でニコチン酸摂取に勤しむ
第24回 二十四の巻: 不器用人御用達? なHDDケース「ガチャポンパッ!」
第23回 二十三の巻: これで君も少佐になれる? 噂の「iTheaterV」を試す
第22回 二十二の巻: 番外編 - 夏なら、そして漢なら「からあげ」を食すべし
第21回 二十一の巻: Macで使えるskype端末を探して
第20回 二十の巻: Macユーザ向けに強化されて帰ってきた「PCTV-hiwasa mini」
第19回 十九の巻: 小銭好きの密かな愉しみ「貯金箱」
第18回 十八の巻: Apple Remoteを温めてワイヤレスの新しさを知る
第17回 十七の巻: 小兵だが高速なH.264エンコーダ「Instant Video To-Go」
第16回 十六の巻: 単四でSRSのドンシャリを楽しめる「iriver T60」
第15回 十五の巻: 漂泊のiPoderも家に帰りたくなる「iLuv-i185WHT」
第14回 十四の巻: アッパレ! 電池いらずのシブいマウス「MA-WHNB2S」を試す
第13回 十三の巻: Step By Stepで作る小物入れ「Block de Zacca Desktop Set」
第12回 十二の巻: 骨で音楽のフォースを感じる「HP-F100」
第11回 十一の巻:この脂イヤだし気味が悪いから「からだカルテ」でカラダ記念日
第10回 十の巻: 一杯一杯また一杯を防止するアルコールセンサー「HC-206」
第9回 九の巻: お金で買えない価値がある!? 音育成ゲー「オトイズム」
第8回 八の巻: 毎日毎日いやになっちゃう……から解放する「@SECURE/fs」
第7回 七の巻: PASMO+Suicaで湘南ぶらり途中下車の旅
第6回 六の巻: 楽しき玩具「アクアビーズアート☆」で娘とたはむる
第5回 五の巻: まさしく強敵<とも>だったウォークマン「NW-S703F」をMacで使う
第4回 四の巻: 写真好き必携の"根付け"、GPS-CS1KをWin / Macの二刀流で斬る
第3回 三の巻: 切れ味や如何に? 噂の新Xacti「DMX-HD2」を試し斬り
第2回 二の巻: "Mac初"ワンセグチューナを変移抜刀霞斬り
第1回 一の巻: リモコソはApple Remoteを兼ねる、と見つけたり

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