【コラム】

自作パーツ実験室

22 Pentium M対抗のモバイルCPU「Turion 64」をデスクトップで動かそう(2)

    石川ひさよし  [2005/06/14]

    掲載時点では終了しているが、COMPUTEX TAIPEI 2005のプレスルームでこの原稿を書いている。PCパーツが好きでこの業界に入った筆者としては、数ある見本市の中でも一番気合いの入るイベントだ。そんななか今回もTurion 64の話を進めるが、今回のCOMPUTEXではリテール販売の可能性があるモバイルCPU対応マザーボードがいくつか展示されていた。AOpenのMiniPCや、ECSのPF88、MSIのPentium Mマザーボードなど、低消費電力マニアな筆者個人はとても盛り上がった。

    完全認識!? K8N Neo3-Fの新しいβBIOS+Turion 64を試してみる

    前回はK8N Neo3-FにCPUマイクロコードを更新した新しいβBIOSが登場した、というところで終わってしまったので、今回はこの続きとなる。

    ちなみにいくつかアップデートがあって、実は筆者の手元に届いていながら時間の都合でテストしきれなかったK8M890搭載MicroATXマザーボード「K8MM-V」に新BIOSが登場し、こちらでもCPUマイクロコードが更新されているとの情報を得た。また、K8N Neo-PlatinumにもβBIOSが準備されつつあるらしい。そしてもうひとつは訂正となるが、K8M Neo-VのBIOSバージョンが正しくはv3.7であったことをお詫びする。

    このように、同社のSocket754マザーボードが一斉にBIOS更新を始めたのだが、テスト期間の関係もあり、"K8N Neo3-FのBIOSをアップデートしたらどうなるか"に絞って話をすすめ、他のマザーボードに関しても今回のコラムの結果から推し測って頂きたい(ちなみにCOMPUTEX会場では、K8MM-VでTurion 64が動いているデモが行われていた)。

    さて、このK8N Neo3-FのBIOSアップデートだが、βBIOSである関係上、同社マザーボードに添付されているWindows上からBIOSアップデートを行うユーティリティ「MSI Live Update」は利用できない。βBIOSの取得はエムエスアイコンピュータージャパンのサイトから、そして更新は懐かしいAward Flash BIOS Utilityを使用しフロッピーディスクから行う。このフロッピーの作成方法は、Windowsが起動するPCからフロッピーディスクをDOS起動ディスクとしてフォーマットし、エムエスアイコンピュータージャパンからダウンロードしたβBIOSのZIPを解凍してコピーする。このディスクを使ってPCを起動したら、DOSコマンドからFlash Utilityを起動する。古いBIOSをバックアップ(場合によっては別にフォーマット済みディスクが必要)した後、新しいBIOSを更新するといった作業になる。BIOS更新は特に難しい作業ではないが、不要な操作は行わないことと、処理が終わるまではひたすら待つことが基本だ。

    更新が無事完了し再起動してみると……読みどおりBIOS画面には「AMD Turion 64 Mobile Technology MT-30」の文字が。つまりTurion 64のマイクロコードも追加されていたようだ(非公式ながら……)。Turion 64の正式動作をBIOSから確認したところで、Windows XPからも確認してみた。CPU-Zから確認しても、今度はきっちりTurion 64と表示される(当たり前と言えば当たり前だがとても気分が良い! )。

    BIOS画面にAMD Turion 64 Mobile Technology MT-30の文字が!

    CPU-ZでもAMD Turion 64 Mobile Technology MT-30と表示された

    Turion 64の基礎体力測定

    引き続きベンチマークと消費電力の測定を行ってみた。モバイルCPUということで消費電力に関しては期待していたのだが、最初に断っておくと、今回は比較的消費電力が大きいnForce4チップセットでのテストだったために、高めの結果で終わった。テスト構成はK8N Neo3-F+Turion 64 MT-30+RADEON 9200という組み合わせ。正規の1.2V動作で、Windows XP起動時の最大値は71W、ベンチマーク時の最大で78Wだった。しかしもう一声ほしかったので、試しに1.0V起動を試みてみた。0.2Vほど落としてみたが、今回用意したMT-30では起動とベンチマークをパスし順調ぶりを見せた。こちらの消費電力は、Windows XP起動時で65W、ベンチマーク時で71Wと、まずまず良い結果が出た。

    次にベンチマークのスコアに移るのだが、比較機を用意していないので、単発でSandra 2005とPCMark05だけ測定してみた。SandraのCPU Arithmetic Benchmarkでは、ALUが7455、FPUが2543、iSSE2が3293という結果。Sandra公式のスコアと比較すると、Pentium M 1.6GHzより若干良いスコアと出ている。PCMark05では、3035 PCMarks。CPUが3094、メモリが2978となった。SSE3対応などTurion 64ならではのメリットもあるので、これはさらにチェックしてみたいところだ。

    PCMark 3035
    CPU 3094
    Memory 2978
    Graphics 864
    HDD 3804

    SandraのCPU Arithmetic Benchmarkの結果

    PCMark 04の結果

    動くことは確認 あとは気の向くままTurion 64を使いこなそう

    Turion 64がまともに動作することを確認でき、これでTurion 64を試し渋っていた方もとりあえず安心できたのではないだろうか。ただし、注意点が二つある。一つ目は、BIOSアップデートが必要なので、マザーボード購入時のBIOSではTurion 64で起動できない場合、BIOS更新のためにSocket 754 Athlon 64のスペアが必要となること。そして二つ目、一度Turion 64対応BIOSにしてしまうと、もし再度BIOSが更新されたとしても、Turion 64非対応BIOSだったり場合は起動しなくなる可能性があるので、以降のBIOSアップデートは慎重に行うか、あるいは更新しないでおくことも考える必要があろう、ということだ。

    消費電力に関しては、VIAのグラフィック統合チップセットを採用したマザーボードならば、おそらく、もう少し低い値に抑えられると思われる。逆に70W台の消費電力でかまわないならば、PCI Expressスロットまで装備するK8N Neo3-Fで、デスクトップCPUよりも消費電力を抑えつつグラフィックを含めパフォーマンスの高いPCを組めるだろう。

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