【コラム】

男の家電

40 2007年、筆者オススメの新生活家電(1) - 手間をかけないための洗濯機

 

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毎年、この時期になると、さまざまな新生活向けの家電製品が発表されます。メーカーによっては専用のラインナップを揃えているところもあり、三洋電機のit'sシリーズや、象印マホービンのBeatシリーズなどが有名です。一方最近では、家電量販店がメーカーとタイアップして新生活家電を提案するというケースも増えてきています。例えば、コジマでは「Fresh Gray」という同じカラーリングで複数のメーカーにわたる製品を提供しています。メーカーの新生活家電がせいぜい10数種類のラインナップなのに対して、コジマのFresh Grayは60種類以上のラインナップを揃えています。家電メーカーの新生活家電が新社会人などをメインのターゲットにしているのに対して、Fresh Grayでは、食器洗い乾燥機なども含まれており、もう少し広いターゲットを目指しているようにも見えます。

さて、新生活をはじめるタイミングというと、多くは、大学に入学する際、あるいは就職する際などなのでしょうが、それだけではないでしょう。個人的な話になりますが、筆者が一人暮らしをはじめたのは、何社めかの会社に就職してしばらく経ってからでした。

当時購入した家電製品は、全自動洗濯機、掃除機、コーヒーメーカー、オーブントースター、コーヒーミル、アイロン、電話機といったものでした(冷蔵庫はもらい物でした)。また、AV機器やPC関係は、仕事の関係でかなり充実していたので、買い足したりはしていません。で、現在も使用しているのは、コーヒーミルと、アイロンぐらいです(アイロンはほとんど使用していないので実質的にはコーヒーミルのみ)。このように、新生活家電でポイントになるのは、自分の生活のパターンが決まってくると、それに合わせて買い換えていくことになるので、最初はあれもこれもと考えない方が良いでしょう。

さて、ここでは、しばらく買い換えないでもOKな新生活に向いた家電製品を紹介してみたいと思います。

まずは、洗濯機です。新生活でポイントになるのは、自分で家事をこなすということです。そのため、なるべくならば、家事の負担を少なくできるような家電製品をチョイスしたいところです。そういった意味で注目なのが、洗濯機ではドラム型ということになります。部屋によりますが、ドラム型洗濯機は基本的に静かなので、仕事が終わって帰宅したあとでも洗濯できることが多いでしょう。また、乾燥まで自動で行ってくれるので、普通の洗濯機に比べると圧倒的に手間が少なくなります。しかし、ドラム型洗濯機にも問題はあります。まず、高価であるという点です。それなりのモデルは20万円程度します。また、大きいという点も問題です。ドラム型洗濯機の幅は65cm程度というのが多くなっています。また、奥行きも65cm程度はあります。ドラム型洗濯機はその構造上、普通はフロントドアになるため、ドアの分のスペースも確保する必要があります。

小口径のドラム型洗濯機がなぜないのか。これには理由があります。もちろん、普通の洗濯機に比べて高価な洗濯機なので、小容量にすると、台数が出ないというのも大きなポイントです。しかし、先日、あるメーカーの方に伺った話では、ドラムを小さくすると、洗濯物にしわがよりやすくなる。せっかく、洗濯から乾燥まで手間をかけないでできるのに、口径を小さくすると、しわのためにそのメリットをスポイルしてしまうというのです。というわけで、現状では、最低でも60cm径程度のドラムを装備したモデルしか販売されていません。ちなみに、筆者の使用している洗濯機のドラム径は60cm程度なのですが、衣類の素材によっては、とんでもないしわになります。そのため、綿素材のものは、脱水までにして干す必要があります。

ただし、最近のモデルでは、積極的にしわを減らす工夫がなされているモデルもあります。東芝のハイブリッドドラム「TW-170VD」や、日立のビッグドラム「BD-V1」などがそれに当たります。東芝のTW-170VDは、乾燥中に外気を取り込むことによって、ドラム内の温度を下げ、しわを防ぐというものです。乾燥中にドラム内は高温になります。そのため、一種のアイロンのような効果が働いて、衣類にしわがよってしまうのだそうです(アイロンは、衣類を正しく伸ばして掛けるためにしわが伸びるのであって、ぐちゃぐちゃな状態で上からアイロンを押し当てれば、とんでもないしわができるはずです)。一方の日立製作所のBD-V1は、大口径ドラムによって、しわを防ぎます。同社では、ビートウォッシュ方式という、見た目は渦流タイプに近いのですが、動作原理はドラム式に近いという、非常に凝った作りの洗濯機を発売しています。ビッグドラムは、単に大きいだけではなく、ドラム内の形状に工夫が凝らされており、ビートウォッシュが衣類を叩き投げるのに近い形で、衣類を投げます。洗濯物に空気を多く含ませることで、しわの発生を抑えるというものです。

