【コラム】

自作パーツ実験室

41 975XとRadeon X1300でCrossFireを試す - アダプタも不要で手軽な高性能

    石川ひさよし  [2005/12/23]

    IDE接続の内蔵型ミラーリングRAIDユニット「RAIDON SOHORAID SR2000」を導入した。そもそも自宅のサーバ用(……といっても未だ実験機)にミラーリングを導入しようと色々と検討したなかで、イチバン手間がかからないからという理由で決めたものだ。BIOSからもOS上からもいじる必要はないし、ドライバも不要だからどんなβOSでもインストールできるところは実験機に最適だと思う。

    それは良いとして製品購入後に後悔したことがひとつ。この手の製品は信頼性第一で作られたものだから、やはり搭載されたファンの回転数・動作音はそれは凄まじいものだ。とても寝室兼作業場には置けないのでファンは取り外したが、そうなると2台の7,200rpmのハードディスクがかなりの高温になる。仕方なく静音ファンをきょう体に直接輪ゴムで留めて様子を見ることに……。もともとテスト機は低消費電力構成だからケース内温度も低い。RAIDユニットに必要な風量も少ないと見て、とりあえず抵抗でも挟んでさらに回転数を落としてやろうかと検討中だ。

    Intel 975XはCrossFireの救世主となるか!?

    デュアルグラフィックを構成した際のx8レーン×2での動作モードが可能になり、ATIのCrossFireに正式対応したIntel 975X Expressチップセットが発表され、まもなく製品も市場に登場してくる頃合いだ。

    i975Xとi955Xのブロック図。975Xで追加された機能はわずかで、両チップセットにそれほど大きな違いはないようにみられる

    そこで今回は、この最新の975Xチップセットを搭載したマザーボードに対し、従来から新たにCrossFire用アダプタが不要となったCrossFireをサポートするRadeon X1300 Pro搭載グラフィックスカードを組み合わせ、いくつかテストを行なってみたいと思う。

    Intelのリファレンスマザーボード「D975XBX」

    IEEE1394はTIチップ、GbEはIntelチップを採用している

    まずはIntel 975X Expressチップセット搭載マザーボードを紹介しよう。今回はリファレンスとしてインテルから配布された「D975XBX」を用いた。このマザーボード、現在のところ米IntelのWebを見ても製品情報が掲載されておらず、実際にこの先製品として投入されるかどうかは不明。ただしやはりIntel純正マザーボードというところに惹かれるユーザーも実際多いと思われるので、登場したら人気の製品になるのだろう。

    3本のPCIe x16スロットを搭載する

    3本目のPCIe x16スロットの動作モードはx4モード(Forceware+EN6800で確認)

    特徴的なのは3本もあるPCIe x16スロット。上からプライマリ・セカンダリとなり、この2本の間のスペースにはPCIeのスイッチチップが搭載されている。動作モードはx8×2となる。3本目のPCIe x16スロットはx4レーン。グラフィックスカードも挿せるというのが一般的には売り文句になるのだろうが、よく考えれば形状がx16スロットならばx1~x16までのカードを挿すことができる。だからPCIe x1が足りないとかそういうものでもなく、むしろPCIe x8のようなサーバ向けカードも挿せる可能性があってコレはコレで良いと思う。

    カード後方にファンシンクを搭載するEAX1300PRO/TD/256M/A

    銅を用いたヒートシンクに4cmほどの径のファンを搭載

    次にRadeon X1300 Proカードも紹介しておこう。今回選んだのはASUSTeKの「EAX1300PRO/TD/256M/A」。カードの後ろ半分に銅を用いたファンシンクを搭載する独特な雰囲気のカードだ。ディスプレイ出力はD-Sub15ピンとDVI-I、Sビデオの3系統。グラフィックメモリはDDR2で256MBを搭載している。コアクロックは600MHz、メモリクロックは800MHzとリファレンスどおり。

