【コラム】

自作パーツ実験室

34 AOpen MINI PC - "mini"のサイズ・デザイン・高性能がついにDOS/Vでも(1)

 

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なんとなく、今のPCのハード・ソフトを取り巻くポイントは「何かが出来る」ことはもちろん、「より便利になる」が重要度を増している気がする。そんななか、簡易NASをはじめストレージは使い勝手が増している。つい先日Seagateの「Barracuda 7200.9」の発表会に参加したとき、SATAの新機能「Port Multiplier」について解説を聞いた。SATAといえば長らく1ポートに1デバイスと定着していた。1ポートに複数デバイスを接続することが可能となるPort Multiplierだが、説明ではいちおうサーバ向けという。しかしテレビ録画や映像編集、バックアップなど増大するデータを保存するには必要に応じて増設ができるPort Multiplierは一般向けとしても魅力は大きいと思う。

同時に、SATAインタフェースの高速転送をそのままに、外付けHDDを接続するeSATAも注目だ。筆者のような小さいもの好きのPCはHDDベイ数も少ない。これを一気に解決できるのではと期待している。ただ最近、また筆者のハードウェア運が低下しているようで、HDDのデータクラッシュ(無茶な運用方法が悪かったらしい)が2回立て続けに起きたのが悲しい……RAID5にしておけばよかったとただただ後悔。

SFF DOS/Vパソコンの決定打となるか!?

Pentium M対応のデスクトップPCながら、Apple ComputerのMac mini並にコンパクトということで、COMPUTEX TAIPEI 2005にて注目を集めたAOpenのMINI PCが間もなく登場する予定だ。製品名は「MINI PC MP915-C」。発売開始予定は11月頃、価格は未定という状況だが、どうやらCPU・HDD・メモリ・光学ドライブ・OS込みのPC製品としてのメーカー直販と、光学ドライブ込みのベアボーンでの販売が検討されているようだ。今回は発売前のサンプル機で製品の特徴を紹介するとともに、その活用方法を検討してみたい。

AOpen「MINI PC MP915-C」

CDケースと比べてもこのサイズ

今回はサンプル機を用いたレビューであり、実際の製品では仕様その他、変更のある場合もあります。

到着したサンプルはまだ外箱が出来ていなかったようで白箱のままだったが、確かにデスクトップPC/ベアボーンの類では最小の部類に入るパッケージサイズと思われる。もちろん店頭購入後の持ち帰りも、デスクトップ代替ノートなど比ではないほどに楽だろう。パッケージ内には、本体およびACアダプタ、そしてDVI-D-Sub変換コネクタとコンポーネント変換ケーブルが付属した。

本体とACアダプタ

コンポーネント変換コネクタとDVI-D-Sub変換コネクタ

さて、サンプルのきょう体カラーはシルバーだった。サイズは約16cm四方で、厚みは約5.5cm。どことなくMac miniを彷彿とさせるのは以前から指摘されている通りだ。正確にはMac miniよりも若干小さいとのことだが今回は比較していない。外観を見ると、前面にはパワーLEDおよびHDDアクセスLEDを統合したパワースイッチ、そしてスロットインタイプの光学ドライブ。背面にはACアダプタ用コネクタおよび、DVI端子、ビデオ出力端子、1000Mbps ネットワーク端子、USB2.0端子×2ポート、IEEE1394端子、オーディオ入出力端子が並んでいる。なお、本体幅の1/2程度のスリットがあり、これは内部の熱を外に排出するためのものだ。拡張は全てUSBやIEEE1394、LANにたよる構造だが、このサイズを実現するためには仕方のないところだろう。1つだけ、背面ポートで塞がれている箇所があるが、これについての考察は後ほど。

何ともシンプルなフロント

最低限必要なIFは揃えるI/O

上から見れば正方形

どことなく見覚えのある底面

とりあえず今回はこのサンプルを徹底的にバラし、内部構造を見てみることにする。分解は、まず本体底面にあるゴムラバーの4隅に隠されたネジを外すことから始まる。これでとりあえず上下にオープン可能だ。なお、上下パーツを完全に切り離すためには2つ配線を外す必要があるが、スピーカー配線と、パワースイッチなどのフロントパネル配線のみだ。コネクタが小さいため引き抜くには注意が必要だ。

