【コラム】

自作パーツ実験室

59 Core 2 Duo E6300のオーバークロック耐性を試してみた

石川ひさよし  [2006/09/19]

Radeon X1950 XTX、GeForce 7950 GTが発売された。おそらくハイエンド向けでは今年最後ではないかと目されるグラフィックチップだ。注目なのはRadeon X1950 XTXに採用されたGDDR4メモリ。省電力化を進め、さらなるクロック引き上げを可能とするメモリだ。その結果データレートで2GHzという高クロックが可能となっている。

一方のNVIDIAでは、先日発表されたモバイル向けGPUのGeForce Go 7700に注目したい。このGeForce Go 7700は製造プロセスに80nmを初めて用いたモバイルGPUとされる。ピクセルシェーダー数はGeForce Go 7600シリーズの8基から増え12基。言い換えればデスクトップのGeForce 7600シリーズと同等になった。ただ、その他の仕様をGeForce Go 7600 GTと比較してみてみると、フィルレート、頂点/秒などでGeForce Go 7600 GTよりも数値が低く、どちらが上位のGPUなのかわかりづらい。メモリ帯域幅からもわかるように、どうやらGeForce Go 7700は、デスクトップ版GeForce 7600シリーズと同等のシェーダー数を装備したのと引き替えにクロックを落としているようだ。クロックと引き替えにシェーダー数を増やしたこのGeForce Go 7700の性能が興味深いところである。

Core 2 Duo E6300はどこまでまわる?

Core 2 Duoが登場してしばらく経つが、そのオーバークロック耐性の話題が盛り上がっている。中心となっているのはX6800のオーバークロックで、スーパーπの104万桁スコアが1桁台をたたき出した、といったようなハイエンドな話題だが、筆者が購入できるのは2万円台前半のE6300がやっと。とはいえE6300は、なんとなくオーバークロック耐性に期待できそうな製品ではある。早速だがこのCore 2 Duo E6300でオーバークロック実験を試してみよう。

※ご注意:オーバークロックはCPU、マザーボード及びその他パーツに重大な影響を与える可能性があります。オーバークロックに関して編集部および筆者は責任を負いません。くれぐれも自己責任でお試しください。なお検証結果は今回のテスト環境下でのものであり、そのクロック周波数での確実な動作や、実際の製品で同じベンチマークスコアが得られることを保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。

Core 2 Duoのパッケージ。L2キャッシュや駆動周波数はシールで確認できる

用意したCore 2 Duo E6300は、S-SpecがSL9SA、コアのステッピングがB2のものだ。

CPUの刻印はSL9SA、マレーシアの製造であることが確認できる

マザーボードにはASUSTeKの「P5W DH Deluxe」を用いた。この製品も少しチェックしておこう。P5W DH DeluxeはIntel 975X+ICH7R搭載のハイエンドマザーボードだ。DHシリーズのP5W DH Deluxeでは、IEEE802.11b/g対応無線LAN APやWindows Media Player、iTunesがコントロールできるリモコン、PC電源オフ時でもPCスピーカーを携帯音楽プレーヤーから利用できる「MP3-In」背面ブラケット、ドライバ不要でRAID0/1が利用できる「EZ-Backup」といった機能が搭載されている。PCを組み立てる際にはこうしたデジタルホーム向け機能が利用できるわけだが、今回はオーバークロックが焦点ということで各機能の説明は省かせていただく。

マザーボードはASUSTeKの「P5W DH Deluxe」

チップセットにIntel 975X+ICH7Rを採用し、デジタルホーム向け機能を搭載している

マザーボードレイアウトを見てみよう。CPUの周辺には8フェーズ電源回路、チップセットの冷却はヒートパイプ&ヒートシンク式でファンレスだ。また、裏面には銅製の冷却基板「Stack Cool 2」を搭載している。拡張スロットは上からPCIe x1、PCIe x16、PCIe x1、PCI、PCIe x16、そしてPCI×2。2本のPCIe x16スロットは8レーン×2のATI CrossFireにも対応している。メモリスロットは4本でPC2-6400/5300/4300 DDR2-SDRAMに対応している。以上がP5W DH Deluxeの主な仕様だ。では次にオーバークロックで重要となるBIOS設定&機能を見ていこう。

