【コラム】

自作パーツ実験室

54 最新HDDの性能チェック - Barracuda 7200.10とRaptor Xをテストする

    石川ひさよし  [2006/06/29]

    インテルのCore Microarchitectureがついに製品となって発表された。まず第1弾はコードネームWoodcrestことXeon 5100シリーズ。インテルはたびたびロードマップを示し、デスクトップ、モバイルにも続けてCore Microarchitecture製品を投入すると宣言してきた。自作派としてはCore 2 Duo(Conroe)の準備もそろそろ考えなければならないだろう。

    Core 2 Duoに関して注意したいのはチップセット。例えば各社がCore 2 Duo対応をうたったIntel 975X搭載マザーボードを相次いで発表している。それでは975X搭載マザーボードならすべてCore 2 Duoが動くのかというと、どうやら正式対応をうたったマザーボードにはリビジョン変更が行なわれた975Xが搭載されている様子。従来の975X搭載マザーボードでは、BIOS変更で対応できなければ、買い直しが必要となる場合もあるだろう。新CPUなのでこれはある程度仕方のない問題ではあるのだが、Core 2 Duoリリースまでの間、慎重に情報収集する必要があるだろう。

    最新HDDの基礎性能チェック

    ハードディスクドライブに大きな注目が集まっている。ハイブリッドレコーダーや、ポータブルミュージックプレーヤーなどのコンシューマ家電での話題もその要因だろう。PC分野では、1TBに手が届きそうなところまできた各社の大容量化競争や、10,000rpmのウエスタンデジタル「Raptor」シリーズの投入など、「大容量化」や「高速転送」といった点が注目だ。

    さて今回は、市販の3.5インチSATAドライブの中で現在最大容量のHDDと、同現在最高速回転のHDDを用意し、それぞれの特徴を整理しておこうと考えた。用意した大容量HDDはSeagateのBarracuda 7200.10「ST3750640AS」、高速回転HDDはWestern DigitalのRaptor「WD1500ADFD」とRaptor X「WD1500AHFD」だ。

    Seagate Barracuda 7200.10「ST3750640AS」。従来シリーズと外観的に違いは無い

    まず2つの製品の外観と仕様を紹介しておこう。Barracuda 7200.10は、3.5インチHDDで初めて垂直磁気記録技術を採用した製品。1プラッタあたりの容量は約187.5GBで4プラッタ構成。総容量は750GBで1ドライブあたりの容量として現時点で最大容量のSATA製品となる。回転速度は7200rpm、バッファ容量は16MBで、Average Latencyは4.16ms。どちらかといえば容量だけに注目が集まりそうだが、記録密度の向上によって実は転送速度も期待している。

    Western Digital Raptor「WD1500ADFD」。高速回転モデルのためなのかヒートシンクのような周辺部

    Western Digital Raptor X「WD1500AHFD」。WD1500ADFDに窓が付いて内部の動作状況が確認できる

    Raptorシリーズは2製品用意した。とはいっても両製品の違いは内部を確認できる「窓」の有り無し程度なので、基本的な性能はほとんど変らない。画像の左がWD1500ADFDで右がWD1500AHFD。実売価格ではWD1500AHFDの方が若干高値となっている。現在SATAドライブで唯一10,000rpmの高速回転ドライブだ。10,000rpmというと、SCSIドライブなどでは多く採用されているが、径の小さなプラッタを用いて高速回転させている。このため大容量には向かないが、転送速度という面では7,200rpmのものを凌ぐことができるわけだ。1プラッタあたりの容量は約75GB、総容量は150GB。バッファ容量は16MBで、Average Latencyは2.99msとなっている。

    Barracuda 7200.10のSandra File System Benchmark

    Raptor XのSandra File System Benchmark

    個別の性能については、まずSandra 2007のFile System Benchmarkで確認しておこう。Sandraの計測では、Barracuda 7200.10のDrive Indexは65MB/sec、Random Access Timeは7~8msとなった。一方のRaptorはDrive Indexが68MB/sec、Random Access Timeは11msという結果だ。Drive Indexで見るとほとんど差がないのだが3MB/sec差でややRaptorが優位。ランダムアクセス性能で見ると、Barracuda 7200.10の方が早いという結果が出た。

    Barracuda 7200.10のHD Tach 8MB結果

    Barracuda 7200.10のHD Tach 32MB結果

    Raptor XのHD Tach 8MB結果

    Raptor XのHD Tach 32MB結果

    もう少し詳しくテストできるHD Tachでも調べてみよう。HD Tachはディスクの外周から内周にかけての性能を見ることができる。テスト項目は8MBと32MBがあり、それぞれのテスト結果が上記の画像だ。各結果のグラフでは、横軸(X軸)は右側が内周部、左側が外周部となっていて、縦軸(Y軸)は各位置でのシーケンシャルリードのスピードだ。とはいえこのままではわかりにくいので、このグラフをまとめてみることにする。

    HD Tach 8MB結果(外周-内周)

    HD Tach 32MB結果(外周-内周)

    まず単純にテスト項目でグラフを重ねたのが上の2つのグラフだ。赤がBarracuda 7200.10、青がRaptor Xになる。こうして見ると一目瞭然で、どちらもRaptor Xの方が10MB/secほど転送速度は速い。

    HD Tach 8MB結果(容量帯)

    HD Tach 32MB結果(容量帯)

    いっぽう上記のグラフはX軸をHDD容量で揃えてみたものだ。こうなると当たり前なのだが、容量の少ないRaptor Xが詰まり、約75GBのあたりで両製品の転送速度が逆転する。

    まとめとなるが、この結果をシチュエーションに当てはめてみると、転送速度でいえば、システムが75GB以下に収まっている場合(ほとんどの場合そうだが)のシステムドライブとしてのRaptor Xはそれこそ高速だ。逆にプログラムの追加などで75GBを軽く超えてしまう場合にはBarracuda 7200.10の方がコンスタントに高速と捉えることもできる。

    より高速なRaptor Xを起動ドライブ、より大容量なBarracuda 7200.10をデータドライブ、とドライブ分けできれば理想だろう。10000rpmのRaptorシリーズには容量74.3GBや36.7GBの製品があり、Barracuda 7200.10には200GB~750GBまで容量別に豊富な製品が用意されている。それぞれの用途に合った、HDDの最適な組み合わせを見つけていただきたいと思う。

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