【コラム】

男の家電

4 スポット暖房器具について考える

    よしのわたる  [2005/12/19]

    前回は、部屋全体を暖める暖房器具でした。しかし、暖房器具には、自分の回りだけを温めるのに使われるのに向いた機器もあります。自分の位置にあわせて移動可能なコンパクトな暖房器具です。

    コンパクトなストーブ

    コンパクトなストーブというと、キャンプ用のストーブを思い浮かべる人もいるでしょうが、ご存じのように、あれは煮炊きをするためのストーブで暖まるためのものでは(あまり)ありません。ところが、それに取り付ける遠赤外線アダプターというものが販売されているのです。コールマンの「遠赤ヒーターアタッチメント」というのがその製品で、キャンプ用のコンパクトストーブの上に乗っけて遠赤外線を出すというものです。本来は同社のストーブの専用アタッチメントなのですが、筆者の持っている岩谷産業のカセットガスJr.というコンパクトストーブに乗っけてみました(自己責任で)。

    当たり前ですが、乗せる前と後とでは、温かさが全然違います。また、このアタッチメントを付けた状態でも、その上になべなどを乗せて調理することが可能で(重心が高くなるが)。パッケージには、遠赤外線効果で、焼き物などの際に中まで火が通ると書かれています。

    しかし、さすがにこれを室内で使い続けるのには(いくら筆者でも)抵抗がありますし、「この冬はこれがおすすめの暖房器具」と読者の方にお伝えするわけにもいきません。実際になにかを燃やすスポット暖房器具としては、火鉢という選択肢もあるのですが、一式そろえようとすると数万円程度にはなってしまいそうなので、さすがにちょっと躊躇します。

    というようなわけで、普通にスポット暖房用の器具を選ぶとしたら、電気を使ったものということになるのでしょう。

    岩谷産業の「カセットガスJr.」。普通のキャンプ用ストーブと違って、専用ボンベではなく、カセットコンロ用のボンベを使うところがポイント。とにかくコンパクト

    遠赤アタッチメントをコンパクトストーブに乗せたところ。山や海、川などどこへ行っても使える組み合わせだが、街とか部屋の中とかでは使いたくない。確かに温かくなるのだが……

    電気ストーブはどう違う

    電気を使った暖房器具の中にも、オイルヒーターのように部屋全体を暖めるのが目的というものもありますが、あれはあくまでも特殊な例です(オイルヒーターはパネルヒーターの系統、つまり外にボイラーがあって、そこから各部屋に給湯管を回して暖房を行うセントラルヒーティング用の端末をスタンドアロンタイプにしたものなので)。

    電気を使った暖房器具というと、電気ストーブ、こたつ、ホットカーペットなどといったところがメジャーどころでしょうが、筆者はこたつやホットカーペットは使用したくないので、電気ストーブについてのみ考えていきたいと思います。

    現在普通に販売されている電気ストーブには、ハロゲンヒーター、カーボンヒーター、セラミックファンヒーターなどがあります。

    ハロゲンヒーターは、扇風機のような形をしたやつを思い浮かべていただければよいのですが、赤外線を発光するハロゲンランプを熱源にした、反射型のストーブというのが一般的です。スイッチを入れるとすぐに温かくなるという特徴がありますが、なにしろ熱源がハロゲンランプなので、まぶしいという欠点をもっています。

    カーボンヒーターは、タングステンに比べて遠赤外線の放射量が多い炭素系の発熱体を使ったヒーターです。まぶしくない、立ち上がりが早い、そして何よりも特徴となっているのが、遠赤外線を多く出すという点です。昨年までは、電気ストーブというと、ハロゲンヒーターが多かったのですが、今年はカーボンヒーターが主流のようです。

    それともうひとつが、セラミックファンヒーターです。セラミックヒーター自体は、遠赤外線を多く出すヒーターなのですが、ファンヒーター用に使われる場合、空気を温めてそれを放出することになります。こちらは、キッチンとか洗面所といった、あまり広くない空間を温めるのに向いています。また、セラミックヒーターには、温度調節が可能という特徴もあり、このメリットを生かしたデジタル式の温度調節機能を備えたモデルも存在します。

    筆者が、スポット暖房器具に求めるのは、次の2つのポイントです。

    1. とにかく速く温かくなること
    2. 無理に部屋全体の暖房をさせようという気が起こらないタイプであること

    というわけで、カーボンヒーターを1台買ってきてみました。小泉成器のKKS-0642というモデルです。縦型のスマートな筐体は、この冬に各メーカーが販売しているカーボンヒーターの特徴でもありますが、この製品はそれらのなかでもとくにスマートなきょう体を採用しています。また、ヒーターは300W/600Wの切替式と、ローパワーです。これが1200Wとかになると、なんとかこれで部屋全体を温めようなどという気にもなるのですが、このぐらいだと、そんな「不埒」な気持ちは起きません。

    このようなスマートな筐体ですが、台座部分がけっこう重く、しっかりしているため、安定感はあります。また、もし倒れてしまった場合でも、二重安全転倒スイッチが装備されているので安心です。

    さて、実際に体験したカーボンヒーターですが、普通の電気ストーブの場合、あたっていると熱くなるのに対して、カーボンヒーターは温かくなるという印象です。遠赤外線の効果で、表面だけではなく、体の中から温かくなるということですが、実際そのようで、あたっている表面だけむやみに熱くなるということはありません(ローパワーだからなのかもしれないが)。

    というわけで、今年の冬、盛り上がっているカーボンヒーターですが、スポット暖房用としては、結構、実用的ではないでしょうか。

    しかし、よく考えてみると(よく考えなくても)、石油ファンヒーターがあって、オイルヒーターがあって、そのうえさらにカーボンヒーターまで導入というのは、いくらなんでもやりすぎではないかという気がしてきます。筆者が住んでいるのは、別に寒冷地ではないし、筆者自身、別に寒さに弱いというわけでもないのです。

    要するに、ただ、使ってみたかっただけというわけなのですが、この調子で連載を続けていくと、うちは一体どんなことになってしまうのだろうかと、一抹の不安を抱きつつ、それでも来年もまだ続けていきますので、よろしくお願いいたします。

    ストーブらしくないスタイルのKKS-0642

    台座がけっこうしっかりしているので安定性は高い

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