【コラム】

KOMONO道

19 十九の巻: 小銭好きの密かな愉しみ「貯金箱」

    海上忍  [2007/07/03]

    小銭好きのマストアイテム

    今回入手した貯金箱「マイパーソナルATM Part2」

    筆者は小銭が大好きだ。もちろん大金も好きだが、甲斐性のなさゆえか相思相愛というわけにはいかず、縁があるのは小銭ばかり。しかし、手にしたときの存在感、貯金箱に投入してチャリンという音を聴くときの恍惚感、そして目標額に到達したときの重量感。通帳に印字された数字では到底実現しえない。小銭ならではの愉楽、とでもいおうか。

    振り返れば、子供の時分より貯金箱が好きだった。夏休みの工作は決まって貯金箱、不器用なりに創意工夫してこしらえたもの。ただ箱に穴を空けたようなものなど論外、投入したコインが回ったり転がり落ちたり、なんらかのアクションを伴わなければ納得できない。今にして思えば、小銭ならではのグルーブ感を演出しながら貯める、そんな貯金箱が欲しかったのだ。

    あれから幾年、テクノロジとともに貯金箱も進化した。硬貨の選り分けや効果音などもはや当たり前、タカラトミー「人生銀行」のように、内蔵の液晶モニタを使いゲーム性を持たせたものもある。今回は機種選定にあたり大いに迷ったが、最終的には筆者と同じ小銭好きの娘の意見を尊重し、ATMというよりは公衆電話に近いデザインの「マイパーソナルATM Part2」(中国製、輸入元: 友愛玩具)を購入した次第。

    このように硬貨を押し入れる

    このようなテンキーが付属している

    硬貨は自動、紙幣は手動

    金2,500円也で購入したこの製品、「Part 2」と銘打たれていることからわかるように、大ヒットした第1弾の後継機にあたる製品。上部にあった硬貨投入口が正面に移動するなど、全体的なデザインの変更は行われたものの、セキュリティーカードと暗証番号を併用した認証機能、目標の金額や日数を設定する機能時計機能に電卓機能と、貯金箱としての基本機能はほぼ同じ。

    この製品のナニが面白いかだが、1つは硬貨の自動判別機能だろう。認識できる日本の硬貨は、1円~500円の計6種。投入口に対し垂直方向に硬貨を押し込むと、「ピロリー」という耳障りな音とともに硬貨の判定が行われ、結果が液晶モニタに表示される。投入口付近に見える金属製の棒が硬貨認識装置とのことで、これを下げるような格好で硬貨を投入すると誤認識の原因になるらしい。

    紙幣挿入口も用意されているが、その幅はどう見ても日本の紙幣に比べ狭い。なんだこれはと説明書を参照すると、必ず4つ折りにして挿入せよとのこと。金額は自己申告制で、挿入後に[紙幣]ボタンを押し、テンキーで数字を入力すれば残高に反映される。紙幣読取装置はイメージセンサとしての機能を必要とするだけに、実売価格わずか2,500円の貯金箱に装備できるわけもなかろうが、一抹の寂しさは禁じ得ない。

    どう見ても紙幣より幅が狭い紙幣挿入口

    紙幣はこのように四つ折りにして投入する

    貯金箱としての信頼性も気になるところだが、この点は過度に期待することなかれ。セキュリティカード(小さなプラスチックカード片なんスけどね)を差し込み、[引出]ボタンを押したあと暗証番号を入力するのが正規の手続きだが、黒とシルバーの2つのパートに分かれる本体はネジ止めされているだけなので、実はプラスドライバー1本で開いてしまう。もし子供がセキュリティカードを紙幣挿入口に入れてしまったときには、慌てず騒がずプラスドライバーを探そう。

    セキュリティカード……とはいっても凹凸で真偽を判定するだけなので、おそらく容易に偽造できるはず

    このように差し込んだ状態でなければ、ロックを解除できない

    ドライバー1本で内部にアクセス可能。もちろん現金も取り放題

    五月蠅いものには"フタ"をする

    プラスドライバー1本で……という話は、不測の事態に陥っても本体を切断することなく金銭を取り出せる、という点でプラスに解釈することもできる。細かいことはいわず、玩具なのだと割り切ることが大人の余裕というもの。

    とはいえ、硬貨を投入したとき、セキュリティカードを抜き差ししたときなど、あらゆる場面でピロピロ鳴る効果音はイタダケない。とにかく音量が大きく、フローリングの床の上に置いて操作したときには部屋中に響き渡る始末。これでは貯蓄意欲を失せるというものだ。

    音量を調整しようと調べたところ、説明書にその旨の記載はなし。もちろん本体に音量調整用のツマミはなし、ミュートボタンなどあるわけもなし。3歳の娘が遠慮なしにピロピロと鳴らし続け、さすがに腹が立ってきたので、とにかく音量を下げることにした。

    まずは本体裏面上部に、スピーカー用と思われる穴を確認。試しに手を当てると音量が落ちたため、黒のビニールテープで穴を塞いだ。それでもなお五月蠅いので、前述したプラスドライバーで開腹、スピーカーの周辺を確認してみたところ、音が本体内部で共鳴し余計耳障りになっている様子。とりあえず2枚重ねにしたプチプチをあてがい、元に戻したところ……これでほどよい音量になった。2,500円という価格を勘案すれば、抵抗を半田付けするなどの面倒がないこのような緊急避難的対策が妥当なはず。騒がしい、煩わしいと放り投げる前に、ぜひお試しあれ。

    背面はこのようにビニールテープを貼って防音する

    プチプチなど防音効果のある素材を貼れば、だいぶ静かになるはず

    ○「マイパーソナルATM part2」
    機能
    価格 ★★★★
    楽しさ ★★★
    怪しさ ★★★
    衝動買い ★★★★
    TOTAL ★★
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