さて、1人で生活する場合、洗濯物の量はそれほど多くはなりません。全自動洗濯機の場合、4.5kg程度の洗濯容量のモデルが、新生活向きとして販売されています。しかし、ドラム型洗濯機では、最低でも6kgのモデルしかラインナップされていません。ところが、洗濯容量に比べて、乾燥容量は少ないのです。

例えば、コジマ電気のFresh Grayにも含まれている松下電器産業のななめドラム6kgモデル「NAV601K」では、乾燥容量は4kgです。もう少し容量の大きいタイプの方が、実際のところ便利です。乾燥容量から考えると、1人暮らしでも8kg程度の洗濯容量を持った機種あたりが便利ということになるのではないでしょうか(筆者はそうです)。このあたりの機種になると、乾燥容量は4.5kg程度あります。人にもよるでしょうが、週に1回か2回洗濯機を動かせばOKなはずです。

もし、ドラム型洗濯機が置けないという場合には、渦流型のヒーター乾燥機能付き全自動洗濯機か、さもなければ、簡易乾燥機能付きのモデルをチョイスすることになるでしょう。しかし、乾燥時のしわのことを考えると、ドラムと比べて不利になりやすい渦流型では、積極的には、ヒーター乾燥機能付きのモデルを選択しにくくなっています(乾燥容量も少ない)。筆者ならば、洗濯物は干すということを前提に、簡易乾燥機能付きのモデルを選択します。簡易乾燥機能付きのモデルを選択するのは、部屋干しした際の乾燥にかかる時間を減らすためです。また、モデルによっては、化繊など一部の素材に限り、小容量ならば乾燥も行えるモデルも存在します。さらに、部屋干し時にニオイが付きにくいように、銀イオンをコートするモデルもあります。

乾燥機を使用すると、衣類が傷むのでは? と考える方もいるでしょう。筆者の経験では、単体の乾燥機でも、ドラム型の洗濯機で乾燥まで使用した場合でも、ヒーターを使用して乾燥した場合、衣類はいずれ痛みます。ただし、乾燥させる衣類の量が規定よりも多いと、より激しく痛むようです。

これらを踏まえて、新生活にベストなドラム型洗濯機を考えてみると、やはり、オススメノモデルは、先に出た日立のBD-V1や東芝のTW-170VDといったところです。とくに、日立のBD-V1は、奥行きも60cmと、比較的コンパクトなので、これなら置けるというケースも多いのではないでしょうか。松下のヒートポンプななめドラムや東芝のエアコンサイクルといった、乾燥にヒーター以外の熱源を使用するモデルも、省エネ的にはよいのですが、しわを防いで洗う機能を搭載したモデルの方が、より手間を防ぐという面では上回っていると思われます。また、最大電力消費量の問題でブレーカーが落ちるという心配については、新生活で一人暮らしということを考えると、同時に動作させる家電製品はさほど多くはないでしょう。筆者の家にあるドラム洗濯機は、普通のヒーターを使用するタイプなのですが、それが原因でブレーカーが落ちるのは、1年に1度あるかないかといったところです。

ドラム型が置けないという場合は、銀イオンコート機能を搭載した簡易乾燥機能付き洗濯機ということになりますが、シャープのES-FG70Gあたりが妥当なところでしょう。

