【コラム】
Intel 975Xチップセットを搭載したマザーボードの店頭展示が開始されたようだ。基本的には955Xとあまり変わらないが、一番の特徴は新たにPCIe x16レーンをx8レーン2本に出力できるところ。ATI CrossFireが利用可能で、それがIntel CPUには純正ともいえるチップセットで利用できる点は注目だ。
Intel CPU向けチップセットで見れば、ATIファンは975XのほかにもIntel向けのRadeon Xpress 200 CrossFireも選択できるわけで、この点NVIDIAのnForce4 SLI for Intelに絞られるSLIよりも自由度が高いといったところだろうか。メーカー戦略的なコトは十分承知していても、ユーザー視点からすればできるだけ多くの選択肢が欲しい。既にx16スロットの2本搭載にはチップセットメーカー各社が対応を済ませてきた。そろそろ"このマルチグラフィックスにあのチップセットはNGでこっちがOK"といった選択肢を狭くするような現状を脱却し、業界全体でマルチグラフィックスの普及を促進していく時期ではないだろうか。
ところでIntel 975Xチップセットマザー。興味深いのはマザーボードメーカーの製品仕様だ。例えばGIGABYTEの「GA-G1975X」はx8レーン2本に加えてx4形状スロット2本にもx16グラフィックスカードを搭載できるマルチディスプレイ強化モデル。そしてASUSTeK「P5WDG2-WS」はサーバ/ワークステーションで現役の高速インタフェースPCI-Xが利用できるというワークステーション仕様。もちろんMSI、FOXCONNからも機能充実モデルが用意されている。マイナーチェンジ的なイメージも強かったチップセットだが、だからこそマザーボードメーカー側から面白い使い方の提案が登場しているともいえるだろう。
さて、今回はミニピーシードットジェイピー超小型静音PC「CF700」の電源投入その後を追ってみたい。
では電源の投入から。写真はその際の起動画面だ。マザーのシルクにもあった「LE-370」という型番を調べてみると、ベースのマザーボードが判明した。これはCOMMELL製の組込み用マザーボード、LE-370と分かる。LE-370は3.5インチサイズの製品でサイズが146×101mm。面積でいえば約147.5平方センチ。Nano-ITXが120×120mmの144平方センチだから、面積では両者はさほど変わらない。チップセットはIntel 852GME+ICH4で、内蔵するグラフィックス機能は「Intel Extreme Graphic」である。また、PCIのインタフェースがボード端に見えたが、本来(産業用途)であればライザーカードにより2デバイスまでのPCI拡張カードが利用できるようだ。
ところで、Intel 852GMEは本来であればモバイルPentium 4/モバイルCeleronプロセッサ用。一応、同系列の852GM/GMVではCeleron Mもサポートに入ってはいるが……。ココは実際に動いてしまうのだから問題無いとしておこう。なお、モバイル向けチップセットなので拡張版Intel SpeedStepテクノロジには対応する。だが、852GMEには本来ICH4-M(82801DBM)が組み合わせられるところ、LE-370ではICH4(82801DB)という組み合わせ。おそらくLE-370では拡張版SpeedStepは利用不可能とみられる。
続いてCF700(LE-370)のBIOS画面だ。とはいっても組込み向けなので基本的に堅く、やや面白味には欠ける構成。気付いた点だけ挙げれば、Advanced BIOS Futureの「Boot Device」とFrequency/Voltage Controlの「CPU Host/3V66/PCI Clock」。Boot DeviceではUSB-CDROMが選択できるので、先のケーブルを取り替えての光学ドライブ接続という状況は回避できなくはない。ケースオープンが手間と感じるようであればUSB光学ドライブでOSインストールなどすれば良いだろう。CPU Host/3V66/PCI Clockでは、今回Celeron M 360J(1.40GHz)で試していることもあり、デフォルトは100/66/33MHzだが130/87/43MHzまでのオーバークロックを試すことが可能なようだ。ただし、FSBが533MHzのPentium Mではおそらくベースクロックが変わってくるので、このオーバークロック項目も変わってくると考えられる。
最後にWindows XPでのベンチマーク結果を示しておこう。3DMark03は113 3DMarks。Intel 852GMEの内蔵グラフィック機能ということで一部のテストは実行不可能だった。このあたりは妥当といえば妥当なところ。現在主流の915系GMA900と比べ852系エクストリーム・グラフィックス 2ではやはりやや劣る。PCMark04は2437 PCMarks。PCMarkでもグラフィックテストはウィークポイントだが、他は構成次第とはいえPentium M系の性能、2.5インチHDDといってもノートブックレベルの性能は引き出せる。なお、動作音はベンチマーク中も"かなり静か"だ。どちらかというとデザイン先行と言えるAOpen MINI PCと比べ、スペース的制限はあれどファン・そしてパンチング穴のレイアウト設計の自由度が高かったであろうCF700が冷却・静音面では勝っている印象。ファンの口径もこのサイズのきょう体としては大きく、ファンコンで回転数を絞っても風圧はまずまず。そしてCPUの熱を奪った風は直上のメッシュから直ちに排気される。
ミニピーシードットジェイピーのCF700。光学ドライブが搭載されていないなどクセのある製品ではあるが、やはり小さいものを愛する心にはグッと来る。ただし、価格はオープンプライスだが、ベア状態で直販価格57,540円とやや高め。価格については、同社はAOpenのように自社設計・自社調達というわけでなく、組込みマザーメーカーからボードを調達して組込むというスタイルだから仕方のない面もある。それを考えれば価格をここまで抑えたのは並大抵の努力では無いだろうと想像する。今回ライバル的に挙げているAOpenのMINI PCのベアボーン版は一部ではすでに予約が始まっており、初値が4万円台半ば~後半となっている。約プラス1万円分の価値を製品に見出せるかどうか、そのあたりがCF700ポイントとなるだろう。
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