【コラム】

自作パーツ実験室

40 玄人志向SATA2RE2-PCIeを試す - PCIe x1のSATA IIカードでeSATA環境を構築

    石川ひさよし  [2005/12/06]

    ぷらっとホームが秋葉原の店舗を閉店するとのこと。同店はサーバやワークステーション向けのハイエンドなハードウェア、そしてサーバOSや高級キーボード、輸入機材など、固定ファンを持つショップとして有名だ。ウェブ通販は今後も継続とのことだが、高価な製品を実際に手にとって店員と相談して購入するということが難しくなることは惜しい。思えばこの手のハイエンド向け製品を扱う店舗が年々少なくなりつつある。とりあえず、これまでちょっと手が出せなかった製品を目的に閉店セールに駆けつけた筆者である。

    そういえば最近秋葉原を"電気街"ではなく"オタクの聖地"と呼ぶ人、あるいはメディアが増えてきている。オタクの聖地と言われると……初心者の方などはとくに近づき難いものを感じてしまうのでは……と危惧。とにかく"電気街"という言葉の存続を祈る。

    eSATAでPC環境は快適になる!?

    PCIe x1インタフェースで利用できるSATA II RAIDカード

    すこし前のことになるが、PCI Express(PCIe) x1インタフェースのSATA II拡張カード「SATA2xx-PCIeシリーズ」が玄人志向から登場した。現行チップセットのほとんどがPCI Expressインタフェースをサポートするようになった現在だが、グラフィックスカードを除く拡張カードの主流はいまだPCI。これまで個人利用レベルのPCIe x1カードはなかなか製品が登場しなかったこともあり、SATA2xx-PCIeシリーズの発売時にはPCIe x1スロットを活用できる製品として注目を集めていた。

    ということで今回は、遅ればせながらeSATA(External SerialATA: 外付け用シリアルATA規格)に対応した玄人志向のPCI Express x1対応SATA II RAIDカード「SATA2RE2-PCIe」と、バッファローのeSATA&USB2.0デュアルインタフェース対応外付けハードディスク「HD-HBSU2シリーズ」を組み合わせてeSATA RAID環境を構築してみようと思う。

    eSATAポートを2つ搭載しているSATA2RE2-PCIe

    SATA IIコントローラはSiliconImage Sil3132CNU

    まずSATA2RE2-PCIeからチェックしよう。本製品の注目はもちろんPCIe x1インタフェース。SATAインタフェースの転送速度は理論値で150MB/sec、最新のSATA IIで300MB/sec。そして従来のPCIバスの転送速度は133MB/sec。実際には帯域をフルに使い切ることはあまり無いのだが、それでもSATAインタフェースがPCIバス接続では帯域が足りないことがイメージできるだろう。対するPCIeは1レーン双方向で500MB/secとSATA規格を余裕で利用できる帯域を備えている。そしてSATA2RE2-PCIeは、SATA IIコントローラチップにPCIeにネイティブ対応したSiliconImage Sil3132CNUを採用している。

    ではカードを確認してみよう。目立つチップといえば先のSil3132CNUのほかはSilicon Storage Technologyの1Mbitフラッシュメモリ39VF010が目にとまる程度。カードは面積は、コンパクトなカードが多いネットワークインタフェースカード(NIC)と比べても格段にコンパクトだ。肝心のeSATAポートはブラケットに2つ。なお、同製品はRAIDに対応しており、RAID0/1での運用が可能だ。ちなみに基板上のシールではRaid5という表記も見えるが、「現時点ではRAID 5,RAID 10機能は使用できません」とされている。

    外見はSATAケーブルとそれほど変わらないeSATAケーブル

    コネクタ形状はSATAのL字から直線へと変更されている

    金具や突起も付いている

    eSATAインタフェースについても紹介しておこう。内部SATAインタフェースは、挿し間違い防止のためL字をしているのが特徴だったが、eSATAインタフェースは、これに加えて外部接続用インタフェースとして簡単なショックでは外れない仕組みを取り入れているとのこと。コネクタ形状は一直線にされたほか、突起やシールド付きとなっている。外見上ではこうした変更が行われており、さらに見えないところでは着脱の繰り返しにおけるコネクタの耐久性、電気特性やケーブル長など、ケース外という使用環境に合わせた変更が加えられているとのことだ。

    eSATAにいち早く対応したバッファローのHD-HBSU2シリーズ

    eSATAケーブルで2つの製品を繋ぐとこのような感じになる

    接続する外付けハードディスクドライブHD-HBSU2シリーズは、ヒートシンクボディを用い、高速7,200rpmモデルながらファンレスを実現した製品。背面にはUSB2.0とともにeSATAインタフェースが用意されている。主流インタフェースの遷移にあわせて柔軟に対処できる組み合わせといえるだろう。eSATAで利用する場合には、内部SATAを引き回す同梱のブラケットを利用するか、あるいはeSATA対応のインタフェースカードを用意する。

    まずはCreate RAID setからRAID0で利用するドライブを選択

    LOGICAL DRIVEにSil Raid0 setが表示されればOKだ

    今回はこれをRAID0で運用するので、装着後最初に必要となる作業はRAIDの設定だ。BIOS起動後のRAID設定に入るためのホットキーは、今回のSiliconImageチップの場合「Ctrl+S」。RAID設定画面が表示されるので、RAIDで対となるHDDを指定する。Create RAID setを指定してEnterを押すとRAID0・RAID1……などの項目が出てくるので、今回はRAID0(ストライピング)を指定。HDDを選択して画面右下のLOGICAL DRIVEにRaid0 setが表示されれば完了だ。RAID設定を抜けると通常の起動プロセスに戻る。

    インタフェースカードのドライバを読み込む

    そのプロパティを確認してみると、リンクスピードがチェックできる

    OS起動後はハードウェアウィザードなど一般的なハードウェアの検出ステップ、ドライバのインストールを経て利用可能となる。途中、SATAコントローラのプロパティをチェックしてみると、今回の構成の場合はインタフェースカードは3Gbps対応、ドライブ側は1.5Gbpsで動作していることが確認できる。この後はWindows XPの場合、コンピュータの管理→ディスクの管理でドライブが表示され、フォーマットが完了すればドライブとして利用可能となる。要はケース内でRAIDを運用するのとなんら変わらない。

    eSATAのメリットはいっぱい - PC-9801時代のSCSI感覚でHDDを外付け

    RAID構築までを追ったのみだが、いくつかメリットとして気付いたことを挙げよう。まずはHD-HBSU2シリーズの機能だが、PCの電源と連動する機能を搭載しているため、メインに使うドライブとしては非常に便利だ。次は熱源となるHDDを外に出すことによりケース内部温度を抑制、静音化につながる点。7,200rpmのHDD×2台をケース内に配置すると結構な熱量でファンも必須になるのだが、これを追い出すことでケース内に必要とされる風量は減り静音に、今回のようにファンレスHDD製品を用いることで更なる静音化も期待できる。そしてもちろんハードディスクの性能は内蔵した場合同様にそのまま発揮でき、転送速度はUSB2.0の比ではない。同時に高価な外付けRAIDユニット不要で身近な外付けHDDが利用できるコスト面もメリットだ。

    最後はHD-HBSU2シリーズは起動ドライブとして利用することも可能とされている点だ。つまりPC内部にHDDを搭載しないシステムも構築可能。通常のATXデスクトップはもちろんだが、スモールフォームファクタ(SFF)PCやノートブックでeSATAが用意されれば、PCの体積、動作音、冷却性、ドライブ性能、ドライブ容量など、これまで弱点とされてきた面が次々と解決できるのではないだろうか。

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