というわけで、次回も続きます。

大口径ドラムでしわの発生を抑える日立製作所ビッグドラム「BD-V1」

乾燥中に外気を取り込んで、洗濯物のしわを防ぐ、東芝ハイブリッドドラム「TW-170VD」

Agイオンコートで、部屋干ししてもニオイが付きにくい、シャープ「ES-FG70G」

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インデックス

連載目次
第135回 2015年新生活、家電はどう選ぶ?(5) - 掃除機選びのコツ
第134回 2015年新生活、家電はどう選ぶ?(4) - パーソナル向け洗濯機を紹介
第133回 2015年新生活、家電はどう選ぶ?(3) - 洗濯機の選び方あれこれ
第132回 2015年新生活、家電はどう選ぶ?(2) - 各メーカーのパーソナル冷蔵庫
第131回 2015年新生活、家電はどう選ぶ?(1) - パーソナル冷蔵庫の選び方
第130回 オーブントースター兼用のノンフライオーブンを体験する
第129回 スマートフォン専用ガラスコーティング剤「iガラコ」を試す
第128回 人感センサー付きファンヒーターで電気代を抑えつつ快適に冬を乗り切る
第127回 掃除機の性能を示す指標はきちんと性能を示せているか?
第126回 冬の朝を快適にするエアコン暖房の「即暖」機能
第125回 おおらかな家庭用シュレッダー
第124回 "一番良いやつ"を選ぶべき?(2)
第123回 "一番良いやつ"を選ぶべき?(1)
第122回 USB接続タイプのワットモニターを使う
第121回 2014年モデルの扇風機はDCモーター採用機がメインストリーム?(2)
第120回 2014年モデルの扇風機はDCモーター採用機がメインストリーム?(1)
第119回 夏が近いので超音波ビアサーバー「コク泡」2014年モデルを試してみた
第118回 空気清浄機はどのように選ぶ?(3)
第117回 空気清浄機はどのように選ぶ?(2)
第116回 空気清浄機はどのように選ぶ?(1)
第115回 新生活で最低限そろえておきたい生活家電製品(3)
第114回 新生活で最低限そろえておきたい生活家電製品(2)
第113回 新生活で最低限そろえておきたい生活家電製品(1)
第112回 続・乾電池を使用するモバイルバッテリーでスマートフォンが充電できない!?
第111回 乾電池を使用するモバイルバッテリーでスマートフォンが充電できない!?
第110回 2013年冬~2014年春の暖房事情(4)
第109回 2013年冬~2014年春の暖房事情(3)
第108回 2013年冬~2014年春の暖房事情(2)
第107回 2013年冬~2014年春の暖房事情(1)
第106回 自宅でビアホール気分! 乾電池で手軽に使える缶ビールサーバーを試してみた
第105回 クリーナーでエアコンのフィルターを掃除する効率的な方法
第104回 夏に多い、熱による家電製品のトラブルへの対処
第103回 ハイグレードなDC扇風機・東芝「SIENT+ F-DLR300X」を検証する
第102回 濾過が速いポット型浄水器
第101回 夏場にサーキュレーター?
第100回 18畳の広さに対応する日立らしいLEDシーリングライト
第99回 DCモーター採用の扇風機とACモーター採用の扇風機
第98回 新生活にピッタリ(?)なスティック型クリーナー(2)
第97回 新生活にピッタリ(?)なスティック型クリーナー(1)
第96回 家庭で使う工具の選び方と使い方(3)
第95回 家庭で使う工具の選び方と使い方(2)
第94回 家庭で使う工具の選び方と使い方(1)
第93回 省電力時代のオイルヒーターの立ち位置(4)
第92回 省電力時代のオイルヒーターの立ち位置(3)
第91回 省電力時代のオイルヒーターの立ち位置(2)
第90回 省電力時代のオイルヒーターの立ち位置(1)
第89回 「スマート家電」の今とこれから(2)
第88回 「スマート家電」の今とこれから(1)
第87回 ソニーの大容量蓄電池「CP-S300」で乗り切る節電の夏(2)
第86回 ソニーの大容量蓄電池「CP-S300」で乗り切る節電の夏(1)
第85回 あまりに明るいLEDシーリングライトは何畳用なのか?
第84回 防水・耐トラッキングタップのスイッチ付き「ザ・タップX」を分解してみた
第83回 家電製品の製品名(型番)から見えてくること
第82回 郊外型の家電量販店に対する個人的な懸念
第81回 扇風機の消費電力はどのくらい?
第80回 電気ポットと電気ケトルの間
第79回 少し早めにスタートする新生活家電ガイド(7)
第78回 少し早めにスタートする新生活家電ガイド(6)
第77回 少し早めにスタートする新生活家電ガイド(5)
第76回 少し早めにスタートする新生活家電ガイド(4)
第75回 少し早めにスタートする新生活家電ガイド(3)