ゴムに隠れた4隅のネジを外す

本体は上下に分割できる構造

マザーボードは、CPUクーラーを取り外すことでケースからも取り外しが可能だ。まずおもて面から見ていこう。ボードサイズは約14.5cm×15cm。デスクトップマザーボードとは全く違うスロット、ソケットが特徴的だ。IDEは特殊形状のスロットとなっており、上部パーツと組み合わせた際にぴったり刺さるようになっている。そしてメモリはノートPCで一般的なDDR2 SO-DIMMを利用している。もうひとつ利用されていないスロットがあるが、これはMiniPCI。唯一の内部拡張スロットであり、おそらく無線LAN MiniPCIカードなどを搭載し、背面I/Oの塞がれていたポートからアンテナを出した、無線ネットワーク搭載モデルもバリエーション可能なのだろう。

マザーボードが搭載されている下部パーツ

ドライブ類が搭載されている上部パーツ

マザーボード上のインタフェース

手持ちのMiniPCIカードが装着できた

さて、冷却メカニズムも確認しておこう。CPUクーラーは縦に並ぶCPUとノースブリッジを同時に冷却するため縦長のヒートシンクを採用している。ファンは薄型のブロワータイプ。クーラー本体には空気の流れを整えるためのガイドが搭載されており、さらに上部パーツのプラスチックもこれを補うガイドとして働く仕組みと抜け目がない。

整流カバーを外した状態

ブロワーファンからCPU上のヒートシンクに、そして背面から外部に風が吹き抜ける構造

マザーボードのうら面にも多くのチップが搭載されている。ざっと見ただけでも、サウスブリッジチップ、Agere SystemsのIEEE1394チップ、そしておそらくサウンド用のRealtek製チップが確認できる。

マザーボードおもて面には各種I/Fと共にi915GMノースブリッジ

マザーボードうら面にはICH6-Mサウスブリッジなど

続いて上部パーツを分解していこう。上部パーツに搭載されているのは、光学ドライブと2.5インチハードディスク、あとはスイッチやスピーカーの類だ。まず特徴的なのは「AOpen IDE CARD」。スリムタイプの光学ドライブと2.5インチHDDにちょうど刺さるように設計された1枚の基板だ。この薄い基板を慎重に外すと、あとはプラスチックパーツと各ドライブをバラすことが可能となる。このあたり2.5インチHDDとスリム・スロットインタイプの光学ドライブという制限はあるが、汎用パーツで構成できる。

よく見ると白いプラスチックパーツは2分割

AOpen IDE CARD。なお同製品はSATA I/F非搭載

一見複雑でも合理的 - MINI PC内部にAOpenの本気を見た

このようにレイアウトやパーツ構成を見ると、デスクトップとは言うものの、構造・設計面ではノートブックに近い構成であることが分かるだろう。このあたりは一部のMini-ITXマザーボードでもいえることだが、MINI PCではそれがさらにノートブック寄りになった印象だ。同社は既にノートブックを製造、そしてデスクトップ向けPentium Mマザーボードを投入している。これらの技術が融合して完成したものというわけだろう。さて、次回は引き続き起動~そしてベンチマークによる基礎体力測定をしてみようと思う。

