【コラム】

男の家電

24 eneloop vs. HHR-3MPS(3)

よしのわたる  [2006/06/20]

さて、今回は、充電後1カ月間経ったNi-MH電池の比較です。測定方法は前回と同じ条件で、抵抗を組み合わせて2.5Ωにした状態で、電圧が1Vを切るまでの時間を測定します。ここからが、eneloopやHHR-3MPSの本来の性能チェックです。

※以下の電池寿命は著者手元の製品個体における実験の結果であり、同製品ですべて同じ性能が得られることを保証するものではありませんのでご了承下さい。

まずは標準タイプのNi-MH電池「HR-3UF」

最初に標準タイプのNi-MH電池であるHR-3UF(三洋電機)から測定していきます。次の写真が、充電後1カ月経ったHR-3UFです。充電直後には1.2Vを越えていた電圧は、1.15Vを若干下回る程度まで低下しています。

充電直後に比べて、電圧が下がっているHR-3UF

前回の充電直後の測定では、通電してから1時間で、0.05V電圧が低下していましたが、1カ月経ったHR-3UFは、スタートしてから1時間が経過しても、スタート直後の電圧と変化はありません。

測定をスタートして1時間経過したが電圧に変化はない

続いて、2時間後の電圧です。前回の測定では、スタートから2時間の段階で0.15V低下していたのですが、スタート時からテスターの針にほとんど変化は見られません。

測定をスタートしてから2時間が経過したが、テスターの針にほとんど変化はない

ここからは、30分刻みでいきます。スタートから2時間30分経過したところです。テスターの針は、1.1Vと1.15Vの間にありますが、スタート時よりも1.1V側に寄っています。不思議なことに、充電直後の状態で測定したときには、スタートから2時間30分後には電圧が1.1Vにまで低下していたのですが、今回はそこまで下がっていません。

2時間30分経過。テスターの針は少し下がってきたか、というぐらい

測定開始から3時間経過しました。ここで、テスターの針は1.1Vちょうどを指しています。スタート時の電圧は充電直後に測定した場合よりも低かったのですが、ここに来て逆転しています。

測定をスタートしてから3時間後に1.1Vに低下

3時間30分経過しました。30分前に比べて、電圧は1/2目盛りぐらい(約0.25V)下がっています。前回測定した充電直後の3時間30分の電圧に追いつきかけています。

3時間30分後、電圧は1.1Vを切った

4時間後、電圧は1Vを切って、テスターの針は0.6Vあたりを指しています。充電直後に測定したときには電圧が1V近くまで下がってからかなり粘っていたのですが、今回は、1.1Vを切ると一気に電圧が低下しています。3時間30分から4時間の間に力尽きたということで、前回に比べて1時間30分~2時間短くなっていることになり、1V以上を保っていた時間は約70%に短縮しています。

4時間が経過した時点での電圧は0.6V

1カ月経ったeneloopは、どのくらい容量を保っているのか

続いては、eneloopの測定です。つまり、ここからが本題というわけです。eneloopのスタート時の電圧は、なんと1.2Vを指しています。Ni-MHとしては正しいのですが、前回掲載した、充電直後の測定のときには1.1Vからスタートしているわけで、どういうことなのか筆者には理解できません。

充電してから1カ月経ったeneloopの電圧は1.2V

1時間経過しました。充電直後に測定したときと同じように、0.05V低下してテスターの針は1.15Vを指しています。

1時間後の電圧は1.15V

2時間経過しましたが、電圧は1.15Vのままです。充電直後に測定したときと違い、今回は電圧のふらつきはありません。

2時間経過したが、1.15Vをキープ

2時間30分が経過しました。テスターの針は1.15Vをやや下回っています。HR-3UFの場合と同様に、2時間30分の電圧は、充電直後も充電から1カ月経っても、ほぼ同じという結果になっています。

2時間30分で、1.15Vをやや下回る。今回は電圧のふらつきがないので、ここから徐々に下がっていくことになるはず

スタートから3時間後、テスターの針は1.1Vの少し上を指しています。これまでのところ、充電直後に測定したときとの差はそれほどないようです。

3時間の時点で、まだ1.1Vを少し上回っている

3時間30分で、電圧は1.05Vにまで低下しました。充電直後に測定したときには、4時間の時点でも1.1Vをキープしていたので、どうやら電圧の低下が少し速く起きているようです。

3時間30分で1.05Vにまで低下。充電直後よりも少し速め

4時間後、電圧は0.2V程度にまで低下してしまいました。前回は4時間~4時間30分の間に力尽きているので、今回の3時間30分~4時間というのは若干速いようです。

それでも充電直後には、2500mAhのHR-3UFと2000mAhのeneloopとの差がそのまま出たのですが、1カ月経過することで、そのアドバンテージは完全になくなっていることが分かります。

4時間後に約0.2Vにまで低下したeneloop。充電直後の測定との差は少ない

前回大健闘のHHR-3MPS

最後は、2000mAhの定格にもかかわらず、前回大健闘したHHR-3MPSです。前回の測定結果からすると、今回は、HHR-3MPSがトップになっても不思議ではありません。さて、そのHHR-3MPSですが、スタート時の電圧は1.2Vを少し切るあたりとなっています。前回は1.2Vジャストだったのですが、さすがに1カ月経過すると、少しは電圧が低下するようです。

今回は、さすがにジャスト1.2VとはいかなかったHHR-3MPS

1時間が経過したところでの電圧は、およそ0.05V低下して、1.15Vを若干下回るあたりを指しています。前回は、0.05V低下するのに2時間かかっているので、ここまではそれより少し早めの落ち方です。

1時間経過。前回よりも電圧の下がり方が速い

2時間が経過しました。電圧は1時間前とほとんど変化がありません。スタートから1時間で0.05V低下したあとは落ち着いたようで、それ以降、電圧の変化は見られません。

1.15V弱のところで、電圧の低下がストップした

スタートから2時間30分が経過しました。今のところ目立った電圧の変化はありません。このまま安定してしばらくいきそうな感じです。

2時間30分経過。電圧は1.15V弱で安定している

まだまだ大丈夫だと思っていたのですが、突然、3時間が経過したところで、電圧が1.1Vに低下しました。前回の測定のときには、4時間で1.1V強だったので、それに比べるとかなり速い落ち込みです。

3時間で1.1Vにまで低下。このまま1Vを切ってしまうのか

測定スタートから3時間30分後、電圧は0.8V程度にまで落ちてしまいました。充電直後の測定のときには、4時間30分~5時間で力尽きているので、それに比べると、かなり速い落ち方です。充電直後と比較すると、HR-3UFとあまり変わらない、75~80%程度の時間しか1V以上をキープできていませんでした(充電直後の持続時間が異常に長かっただけなのかもしれない)。

3時間30分で1Vを切るという、予想外の結果に終わったHHR-3MPS

さて、今回の測定結果はいかがだったでしょうか。eneloopが、充電直後も1カ月後もほぼ同じ持続時間という保存性の高さを示したのに対して、HHR-3MPSのほうは、今回に関してはちょっと残念な結果になってしまいました。

ただし、この測定の精度はそれほど高いというわけではありませんので(30分単位でしかチェックしていない)、これをもって、HHR-3MPSが保存に向かないと断言してしまうわけにはいきません。

最初に充電した電池は、あと3本ずつ残っています。2カ月後、3カ月後、そして4カ月後にはどうなっているのか。果たして順位に変動はあるのか。今後も追試していく予定です。

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