第74回 少し早めにスタートする新生活家電ガイド(2)
第73回 少し早めにスタートする新生活家電ガイド(1)
第72回 LED時代の家庭照明(7)
第71回 LED時代の家庭照明(6)
第70回 LED時代の家庭照明(5)
第69回 LED時代の家庭照明(4)
第68回 LED時代の家庭照明(3)
第67回 LED時代の家庭照明(2)
第66回 LED時代の家庭照明(1)
第65回 エレコムが直管LEDを発表
第64回 掃除機に低価格な互換紙パックを使うのは問題?
第63回 スマートフォンのバッテリー問題を考える
第62回 スマートフォンユーザーの必需品--大容量携帯バッテリー ソニー「CP-A2LS」
第61回 コードレスホンのバッテリーが劣化するとノイズが乗る?
第60回 2011年、家庭用LED照明はどうなるのか
第59回 オイルヒーターに近い快適さに手軽さをプラスした暖房 - パネルヒーター
第58回 エアコンフィルターの手動掃除に便利なグッズは手近なところに
第57回 ラインナップが増えてきたE17ソケットのLED電球
第56回 Ni-MH充電池をリモコンに使う際の問題点?
第55回 480円の電池と980円の電池
第54回 E17ソケットで使えるLED電球は本当にミニクリプトン形か
第53回 新生活向けパーソナルサイズの冷蔵庫でチェックしたいポイント
第52回 高い方の点灯管「電子点灯管」はどのくらい意味があるのか
第51回 寒い季節になってもLED電球は大丈夫か
第50回 後になると今年は実用的なLED電球元年と呼ばれるかもしれない
第49回 ゴージャスな3合炊き炊飯器を買う
第48回 松下「TK-PA10」を購入 - ポット型浄水器3台持ち状態になる
第47回 またもやコーヒーをいれる道具を増やす
第46回 E17ソケットに使えるLEDランプを試す
第45回 年末年始に発表された新製品
第44回 2007年夏 - 男らしく扇風機をチェックしてみる
第43回 突然の家電製品のトラブルに慌てる
第42回 ポット型浄水器「02クリンスイピッチャー」を買った
第41回 eneloop vs. HHR-3MPS(6)
第40回 2007年、筆者オススメの新生活家電(1) - 手間をかけないための洗濯機
第39回 大掃除のシーズン、もう一つの視点で選ぶ掃除機
第38回 消耗品交換の季節
第37回 今年もオイルヒーターで乗り切る
第36回 寒くなってきたので、そろそろ暖房器具を測定
第35回 eneloop vs. HHR-3MPS(5)
第34回 全部入りのエアコンが動いていれば空気清浄機はいらないのか
第33回 相当気が早い今年の年末商戦予想(3) - 冬のボーナスで買う大型冷蔵庫
第32回 相当気が早い今年の年末商戦予想(2) - 照明器具編
第31回 相当気が早い今年の年末商戦予想(1)
第30回 ワットメーターを購入する
第29回 正常な冷蔵庫の庫内温度を計る
第28回 eneloop vs. HHR-3MPS(4)
第27回 訳あって冷蔵庫の中の温度を測定する
第26回 対Ni-MH最終兵器導入
第25回 電球形蛍光灯再び
第24回 eneloop vs. HHR-3MPS(3)
第23回 eneloop vs. HHR-3MPS(2)
第22回 ハンドシュレッダーで力任せの個人情報保護
第21回 リモコン付きの照明器具はやっぱり便利
第20回 初夏は扇風機のシーズン
第19回 eneloop vs. HHR-3MPS(1)
第18回 予備のキープ量は必ずしも使う量に比例しない
第17回 電源タップを代えて安全に - 安全安心な電源タップ"ザ・タップX"をバラす
第16回 電源タップを代えて安全に - 火災を引き起こしかねないトラッキング現象
第15回 本当に役立つ新生活家電は(4) - 白物家電ではないけれど新生活に必要なもの
第14回 本当に役立つ新生活家電は(3) - クリーナーはパワーか個性か
第13回 本当に役立つ新生活家電は(2) - 洗濯機の選択肢は
第12回 本当に役立つ新生活家電は(1) - 全体の傾向
第11回 2006年型のエアコンの機能比較(2)
第10回 2006年型のエアコンの機能比較
第9回 水出しコーヒーが作れるコーヒーメーカー「ACO-A060」
第8回 衝動買いではなく、熟慮の上、コーヒーメーカーを購入する
第7回 ソケットに刺さるものの話
第6回 年末年始に発表された、ちょっと気になる製品
第5回 オイルヒーターについて
第4回 スポット暖房器具について考える
第3回 暖房器具について考える
第2回 自走式掃除機「RV-2」(2) RV-2を高性能電池でパワーアップ
第1回 自走式掃除機「RV-2」(1)充電をさらに便利に

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