連載コラム『まるみえ家計診断! プロが教える改善のコツ』では、家計簿アプリZaim利用者の中から、家計やお金のことで悩む相談者の実際の家計簿データをチェック! お金の専門家が相談者へ改善のコツをずばっとアドバイスします。


【今回の相談者】
静岡県にお住まいのそうちゃんママさん(25)は1歳3カ月のお子さまと旦那さまと3人暮らし。会社員の旦那さまの毎月の手取り収入は 約23万円、年間のボーナスは約80万円。子供さんが小さいながらもパート勤務をするそうちゃんママさんの毎月の収入は約6万円です。現在の貯金額はおよそ150万円なご家庭、今のお悩みとは?

相談者の収入データ(Zaim分析画面より)

【相談したい内容】
『夫婦で目指しているのがマイホーム! 将来的に家を建てるための貯金プランを立てたいです。頭金やローンの目安など、具体的なところを知っておきたいです。また、家計簿をきちんとつけていますが、どういったところを気をつけた方がいいでしょうか。カテゴリごとに、節約できそうなところをできるだけ具体的に指摘していただきたいです』

相談者の支出データ(Zaim 分析画面より)

内訳を見える化すれば、節約できるカテゴリは見つけられるはず

さっそくそうちゃんママさんのZaimでの支出データを見せていただいたところ、どうやら「その他」の中にクレジットカード払いの支出が含まれている様子。通信費・光熱費・ガソリン代・家賃などをまとめて記載し、全体での金額管理をされているようです。

そこで、各カテゴリの支出金額を改めて細かく確認した上で家計の専門家にずばり相談。今回は、ファイナンシャルプランナーの井上圭子先生にアドバイスを頂きました。家計簿から何か気になる点はありますか?

井上先生「まず気になったのが携帯代。世帯で2万4,000円とお聞きしましたが、これは一時的でないなら非常に高いです。総務省の家計調査によると、日本の世帯の携帯代は平均で約7,200円。使いすぎ、若しくは加入プランの確認が必要です。もしデータ通信が非常に多いようなら、ご自宅でのインターネット環境を利用するなど、使いかたも見直しましょう。携帯やパソコンの通信費は、固定費でも大きな部分。見直すのに最適です」

ご自身の使い方はなかなか他と比較できないものですが、通信費に関してはインターネットでも比較サイト等たくさんあるので是非リサーチしてみるべきですね。Zaimで行った過去の調査でも、家族1人当たり平均3,800円の節約効果があるという結果がありました!

井上先生「次に気になるのは食費。現在家計簿アプリ上では約4万円と記録されていますが、万一"その他"カテゴリにも含まれているようなら要注意。ある程度予算を決めて、毎月の上限を意識するためにも家計簿で管理することがオススメです。家計簿を付けるコツとしては、その他を減らすこと。家計簿は、『節約するためではなくお金の流れを把握するため』のもの、と考えて振り返ることが大切です」

そうちゃんママさんは、ご自身ではクレジットカードの支払いを確認し、家計の内訳はしっかりと把握されているものの、やはりムダを見つけるためには家計簿をカテゴリごとに整理してみた方が良いかもしれませんね。

いわゆる無駄遣いは"その他"に隠れているもの……。Zaim ではクレジットカードと連携機能もありますので、それを使うとカードの明細を取り込むだけでなく、カテゴリも自動で振り分けされます。面倒さゼロなので、試してみてもよいかもしれません!

夢のマイホーム、購入のタイミングもポイントに

そうちゃんママさんが目標にされるのは、マイホーム。これから貯金をされるご予定とのことですが、具体的に目安にすべき目標金額などありますか?

井上先生「まず、家を購入するタイミングですが、教育環境を考えると小学校の入学時期は1つの目安になりますが、住宅ローンの金利が現在はかなり低いため、これを利用しない手はないと思います。また、現在は住宅口-ンの貸し出し競争が激しいこともあり、頭金なし・ローン100%と言った借り入れも可能です。ただ、頭金で支払金利は大きく変わる場合も多いので、やはり2割は準備しておくことをおすすめします」

なるほど、もし住みたい場所や教育環境などを既にリサーチ済みなのであれば、低金利の内にマイホームに向けて積極的に動くのも手というわけですね

井上先生「また、頭金を用意する方法として、贈与を利用するという方法もあります。"住宅取得資金贈与の非課税措置"と言う特例制度を利用すれば、消費税8%の物件なら最大1,200万円まで贈与税が掛からず贈与を受けられる場合があります。もしご両親からの援助が可能であれば、こういった制度をうまく利用してみるのもひとつです」

まだお子さまが小さいため、教育資金の準備も必要になるそうちゃんママさん。支出が比較的少ない10歳頃までが、教育費の貯めどき……とも言われているので、ローンの頭金に加えて子供用資金も別口座で貯蓄管理するのが良いですね。家計簿とおなじく、カテゴリと目的をしっかり区別してわかりやすく目標達成できる家計管理ができると良いですね!

家計診断協力

井上圭子
家計の総合相談センター代表。ファイナンシャルプランナー(CFP)として、大手企業ライフプランセミナー等の講義実績。またライフプラン・年金・保険・相続・貯蓄等について個人コンサルティングも行う。1級ファイナンシャルプランニング技能士、DCプランナー、証券外務員資格保持。企業でのライフプランセミナー、確定拠出年金、マネーセミナーなどの講師の他、貯蓄・年金・保険等、毎日幅広い相談業務に従事し、実務経験年数は15年を超える。

執筆者

綿島琴美
家計プランナー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。Android、iPhone、iPadやWebから利用できる日本最大級の家計簿サービス「Zaim」にて、としてユーザーへの家計サポートを行う。レシート自動読取り機能や銀行とのデータ連携など、アプリを活用した家計の仕組みづくりを提案。初の監修本『Zaimのシンプル家計術』(ナチュラルライフ編集部編、税込み842円)が学研プラスより好評発売中。