新生活編・第6回目は、冷蔵庫の選び方の後半と、洗濯機の選び方について進めていきたい。新生活シーズンが目前に迫っているため、少々急ぎ足で展開していこう。複数の内容が混ざっている点はご了承いただきたい。

各社が発売しているパーソナル向けの冷蔵庫の特徴は、前回の記事の通りだ。さて、そこからどのようにして選ぶのかが一番の問題だ。選び方の基本について述べるが、これにはかなり筆者の主観が含まれている。決して絶対的な基準というわけではない。

写真の製品は、ツインバード工業の冷温庫「HR-D206」。ACとDCの2電源タイプで冷やす場合には摂氏5度ないし7度、温める場合には60度になる。庫内容量は5.5L。価格は15,750円だ

缶やペットボトルなどの飲料を冷やす程度ならば、前回紹介したようなサイズの冷蔵庫は必要ない。据え付けの冷蔵庫がある場合はそれを利用するのもよいだろう。そうでない場合、ペルチェ素子を使用した保冷庫というのも面白いかもしれない。

こういったタイプの保冷庫は、家電総合メーカーではあまりリリースしていない。ツインバード工業など、ニッチ市場に強いメーカーが得意とする分野だ。個々の製品については詳しくは触れないが、おおむね最大20L程度の容量で、摂氏5度程度までの冷却能力を持っている。コンプレッサーを使用している一般的な冷蔵庫と違い、使用するときだけ電源を入れればOK。動作音も小さい。製品によってはDC電源にも対応しており、持ち運びも考慮されているものもある。ただし、冷蔵庫と比べると価格やサイズ比では不利になる。

シャープのパーソナル向け冷蔵庫。左が定格内容積118Lの「SJ-H12W」で、右が定格内容積137Lの「SJ-14W」。冷蔵室の容積はほとんど変わらない

たまに自分で料理をするので、少しは食材も保存できたほうがよいという人は、パーソナル冷蔵庫の中心となる140L~170Lのクラスの製品が安心だろう。しかし、冷凍室をあまり使用しないという人はそれよりも小さいクラス、例えば120Lクラスの製品でもOKだろう。120Lクラスと140Lクラスの間で、実は冷蔵室のサイズには大きな違いはない。例えばシャープの「SJ-H12W」は定格内容積118Lの2ドアモデルだが、冷蔵室のサイズは90Lでその上の「SJ-14W」(定格内容積137L)の91Lとほとんど変わらない。おそらく、パーソナル向けであっても、このあたりが実用レベルの冷蔵庫としてミニマムなサイズなのだろう。

定格内容積167Lの「SJ17W」。冷凍室は「SJ-14W」と同じサイズだ

人によっては冷凍室の使用頻度が高いというケースもあるだろう。先ほどのSJ-H12Wの場合、冷凍室のサイズは28Lだ。これはさすがに容量が小さい。この上のクラスのSJ-14Wでは、冷凍室のサイズは46Lになる。しかし、これでも少ないと思う人もいるかもしれない。その場合、さらにサイズの大きな冷蔵庫が選択肢になる。そういったケースで考えなければならないのが、140Lクラスと170Lクラスでは冷蔵室のサイズには差があるが、冷凍室は共通の仕様であることが多いという点だ。つまり、120Lクラスと140Lクラスとでは冷蔵室のサイズが共通で、140Lクラスと170Lクラスとでは冷凍室のサイズが共通ということになる。このクラスの冷凍室の容量は50L弱が標準で、現在はボトムフリーザータイプが一般的になりつつある。

一般的に、冷蔵庫のコンプレッサーは、冷蔵庫の下の部分に配置されている。そのため、ボトムフリーザータイプの冷蔵庫では、冷凍室の形が底に行くほど狭くなっている。そのため、トップフリーザータイプに比べると、容量のわりに、あまり収納できないというケースも少なくない。とはいえ、このクラスの主流がボトムフリーザータイプになってきてしまっているので、仕方がないといえば仕方のないところだ。冷凍食品などを大量に収納するためにはある程度の工夫が必要だ。

冷凍室を重視するのならば、思い切って200L~250Lクラスを選んでしまうというのが、現時点では無難なところだろう。例えば、三菱電機の「MR-H26S」は、93Lという大容量冷凍室を備えている。93Lというサイズは、冷凍室だけについていえば、400Lクラスの冷蔵庫に匹敵する。

ただし、200L~250Lクラスの冷蔵庫は、140L~170Lクラスの冷蔵庫に比べて幅が広い。140L~170Lクラスの冷蔵庫の幅は50cm弱程度が標準だが、200L~250Lクラスでは60cm弱となる。60cmという幅は、一般的なコンパクトサイズのキッチンの冷蔵庫設置スペースに入る幅といわれている。ただし、この一般的という分類には、ワンルームや1Kなどの間取りの物件は含まれていない。設置できるかどうかは、その物件によって決まると考えたほうがよいだろう。

また、140L~170Lクラスでは標準的な、天面の耐熱プレートも、200L~250Lクラスには装備されていない。もっとも、たとえ備えられていたとしても、高さが160cm程度はある。その上にオーブンレンジを設置して使用するのは、なかなか大変だろう。いずれにせよ、オーブンレンジを設置するのならば、そのために別のスペースが必要になる。ワンルームや1Kなどの狭いキッチンではなかなか難しいところだ。