ヒートパイプと8フェーズ電源が特徴。I/Oパネル下の基板は無線LAN用のカード

2本のPCI Express x16スロットを備える

各種CPU設定は、BIOSメニューの「Advanced」から行う。Advancedメニューから「Configure System Frequency/Voltage」を選ぶと、その中に「AI Overclocking」という項目が用意されており、デフォルトでは「Auto」となっている。これを「Manual」に切り替えることでメニューが切り替わり、各種周波数や電圧の設定が可能となる。ベースクロックの設定はそのまま数値を入力して行うが、設定可能な数値は100~450。Core 2 Duoのデフォルトは266MHzとなる。

「Advanced」の「AI Overclocking」を「Manual」に切り替え

各種設定が可能となる。あまり項目は多く無いがわかりやすいと言えるだろう

メモリクロックの設定は、「Auto」および「DDR2-400MHz」~「DDR2-1067MHz」までで、あまり細かな設定はできないようだ。メモリ電圧は「Auto」および「1.80V」~「2.40V」まで0.05V刻み。コア電圧は「Auto」および「1.5250V」~「1.7000V」まで0.0125V刻み。その他にもAdvancedの「Advanced Chipset Settings」には、メモリのアクセスタイミングを設定する「Configure DRAM Timing by SPD」、CPU-メモリ間のデータ転送を高速化する「Hyper Path 3」、グラフィックバスの高速化技術「PEG Link Mode」などが用意されている。今回はこれらのうちベースクロック、メモリクロック、コア電圧、メモリ電圧、メモリのアクセスタイミングなどを設定しながらオーバークロックしていこう。

メモリはFSBに合わせて実クロックで表示されわかりやすい

メモリ電圧は「Auto」および「1.80V」~「2.40V」まで0.05V刻み

CPUコア電圧は「Auto」および「1.5250V」~「1.7000V」まで0.05V刻み

そのほかにも独自の高速化技術が搭載されている

まずベースクロック266MHzで計測したところで、一気に311MHzまで引き上げ様子を見た。311MHz程度では不安要素は全くない。BIOSでの各種設定は、FSB以外全てAutoに任せている。その後11MHzずつベースクロックを引き上げていったが、388MHzまでは何の問題も無くスーパーπ、PCMark05、3DMark05が動作した。

しかし399MHzで3DMark05が途中で固まった。どうやら3DMark05のCPU Testで引っ掛かっているようだが、スーパーπ(20秒)およびPCMark05(6135 PCMarks)は正常にパスしている。コア電圧を1.35から1.4V、1.45Vと引き上げてみたが特に効果は無し。確かにAuto設定での399MHz駆動時のコア電圧は1.31V程度で、これを引き上げても完走しないということは他に原因があることになる。また、これまでのオーバークロック実験の経験から考えれば、CPUやメモリが限界に近い場合、まずスーパーπが完走しなくなる。ではグラフィックバスが原因かとPEG LinkModeに関する項目を緩めたがこちらも効果は見られない。チップセットへの供給電圧をいじってみても解決には成らず、途方に暮れ今回はここからベースクロックを1MHz刻みで引き下げ限界を探ってみた。

ベースクロックを1MHz刻みで落としてみると、397MHzで3DMark05、PCMark05、スーパーπ全てが完走した。ベースクロック397MHzでの実動作クロックはおよそ2.78GHzとなる。クロックで言えばCore 2 Duo E6700を超え、Core 2 Extremeとのちょうど中間あたりに位置する。L2キャッシュが2MBというのが克服できない壁ではあるのだが、ここまでまわればCore 2 Duo E6300のオーバークロック耐性は高いと言えよう。

倍率8倍のE6400なら? L2が4MBのE6600なら?

Core 2 Duoのオーバークロック耐性は噂どおりのものだった。定格クロックが1.86GHz程度のCore 2 Duo E6300が2.8GHz目前まで、約1.5倍のオーバークロックが可能だった結果には久しぶりの爽快感を覚える。例えば今回、ベースクロック倍率が7倍のE6300を(予算的に)選んだが、これが8倍のE6400だったなら結果はどうだっただろう。また、L2キャッシュ容量が倍の4MBあるCore 2 Duo E6600やE6700、Core 2 Extreme X6800だったらどうだろう。また、今回はPC2-5300(DDR2-667)メモリを用いたため、ある程度ゆるいメモリクロック設定を余儀なくされているが、ここでPC2-6400(DDR2-800)やPC2-8000?(DDR2-1066?)などクロックの高いメモリを用いれば、さらなるパフォーマンスアップが狙えるかもしれない。

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