【コラム】
いつもの如く計画倒れとは思うが、Mini-ITXマザーとRAIDカードを使ってひたすらハードディスクを積んだPCを作ってみたいという野望が生まれた。すでに一部のMini-ITXマザーではPCIe x16スロットの搭載が始まっている。そしていちおうPCIeはx16スロットにはx1やx4、x8のカードを挿すことも可能とされている。まだPCIeで8/12ポートといったSATA RAIDカードは発売されていないという問題はあるが、製品が出てくればSATAの性能そのままにMini-ITXでRAIDというのも不可能ではない。インタフェースの進歩によりこうした無謀な考えもだんだんと現実味を帯びてきているのだ。
ただ問題があるとすればケース。ATXケースにMini-ITXマザーを組み合わせることは可能だが、あまりに長い奥行きが不格好だ。しかもPCをデバイスというよりはライフスタイルの一部としてとらえる筆者はDOS/V旧来の機能重視で無骨なイメージが嫌だ。いちおうコンセプトとして家庭内みんなのデジタルデータを蓄積するストレージセンターを目指したいじゃないか。ならばとことんカッコイイ方が良い。とはいえこんなニッチな用途で専用ケースが作られるハズもないのが現実。
ミニピーシードットジェイピーから登場した「CF700」。これはPentium M / Celeron Mに対応した超小型静音PC。特殊な組込み用マザーボードを採用することでアップルの「Mac mini」や、以前本コラムでも紹介したAOpenの「MINI PC MP915」よりも小さいきょう体を実現している。ただ、きょう体サイズがあまりにも小さいということで、光学ドライブを内蔵しないという側面もある。光学ドライブ無しという仕様は、万人向けというよりはどちらかといえば"真に超小型PCを求めるユーザー向け"という印象を受ける。だがとにかく小さい物好きの筆者としては血が騒ぐというもの。さっそくレビューしてみたい。
さて、届いたサンプル機だが、梱包はAOpenのMINI PCよりもやや大きい。ただ、例えば同種の製品、イーレッツ「BeSilent Mシリーズ」よりはひとまわり小さくなった気がする。
では同梱物をチェックしよう。同梱物は、キーボード/マウスの専用PS/2分岐ケーブル、2.5インチと3.5インチの混成用IDEケーブル、外部機器用の電源ケーブル、そしてACアダプタ・電源ケーブルにマニュアル、ドライバCDだ。なお、HDDレス仕様のベアボーン製品ではHDD固定金具が外された状態で同梱されているとのこと。
そして本体。外観は同社従来製品の「V700」と同系統。きょう体で特に目立つのは上板の半分以上がメッシュというデザインで、これに加えてサイドにもパンチングがあり、風通しは良さそうだ。
やはりここはCDケースとのサイズ比較をしてみたい。奥行きはほぼ同等の125mm。幅は160mmちょうどで高さが55mm。AOpenのMINI PCを抜き、おそらく市販のPentium Mデスクトップとしては最少記録が塗り替えられたといえるだろう。ちなみに、3.5インチハードディスクとほぼ同程度の底面積となっている。
本体の分解には、底面2つ、背面2つのネジを外す。すると上半分と下半分といったように本体をオープンできる。上部と下部はスイッチ&LED関連のケーブルで接続されているので注意が必要だが、このケーブルとマザーとのコネクタは全てが一体化した分かりやすいもの。きょう体が小さくなるととかくメンテナンスの難易度が上がるのでこうした配慮はうれしい。
内部はやはり恐ろしいほどの高密度だ。底から1cmほどの高さの脚にマザーボード、マザーボード下には2.5インチハードディスクというレイアウト。マザーボード上にはこれまた幅いっぱいいっぱいのメモリソケット。メモリは184ピンのDDR-266 / 333メモリに対応しておりデスクトップ向けが流用できる点が○。搭載可能なメモリ最大容量は1GB。
メッシュの冷却口を外すと、内部に60×60mmファンが1基確認できる。冷却ファンはこれ1基のみで、半固定抵抗というもので抵抗値を可変させ回転数を絞ることができる。もちろん搭載するCPUや周辺温度などを考慮し調節しなければならないが、こと静音性という点ではかなりこだわりが見られる。
マザーボードはもちろん正方形ではなく長方形。CPUとノースブリッジ、サウスブリッジが一直線に配置され、ノースブリッジには小さなヒートシンク、CPUには銅製のヒートシンクが搭載されている。その他のチップで目立つものといえばWinbondのスーパーI/O「W83627HG-AW」、そしてBIOSフラッシュROMぐらいだろう。拡張スロットではサウスブリッジの横にMini-PCIカードスロットが用意されており、その気になれば無線LAN化も可能と思われる。ただ、そのほかのヘッダやジャンパピンはほとんどが組込み向けのインタフェース。また、Mini-PCIスロット横に一部見えているのは拡張スロット用の端子で、このマザーがもともとはバックプレーンに挿して利用するインダストリ用であることが伺える。
さて、ハードディスクの内蔵方法についても見てみよう。CF700はHDDを底面に格納するタイプだが、ちょっと面白い方法で固定している。背面にケースオープン用とは別に金属色の金具が2つあり、計3つのネジで固定されている。これを外すことでハードディスクの取り外しが可能だ。
そのハードディスクに用いられているIDE用インタフェースだが、標準では2.5インチ用の44ピン×2デバイス用のもの。例えば、CF700のOSインストール用として光学ドライブを接続する際には付属の2.5インチ(44ピン)・3.5インチ(80芯40ピン)混成ケーブルと電源ケーブルを一時的に用いる。このあたり、あまり頻繁にOSインストールをする使い方には向かない製品といえるだろう。
というわけで、ひととおりハードウェアの構成を見てきたところで今回はここまで。次回では実際にシステムを起動しての様子と、ベンチマークプログラムなどを用いた性能検証などもあわせて紹介していきたいと思う。
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