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インデックス

連載目次
第63回 Windows Vistaで組みたい「M2N32-SLI Premium Vista Edition」
第62回 Vista時代も省スペースで行こう! - minipc「LF800」をベースにVistaに挑戦
第61回 静音Athlonの決定打--Energy Efficient Small Form FactorのX2 3800+を試す
第60回 ハイエンドゲーマーの究極の野望「Quad-SLI」の世界をのぞき見る
第59回 Core 2 Duo E6300のオーバークロック耐性を試してみた
第58回 今年も暑い夏だから、MACSのペルチェ素子搭載クーラー第2弾を試す(2)
第57回 今年も暑い夏だから、MACSのペルチェ素子搭載クーラー第2弾を試す(1)
第56回 3.5インチHDDとPCI Expressグラフィックで武装できるミニPC「LF800」(2)
第55回 3.5インチHDDとPCI Expressグラフィックで武装できるミニPC「LF800」(1)
第54回 最新HDDの性能チェック - Barracuda 7200.10とRaptor Xをテストする
第53回 LinkBoostとは? SLI Memoryとは? nForce 500シリーズの新機能(2)
第52回 LinkBoostとは? SLI Memoryとは? nForce 500シリーズの新機能(1)
第51回 ASUSTeK「N4L-VM DH」 - オーソドックスに組めるCore Duoマザー
第50回 i975XでCore Duoどこまで回せるか!? - AOpen i975Xa-YDGを試す(2)
第49回 i975XでCore Duoどこまで回せるか!? - AOpen i975Xa-YDGを試す(1)
第48回 RAIDユニットの活用を考えてみる - RAIDON SOHORAIDを導入
第47回 限定モデルでメーカーの気合いを知る - DFI LANPARTY UT nF4 SLI-DR VENUS(2)
第46回 限定モデルでメーカーの気合いを知る - DFI LANPARTY UT nF4 SLI-DR VENUS(1)
第45回 NVIDIAのバリューGPU「GeForce 7300 GS」を試す(2)
第44回 NVIDIAのバリューGPU「GeForce 7300 GS」を試す(1)
第43回 パワーアップした白箱 - 挑戦者の「GLAN Tank」を試す(2)
第42回 パワーアップした白箱 - 挑戦者の「GLAN Tank」を試す(1)
第41回 975XとRadeon X1300でCrossFireを試す - アダプタも不要で手軽な高性能
第40回 玄人志向SATA2RE2-PCIeを試す - PCIe x1のSATA IIカードでeSATA環境を構築
第39回 静かと小型の両立を目指したミニピーシードットジェイピーのCF700を試す(2)
第38回 静かと小型の両立を目指したミニピーシードットジェイピーのCF700を試す(1)
第37回 ASUSのA8N32-SLI DELUXEをテストしてみた - nForce4 SLI X16の実力は? (2)
第36回 ASUSのA8N32-SLI DELUXEをテストしてみた - nForce4 SLI X16の実力は? (1)
第35回 AOpen MINI PC - "mini"のサイズ・デザイン・高性能がついにDOS/Vでも(2)
第34回 AOpen MINI PC - "mini"のサイズ・デザイン・高性能がついにDOS/Vでも(1)
第33回 動くといいなATOP - Albatron ATOPにバルクQuadroをおんぶさせてみた
第32回 RADEON X800 GTとは!? - X800/700シリーズ計4枚で比較(2)
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第28回 帰ってきたペルチェ - 弱点解決で身近になったペルチェクーラーを試す(2)
第27回 帰ってきたペルチェ - 弱点解決で身近になったペルチェクーラーを試す(1)
第26回 エントリPC1台が組めちゃう価格のソルダム高級ケース「ALCADIA X-1」を試す
第25回 噂の真相は? バリューゾーンのSempron 3300+の64bit対応と性能を検証(2)
第24回 噂の真相は? バリューゾーンのSempron 3300+の64bit対応と性能を検証(1)
第23回 挑戦者の自作NASキット「LAN Tank」の組み立てに挑戦してみる
第22回 Pentium M対抗のモバイルCPU「Turion 64」をデスクトップで動かそう(2)
第21回 Pentium M対抗のモバイルCPU「Turion 64」をデスクトップで動かそう(1)
第20回 高速メモリ導入の効果は如何に!? - 「DDR2-600」「CL3」に挑戦
第19回 CPUスピードはゲームに効く? 傾向と対策
第18回 高級ケースAbee AS Enclosure M2を手本に静音マシン作りのヒントを見出す
第17回 AOpenのi915GMm-HFS発売"Alvisoデスクトップ"の可能性を探る(2)
第16回 AOpenのi915GMm-HFS発売"Alvisoデスクトップ"の可能性を探る(1)
第15回 意外と今イチバン楽しいCPUかもしれないGeode NX 3モデルを試してみる(2)
第14回 意外と今イチバン楽しいCPUかもしれないGeode NX 3モデルを試してみる(1)
第13回 超難関!? HTPC製作に向けソフトウェアで機能拡張を試みる
第12回 難しい? それとも簡単? - 自作しながらHTPCを検討してみる
第11回 LGA775静音計画第2弾 - Power MasterのSilentモードでは思わぬ効果も!?
第10回 LGA775静音計画第2弾 - Power MasterのPerformance・Normalモードを検証(2)
第9回 LGA775静音計画第2弾 - AOpenのPower Masterを検証する(1)
第8回 GPUの素朴な疑問 - 16パイプのGPUをクロックダウンしたらどうなる?
第7回 LGA775のクーラーを考える - 巨大ヒートシンクXP-120を付けてみる
第6回 Pentium MでPCを黙らせよう(3) ファンレス実現範囲を見極める
第5回 Pentium MでPCを黙らせよう(2) こだわりのクーラー工作
第4回 Pentium MでPCを黙らせよう(1)
第3回 一風変わったマザーボード「P4GD1」「P5P800」を試してみよう(3)
第2回 一風変わったマザーボード「P4GD1」「P5P800」を試してみよう(2)
第1回 一風変わったマザーボード「P4GD1」「P5P800」を試してみよう(1)

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