    Catalyst Control Centerのインストールには.NETが必須

    Use advanced view settingsをチェック

    ViewのタブにAdvanced Viewが追加される

    ではこのD975XBXマザーボードで考えられるグラフィックスカードのレイアウト3つを比較してみよう。まずはx16シングル、次にx8×2のCrossFire、そして最後にx16+x4のCrossFireの3パターンだ。CrossFireの有効化についても書き留めておこう。Radeon X1300の場合、CrossFire用アダプタは不要だ。2つのカードを結ぶものはPCIeレーンのみであり、X850などのCrossFireと比較しても簡素化されている。さらにマザーボードのD975XBXもグラフィックスカードの動作を自動認識するタイプなので、1枚の時はx16レーン、2枚の時はx8レーン×2と識別してくれるため、本当に"追加するだけ"で利用できる。

    カードを搭載後は、CrossFireに対応したバージョンのCatalystドライバをインストールする。そしてCatalyst Control Panel(インストールには.NET FRAMEWORKが必須)のなかに用意されているUse advanced view settingsにチェックを入れる。するとControl PanelのViewタブからAdvanced Settingsが選択できるようになり、CrossFireの設定項目が表示されるはずだ。

    シングルではCrossFire項目は表示されない

    デュアルグラフィックスにおいてCrossFire項目が表示される

    それではテストを始めよう。今回は定番ベンチマークの3DMark05と、ゲームテストとしてATI系カードが得意とされるHalf-Life2、そして苦手とされるDoom3の3タイトルだ。

    まず3DMark05の結果はCrossFireの効果が素直に現われている。シングルに対するCrossFireのアドバンテージは、x8×2が160%前後、そしてx16+x4は合計したレーン数こそ多いものの153%前後となっている。

    Half-Life2は低解像度ではあまり効果がはっきりしなかったが、高解像度においては効果がありそうだ。伸び率に直してみると、x8×2のCrossFireでは高解像度になるに従い最大で15%ほどの伸びを示す。しかしx16+x4のCrossFireでは、1280×1024ドットにおいてシングルを下まわり、1600×1200ドットにおいてシングルと同等程度にしかならないなど、CrossFire効果は薄い。

    Doom3はまたやや怪しい結果。800×600ドットにおけるテストでCrossFireが効いていないようで(一連の解像度を順次バッチランしたので設定は変更されていないはずだ)、シングルと変わらないスコアまで落ちる。その後の1024×768ドット以降では、x8×2のCrossFireで160%前後、x16+x4のCrossFireで145%程度の伸びを示す。

    x8×2のモードでCrossFireのパワーが利用可能となったi975X

    ここまでのテストで、同じx16形状スロットを2本を利用したCrossFireでも、x16+x4モードではx8×2モードにかなわないようだ、という結果が見えてきた。単純にレーン数が多ければ良いというわけではなく、x8×2のようにバランスのとれた帯域が必要なようだ。たとえばi955Xやi945、あるいはi915マザーなどでもx16カードを2枚挿せる製品が存在するが、それらはやはりx16+x4のようにやや不安定でx8×2モードには叶わない結果となる可能性がある。そう考えると、i975Xの進化は意義のあるものといえるのではないだろうか。

    またこれらの結果が、高い帯域を必要とすると考えられるハイエンドカードではなく、意外にもミドルクラスのRadeon X1300 ProのCrossFireで得られたもの、というのも興味深い。

    最後に、Radeon X1300 Proの基本パフォーマンスも良い印象、CrossFireも効果を見せてくれた。といっても筆者のようなミドルクラス野郎に最適というレベルだが、SXGA解像度(1280×1024ドット)で3000後半の3DMark05スコア、低画質とはいえ40fps前後を出してくれればまずまず。とりあえずシングルで組み、ゲームしてみたがやや不満→じゃあもう一枚追加しよう、というエントリーゲーマーな使い方で有効ではないだろうか。

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