扇風機は、新製品が発売されても大々的に告知が行われるという製品ではありません。また、大手家電メーカーでも、すでに扇風機を作っていないという場合もあります。家庭用電気扇風機の誕生以来、風を起こす、風量の調整、首振りなど、製品としての機能もあまり変わっていません。このように非常に地味な製品である扇風機ではありますが、それでも、2007年モデルというのは登場しています。そこで、昨年のモデルとどこがどう違うのか、各メーカーのリビング扇についてチェックしてみました。

箱に入れてもスマート収納が可能に - 三菱電機

2006年モデルでは、奥行きの短いモーターを採用することで、箱なしでもコンパクトに収納できる点を特徴としていた三菱電機のリビング扇。リモコン付きの「R30-RG」とリモコンなしの「R30-MG」がラインナップされていました。2007年モデルでも、昨年モデル同様、箱なしでコンパクトに収納することが可能です。2007年モデルでの変更点は、箱に入れた場合でも、コンパクトに収納することが可能になったという点です。箱なしでコンパクトに収納というのは、同社のみの機能でしたが、箱に収納というのは、比較的多くのメーカーが採用している機能です。リモコン付きの「R30-RH」とリモコンなしの「R30-MH」がラインナップされています。

今年は箱に入れた状態でもコンパクトに収納が可能になった三菱電機「R-30MH」

こちらも小規模な変更のみ - 三洋電機

昨年は「EF-30TR1」「EF-30SR1」「EF-30SM1」「EF-30DHX1」の4モデルをラインナップしていた三洋電機。なかでも特徴的なのは、温度センサーを搭載した「EF-30TR1」でした。今年のラインナップも「EF-30TR2」「EF-30SR2」「EF-30SM2」「EF-30THX2」と4機種。昨年モデルとの違いは、「EF-30TR2」「EF-30SR2」では、コードリールの搭載。「EF-30SM2」「EF-30THX2」ではコード収納ボックスの搭載です。

今年の変更点は、コードリール機能の搭載。確かに、付いていれば便利ではあるのだが

ラインナップ縮小、リモコン搭載モデルのみに - 松下電器産業

松下電器産業では、昨年のモデルを今年も継続販売しています。扇風機自体が、極端な進歩のない分野なので、これはこれで問題があるわけではありません。ただし、昨年はリモコン付きのモデル「F-CB324」とリモコンなしのモデル「F-CB322」とがラインナップされていたのですが、今年は「F-CB324」のみになっています(現在、同社のサイトのリビング扇のページは削除されており、もしかすると、ラインアップに何らかの変更があるのかも知れません)。

昨年のモデルを今年も継続販売している松下電器産業

コードリールを改良 - 東芝

東芝では、昨年はリモコン付きモデルの「F-LG30X」、リモコンなしモデルの「F-LG25X」の2機種をラインナップしていました。2007年も、リモコン付きの「F-LH30X」、リモコンなしの「F-LH25X」がラインナップされています。昨年モデルとの違いは、コードリール機能です。昨年モデルにもコードリール機能は搭載されていたのですが、2007年モデルでは、コードを巻き取った際に、プラグを固定するためのプラグホルダーが新たに装備されました。

コードリールで、電源コードを巻き取ったときに、プラグを固定するためのホルダーが装備された東芝の2007年モデル

2007年モデルのリビング扇をひととおり見てきましたが、どれも、昨年のモデルと大きな違いはありませんでした。扇風機は、いわゆる完成されてしまっている製品です。なかなか、これに目新しい機能を持たせるというのは難しいところなのでしょう。

東芝の前身の1つである芝浦製作所の扇風機。おそらく昭和初期のモデル。実際、風を起こす、風量の調整が少しできる、首振りができるといった機能は、この当時から変わっていない