【コラム】

KOMONO道

2 二の巻: "Mac初"ワンセグチューナを変移抜刀霞斬り

    海上忍  [2007/02/19]

    ワンセグチューナーを品定め

    昨年4月のサービス開始以来、よく耳にする「ワンセグ」。第三セクターが独り立ちして東北訛りになったようなこの単語、いわずと知れた移動端末向けテレビ放送サービス。地デジの空きセグメント1つを利用するからワンセグ、という名前の由来も耳にしたことがあるはずだ。

    このワンセグ、昨年後半あたりから対応機器が続々登場。ケータイにカーナビ、チューナー内蔵のノートPCも出始めた。PC向けのUSB接続型外付けチューナーは大人気、品薄状態が長く続いたが……Macは蚊帳の外。クパチーノが日本独自の放送規格に積極対応するとは考えにくく、海外のユーザ有志が受信ソフトを開発してくれるとも思えない。BootCampでWindowsを起動する手もあるが、小窓でTVを見るニーズを汲めてこそのワンセグ、メインのOS Xで使えなければ意味がない。

    なんともお寒い状況下、在徳島の企業ログファームが名乗りをあげた。その名も「PCTV-Hiwasa」、本社所在地の海部郡日和佐町(現:美波町)にちなんだと思われる郷土愛あふれるネーミングもインパクト大。製品の出荷から遅れること1ヶ月、Mac用受信ソフト「OneTV」もついに公開、初のMac用ワンセグチューナーの秘密のベールを今ここに剥がすものなり。

    PCTV-Hiwasaの内容物一式

    差し込み口部分を"鞘"から引き出し、半回転させて"鞘"に戻して使う

    ついに「OneTV」が公開

    このPCTV-Hiwasa、Windows専用とWin/Mac兼用の2種類がある。前者の希望小売価格は10,800円、後者は14,700円(いずれも税込)。Macで使いたければ3割強の割り増し料金が必要な計算だが、クパチーノに期待できないことや"初物買い"の相場と思えば、納得して然るべきか。

    セットアップは簡単、カバーを回転すれば現れるプラグをUSBポートに差し込むだけ。最長約14cmの4段ロッド型アンテナを伸ばし、作業の邪魔にならない方向へ向けておけばいい。外部アンテナは接続できぬが、付属のUSB延長ケーブルで本体部分を窓際付近に設置するワザが使える。受信ソフト「OneTV」を起動、居住地域を選択してチャンネルを自動スキャンさせれば、ワンセグ視聴の準備は完了。

    USBポートに直接差し込む場合には、ケースを外したほうがベターかも

    初回起動時にはスキャンを実行、チャンネルを検出する

    MacBookでワンセグ!

    Mac初のワンセグ視聴ソフトということで、多少のトラブルを覚悟の上で臨んだ「OneTV」。2月9日公開の初版(v1.0b2)では基本機能のみサポート、とりあえずワンセグを視聴できるという段階だが、動作そのものは比較的安定している。

    ただし、特に問題なく番組を楽しめたのは、Core Duo 1.83GHz搭載のMacBookがあってこそ。OneTVの動作環境は、ハードウェアが1.6GHz以上のG4/G5搭載機またはIntelMac、ソフトウェアがMac OS X 10.4.8以降とQuickTime 7.0以降と、少々ハードル高し。受信時のCPU負荷も20~30%程度、アクセサリーとしては重量級といわざるを得ない。3歳になる娘の専用機として余生を送るiBook G4 800MHzでも試してみたが、音と映像が一瞬見えただけ。

    仮想化ソフトでWinアプリとして起動させては、とParallels Desktop for Mac Release Candidate 2(Build 3150)でも試してみたが、こちらはあえなく沈没。音声がときどき聞こえるだけで、映像は一瞬たりと現れなかった。

    Core Duo搭載の初代MacBookでは、特に問題なく視聴できた

    Parallelsでは番組を視聴できなかった

    iBook G4でもワンセグ!?

    最初に公開されたv1.0b2では録画機能がない、EPGに対応しない、多重音声に対応しない、データ放送にも対応しないと"ないない尽くし"だったOneTV。しかし翌週リリースされたベータ第2版「v1.0b6」では受信性能が大幅に改善されたとの知らせあり、前述したiBook G4で再度挑戦した。

    PowerPC搭載機でv1.0b6を起動すると、環境設定の一般設定タブに[受信ブースターを利用する]オプションが現れる。これを有効にして選局すると……v1.0b2ではまったく視聴できなかったワンセグの画面が現れた。しかし320x240ピクセルのH.264/MPEG-4 AVC Baseline Profileをデコードするには厳しいらしく、視聴の途中でフレーム落ちが頻発、CPU負荷もドライバとOneTVの合計で40~50%と、他のアプリケーションの併用が難しい状況。

    一方のMacBookはといえば、番組を楽しむには問題ないレベル。著作権保護機能の動作確認が未了のため録画ボタンは無効化されているが、機能そのものは実装済とのことで、Macでワンセグ番組を録画/再生できる日は近い。ただし、二カ国語放送やデータ放送には未対応、再生(デコード)時の負荷もまだまだ高いことから、一層の精進を期待したいところだ。

    PowerPC搭載機には、このようなオプションが現れる

    iBook G4 800MHzでも受信できるが、フレーム落ちが頻発するなど常用するには厳しい状況

    ○「PCTV-Hiwasa」(Win/Mac版)
    機能 ★★★
    価格 ★★★
    楽しさ ★★★★
    怪しさ
    衝動買い ★★★★★
    TOTAL ★★★★

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