パーソナル向け冷蔵庫では、例えば野菜の長期保存は難しいし、チルドルームなども付いていない。それに対してこのクラスになると、"パーソナル向け"冷蔵庫ではなく、"パーソナル"が取れた普通の冷蔵庫になる。"全部入りコンパクト冷蔵庫"の定番モデルとなっている、日立アプライアンスの「R-S27AMV」あたりになると、野菜室やチルドルームだけでなく自動製氷機能も備えられている。設置のための条件をクリアする必要はあるが、このクラスにすれば、冷蔵庫としての不満はほとんど解消されるだろう。

ここからは新生活向け洗濯機の選び方

ここまでは前回の続きだったが、ここからは新しい分野、洗濯機についてだ。新生活で洗濯をどうするのかは、けっこう大きな問題だ。コインランドリーで済ましてしまうということも考えられなくないが、これはそれほど長期的に見なくても割に合わない。

現在、コインランドリーでの洗濯~脱水のコストは、洗剤を別にして1回300円程度というのが標準的な線のようだ。これだけを考えると、洗濯機のコストに比べて、決して高くないように思える。だがコインランドリーの利用は、そこに行かなくてはいけないというのがハードルだ。家の近くにコインランドリーがあるという場合でも、家の中に洗濯機がある場合と比べれば圧倒的に不便といえる。

というわけで、たいていの場合は洗濯機を購入することになるのだが、新生活向けの洗濯機を選ぶ場合、方向性をしっかりと定めるべきだ。1つの方向性は、"コストをあまり掛けずに、必要なことだけはできる洗濯機を選ぶこと"だ。これは、6kg以下の洗濯容量の全自動洗濯機ということになる。もう1つの方向性が、"ある程度コストを掛けてもよいが、なるべくラクをさせてくれる洗濯機を選ぶこと"だ。これはドラム型の洗濯乾燥機ということになる。

パナソニックの全自動洗濯機「NA-F60B5」。6kg機でありながら、上級機並みの立体水流を採用する。細かいことだが、残り時間がデジタル表示されるのもポイントだ。4月15日発売

洗濯容量6kg以下の全自動洗濯機は、2~3万円台の製品が主流だ。縦型のスタイルで、最近のモデルでは、簡易乾燥機能の搭載が一般的になっている。簡易乾燥機能は、ヒーターを搭載せず、風を送り込むことで洗濯物を乾燥させる機能だ。2kg程度までの化学繊維の衣類ならば乾燥することができ、それ以外の洗濯物でも干す時間の短縮になる。部屋干しなどの際には便利な機能だ。

日立アプライアンスのドラム型洗濯乾燥機。左が「BD-S7400」。右の「BD-V9400」と比べるとかなりコンパクトだ。幅は630mmで、マンションなどの洗濯機置き場にも何とか置けるレベル

パナソニックのななめドラム洗濯乾燥機「NA-VD210L-CK」。ナイトカラーシリーズの製品だ。ドラム型としては異例の洗濯容量6kgモデルで、ターゲットをパーソナル市場に絞っている。幅と奥行きはいずれも60cm

ドラム型洗濯乾燥機は、洗濯から乾燥までを自動で行う洗濯機だ。乾燥はヒーター、またはヒートポンプを使用して行われ、その洗濯機の乾燥容量(製品にもよるが、だいたい洗濯容量の2/3程度)までならば、洗濯物と洗剤を入れてスイッチを押すだけで、選択から乾燥までの作業が自動実行される。また、ドラム型洗濯乾燥機は、動作音が静かという特徴も持っている。そのため、晴れていようが雨が降っていようが、あるいは昼でも夜でも洗濯を行うことが可能だ。

これら2つの間に、縦型の洗濯乾燥機という製品も存在する。ヒーターで乾燥を行う縦型洗濯乾燥機は、価格的にはドラム型洗濯乾燥機に近い製品だ。しかし実際の使われ方は、ドラム型洗濯乾燥機とは若干異なっているようだ。

これは以前、あるメーカーの商品説明会で伺った話なのだが、ドラム型洗濯乾燥機のユーザーは、日常的に乾燥まで使用するというケースが少なくないのに対して、縦型洗濯乾燥機のユーザーは、日常的には脱水までしか使用しない比率が高いらしい。

もちろん、ドラム型のほうが縦型の洗濯乾燥機に比べて乾燥の仕上がりがよいというのも要因のひとつだろうが、縦型洗濯乾燥機をあえて選ぶユーザーは、衣類の素材や色によって分けて洗い(もちろん洗い方も変えて)、さらに洗濯に使用する水や洗剤の量の管理を自分で行いたいという傾向が強いらしい。乾燥機能は、それを使っても大丈夫な素材の洗濯物を乾燥させる場合にのみ使用するようだ。

縦型の洗濯乾燥機は、楽をするための道具というよりも、洗濯のスキルがある程度高く、こだわりを持った人が選ぶ傾向が強い製品となっている。これから新生活を始めるという人に……というのとは、ちょっと方向性が違う製品だろう。

--次回に続く--