【コラム】

KOMONO道

4 四の巻: 写真好き必携の"根付け"、GPS-CS1KをWin / Macの二刀流で斬る

    海上忍  [2007/03/05]

    GPSユニットの使途について熟考する

    ソニーのGPS-CS1Kは、平たく言えば"位置情報記録装置"。GPS衛星から現在地を割り出し、15秒間隔で経度/緯度/時刻データを内蔵の32MBフラッシュメモリに記録する。駆動時間はアルカリ電池使用時で約14時間、衛星を捕捉し続けているかぎりは"いつどこにいたか"がほぼ正確に記録される仕組み。

    見た目は根付けか印籠か、ソニー製GPSユニット「GPS-CS1K」

    このKOMONOの用途だが、メーカーのWebサイトには釣りやグルメ日記、家族旅行にちょうどいい旨の紹介文がある。ビジネス目的ならば、土地や物件閲覧のデータベース、建設現場の記録写真といった用途が考えられる由。GPSデータを延々記録するという単機能のデバイスなれど、写真のExifデータとして埋め込むことにより、単に"写真の添え物"ではない奥深い使い方が生まれてくる。

    メーカーの思惑に忠実である必要もないので、使途をあれこれ検討してみた。筆者の貧しい発想力ではこの程度、ぜひ独創性に富む使い方を思いついていただきたい。

    本体全長はiPod nanoとほぼ同じだが、厚みは36mmとかなりのもの

    上部のフタをめくるとUSBポートが現れる

    案その一: ナスカの地上絵

    世界遺産にも登録されている「ナスカの地上絵」。今を遡ること70年ほど前、現地に飛行機で訪れた研究家により偶然に発見されたとのことだが、俯瞰することで絵の全貌が浮かび上がるという手法は、GPSの力で再現できそう。GPS-CS1Kを腰にぶら下げ"線"に沿って歩けば、ナスカの地上絵を我が街に描けるやも知れず。

    問題はキャンバスとする土地と、測地の精度。前者は河原や公園を使い対処するとして、後者は数メートルのずれがあっても致命的。下絵を考え、歩くときの目印になる線/点を事前に用意しておくという面倒もある。夏休みの自由研究ネタに使えそうだが、いかがか。

    案その二: 素行調査

    気になる人物のバッグに忍ばせ、後日スキを見て取り出し何処へ行ったか確認……という素行調査にも使えそう。衛星の捕捉が難しい場所では使えず、屋内アルカリ電池で14時間という持続力の乏しさからして、事実上近親者にしか使えないのが悩みどころか。もっとも、突起部分を除く外形寸法が幅87×高さ36×奥行き36mmという時点でバレること必至だが、いかがか。

    案その三: 最短ルート調査

    最短ルートと信じていた道を地図で確認すると遠回りだった、という話は珍しくない。新たに導き出した最短ルートが従来より1km短いと仮定して、週2回利用で2km、年あたり104kmの節約。燃費が10km/lとして、ガソリンに換算すれば年間10リットル。1リットル130円として、およそ10年で13,000円(実勢小売価格)の元がとれる……という壮大な計画、いかがか。

    素直にWindowsで使う

    GPS-CS1Kには、本機からのログファイル取得とExif情報埋め込みを行う「GPS Image Tracker」と、Cyber-shotシリーズに付属の写真管理ソフトPicture Motion Browserに機能を追加する「Sony Picture Utilityアップデートプログラム」が付属している。Windowsの場合、アップデートしたPicture Motion Browserに写真を取り込み、GPS Image Trackerが写真のExif情報にある時刻情報とGPSログを比較、撮影地点のGPSデータをExif情報に書き込む、という流れでGPS-CS1Kのデータを活用する。

    このKOMONOの美点は、撮影機材を選ばないこと。Picture Motion Browserを使えば便利なことは確かだが、GPS Image TrackerさえあればGPSデータをExifに書き戻せる。ただしサポートされるExif 2.1以降、GPSデータ付加時には動作保証対象外である旨警告を受けるので、念のため。

    付属の「GPS Image Tracker」を利用し、写真の撮影時刻にもっとも近いGPSデータがExifに書き込まれる

    GPSデータ付きの写真にはコンパス状のアイコンが付加される

    Picture Motion Browserから「マップビュー」を選択したところ。Google Mapで撮影地点を確認した上で、写真を表示できる

    試行錯誤してMacで使う

    このGPS-CS1K、残念ながらMacは未サポート。Windowsではごく普通にUSBマスストレージとして認識されるが、Mac OS Xの不具合か、デバイスとして検出されどもマウントには至らず。調べたところ、IOUSBMassStorageClass.kextの問題らしく、Mac OS X 10.4.8に収録のリビジョン(145)は不可。Mac Proには何故かリビジョン147が収録され、そちらでは何の問題もなくマウントできる旨報告されているので、おそらくはMac OS X 10.4.9で使用可となるはず。それまではWindowsなど他のOSからコピーせざるを得ない。

    しかし諦めることなかれ。GPS-CS1Kが生成するログは、汎用のNMEAフォーマットなのだ。GPSログさえMacにコピーできれば、あとはどうにでもなる。

    写真にExifデータを書き込むときには、「JetPhoto Studio」を利用する。アルバムを作成後、ドロワーのGPSタブでGPX形式のログをインポート(「Import Waypoints/Tracks from GPX file」を選択)、その後マッチング(Macth All Photos with All Tracks」を選択)すればいい。GPS-CS1KのログをGPXに変換する場合には、Automator用アクション「GPS Automator Actions」が便利。GPXやKMLなど多様なフォーマットで出力できるので、あわせて入手されたし。

    写真とGPSログのマッチングに使える「JetPhoto Studio」

    GPS Automator Actionsに含まれるアクション「Convert GPS files」を使えば、GPS-CS1KのログをGPXやKMLなどのフォーマットに変換できる

    Google Earthで表示したJetPhotoのアルバム(左)と、GPS Automator Actionsを利用して出力したKML(右)

    ○ソニー GPS-CS1K
    機能 ★★
    価格 ★★
    楽しさ ★★★★
    怪しさ ★★
    衝動買い ★★★★★
    TOTAL ★★★

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