連載コラム『あなたの家計簿見せて! "給料減少時代"の家計診断』では、相談者のプロフィールと実際の家計簿をもとに、5人のFPが順番に、相談者の家計に関する悩みについての解決策をアドバイスします。


【相談内容】
今年30歳になるOLです。せっかく貯めた貯金も、欲しいものがあるとついつい取り崩してしまったり、旅行に行ってしまったりでなかなか貯まりません。1年で100万円貯めて、10年後には1000万円が目標なのですが、年間100万円を確実に貯められる方法はありますか?

相談者プロフィール

相談者の家計状況


【プロからの回答です】

  • つい取り崩して使ってしまうということは、雅美さんにとって毎月の貯蓄額85,000円はちょっと無理のある金額なのかもしれませんね。まずは何にお金を使っているのか、そしていくらなら無理なく貯蓄できるのかを知ることが必要です。そのためにも家計簿をつけてみることをおすすめします。使った金額と簡単な明細をノートに書き込んで月末に集計する方法でもいいですし、スマートフォンの簡単に家計の管理ができるアプリなどを使ってもいいでしょう。

  • 家計の見直しが済んだら、次にお金が貯まる仕組みを作りましょう。「今使うお金」「もしもの時のお金」「将来のためのお金」の3つに分け、それぞれの口座を分けると管理がしやすくなります。

(※詳細は以下をご覧ください)


ひとり暮らしで住居費や食費・光熱費などの固定費がかかるものの、赤字にならないよう毎月の収支に気を配り、ランチにお弁当を持参するなどのやりくりを心がけていらっしゃいます。でもせっかく貯蓄をしても普通預金においたままでは、つい使ってしまいますよね。確実に貯蓄を増やしていくためにはどうしたらいいか考えていきましょう。

支出を把握して、無理なく貯蓄できる金額を知る

現在の雅美さんの家計をみると、毎月の収支は85,000円の黒字となっており、ボーナス時の150,000円と合せると年間1,170,000円を貯蓄にまわしていることになります。それをきちんと貯めることが出来ればすぐに目標の「年間100万円の貯蓄達成!」となりますが、実際は買い物や旅行でそれを取り崩してしまうため、思うように貯蓄できていません。

つい取り崩して使ってしまうということは、雅美さんにとって毎月の貯蓄額85,000円はちょっと無理のある金額なのかもしれませんね。まずは何にお金を使っているのか、そしていくらなら無理なく貯蓄できるのかを知ることが必要です。そのためにも家計簿をつけてみることをおすすめします。使った金額と簡単な明細をノートに書き込んで月末に集計する方法でもいいですし、スマートフォンの簡単に家計の管理ができるアプリなどを使ってもいいでしょう。家計簿を2~3カ月つけてみるとお金の流れが見えてきますので、無駄遣いがなかったかどうかきちんと検証し、確実に貯蓄できる金額を出してみて下さい。

一般的に理想の貯蓄額は手取りの2~3割と言われていますが、雅美さんの場合、仮に貯蓄できる金額を手取り年収の約2割とすると、毎月55,000円、ボーナス時140,000円で年間800,000円貯めることができます。毎月70,000円、ボーナス時160,000円に上げられれば、年間1,000,000円の貯蓄が可能になります。

お金が貯まる仕組みを作ろう

家計の見直しが済んだら、次にお金が貯まる仕組みを作りましょう。「今使うお金」「もしもの時のお金」「将来のためのお金」の3つに分け、それぞれの口座を分けると管理がしやすくなります。

「今使うお金」は住居費や食費・光熱費などの固定費、趣味や旅行の費用、美容代や洋服代などにかかるお金で、お給料が振り込まれる口座を利用します。「もしもの時のお金」は万一収入がなくなったり、急に大きなお金が必要になったりした場合の予備のお金です。何かあっても半年は生活できるくらいの貯蓄があると安心です。「将来のためのお金」は、将来の備え、夢や目的のためのお金です。

お給料をもらったらまず先取りで毎月決めた金額を「将来のためのお金」の口座に移します。確実に貯蓄をするためには、「キャッシュカードは作らない」、「まとまった金額になったら定期預金にする」など、簡単にはお金をおろせないようにする工夫が必要でしょう。銀行の「自動積立定期」を利用すれば、あらかじめ指定した日に指定の口座から自動的に振替されるので、手間をかけずにお金を貯めることができます。

「もしもの時のお金」として準備する金額を仮に100万円とした場合、現在普通預金にある貯蓄から50万円を別の口座に移し、目標金額になるまで毎月のお給料やボーナスから一定額をその口座に貯めていくようにします。

「将来のためのお金」「もしもの時のお金」をそれぞれの口座に振り分けたあと残った分が「今使うお金」となり、その中で毎月のやりくりをするようにします。ボーナスも同様で、先取り貯蓄と予備費に振り分けたあとの残った分が自由に使えるお金となります。雅美さんの場合は、ボーナスからの旅行・レジャー費の支出が多めなので、やりくりが苦しいと感じたら、旅行の回数を減らしたり、旅行費用を下げたりするなどの工夫をしてみてください。またきちんと収支を把握するためにも、できるだけボーナス払いでの買い物は避けたほうがいいでしょう。

投資はリスクを知り無理のない範囲で

また、雅美さんは株式投資もされていますので、貯蓄の一部を株式や投資信託に振り分けるのもいいと思います。現在「アベノミクス」効果で、株高・円安となっており、投資をするのにもいい環境となっています。ただすでにご存じとは思いますが、投資は利益が出ることもあれば損をすることもあります。リスクをできるだけ抑えるためには、大きな金額を一度に投資せず、毎月5,000円、10,000円というように決まったお金を積み立てていく「積立投資」で時間を味方につけましょう。

「使い上手・貯め上手」を目指そう!

家計の流れをしっかりつかみ、無駄遣いをなくし、お金が貯まる仕組みを作ることができれば、貯蓄がなくて不安と感じることなく毎日を過ごすことができるようになります。貯蓄が増えてくると、日々の節約も楽しんでできるようになるでしょう。メリハリ支出でぜひ「使い上手・貯め上手」を目指してください。

<著者プロフィール>

(株)プラチナ・コンシェルジュ ファイナンシャルプランナー 白子里美

大学卒業後、大手総合商社に勤務。退職後、FP資格を取得。現在webにてコラムの執筆の他、教育費や生命保険、老後資金などに関するセミナーなども行っている。(株)プラチナ・コンシェルジュ所属