【コラム】

自作パーツ実験室

20 高速メモリ導入の効果は如何に!? - 「DDR2-600」「CL3」に挑戦

    石川ひさよし  [2005/05/21]

    メモリの安値が続いている。元々変動の激しいパーツなので、今が底値? まだ下がる? これからは上昇する? といった憶測が今でも飛び交っているが、ピンときたら買ってしまえというのが自作。今回は特に1GBが注目で、DDRもDDR2も共に1万円前後。画像/映像編集など大きなファイルを扱うユーザーには是非ともこの機会にと言いたいところ。しかし頻繁にテストを繰り返す筆者の環境では、メモリの故障もしばしば……質と価格を天秤にかけてコレぞと思う製品を手に入れたい。

    メモリ動作クロックの違いによる性能差を確認する

    前回は、CPUクロックの違いによる性能の変化を見てみた。3GHz(あるいは3000+)台のCPUが一般的となった今、CPUとグラフィックの重要度の比率をおおまかに再認識するためのテストだったが、ひきつづき今回チェックしたいのはメモリの性能。高速メモリというと、オーバークロック向けには動作周波数が向上した製品、規定の周波数で動かす製品であればCAS Latencyを低く設定しても動作する製品などが販売されている。

    ブリスターパッケージ入りのCorsair「XMS2」

    今回用いたのは675MHz 3-2-2-8の「CM2X512A-5400UL」

    今回用意したパーツは、Corsair MemoryのDDR2メモリである「XMS2」シリーズの製品「CM2X512A-5400UL」。国内ではシネックスなどが取り扱っており、秋葉原のなかでもオーバークロックユーザー向けショップで販売されている。店頭価格は通常のDDR2-533メモリの3~4倍するマニア向けパーツだ。このメモリには標準でヒートシンクが付属、そこには675MHzと表記があり、Intel 955XやnForce4 SLI Intel Editionで対応したDDR2-667にも対応するほか、アクセスタイミングは3-2-2-8という。一般的なDDR2-533(PC2-4200)メモリのアクセスタイミングも4-4-4-12、DDR2-667(PC2-5300)の標準がCL5とされているので、通常よりかなり高速だ。

    FSB1066MHzならDDR2-711MHzまで対応するP5AD2-E Deluxe(写真はほぼ同様のP5AD2 Deluxe)。FSBが800MHzの場合DDR2-600MHzまで設定できる

    テスト環境

    M/B ASUS P5AD2-E Deluxe
    CPU Intel Pentium 4 560 3.60GHz
    メモリ DDR2-533(CL4)/DDR2-533(CL3)/DDR2-600(CL3)
    HDD Seagate Barracuda 7200.7 Plus 80GB
    VGA GeForce 6800
    OS Windows XP Professional SP2(E)

    ここでIntel 955XやnForce4 SLI Intel Editionを用意できればよかったのだが、そこはゴールデンウィーク。BIOSからDDR2-600MHzを選択できるP5AD2-E Deluxeを用いて600MHzまでの計測を行うことにした。テストするパターンは3つ。DDR2-533のデフォルトである4-4-4-12、DDR2-533での3-2-2-8、DDR2-600の3-2-2-8について検証してみたい。

    では今回もグラフで見ていこう。

    Sandra 2005 SR1 Lite

    Sandra 2005 SR1 Liteで計測したMmeory Bandwidth Benchmarkで計測した帯域幅を見てみると、DDR2-533でもCL4とCL3で160~190ポイント程度の差になっていることがわかる。逆に533MHz→600MHzという66MHz分の上昇は100ポイント以下。定格で動作させるのであればCAS Latencyに注目した方が効果は高いだろう。

    PCMark04 overall

    PCMark04 Memory - 8MB

    システムがらみのテストPCMark04でもトータルのPCMarksでは効果がしっかり表れている。メモリでは先のSandraと同様にやはりDDR2-533のCL4→CL3での効果が大きい。そこから66MHz引き上げたDDR2-600では100ポイントほど上昇する。

    3DMark05 overall

    3DMark05 HQ

    では3D性能はというと、3DMark05のテストではほとんど明確な差にならない。DDR2-533のCL4と比べ、CL3のDDR2-533/600は確かに数ポイントごと高いテストもあるが、どれも誤差の範囲だ。

    Doom3

    Far Cry

    Doom3に至っては高速メモリが逆にスコアを下げる結果となった。こうなる理由も不明なのだが、Doom3では少なくとも効果薄であるようだ。これと真逆がFar Cry。1024×768や1280×1024のDDR2-600 CL3ではFPSが5も向上している。

    Half-Lite2

    Half-Lite2 HQ

    最後に標準画質と高画質で計測したHalf-Life2も紹介しよう。Half-Life2もFPSが向上したパターンだが、その開きはせいぜい2FPS程度。しかも高画質では1280×1024以上はほとんど効果無しだ。

    価格は高いがハイエンドユーザーには魅力。まずはCAS Latencyに注目してみては?

    より高速なメモリを使うことで性能が向上するのはこれまでよく知られたこと。CPUやGPU、チップセットベンダーなどのリファレンスマシンでは、トップスピードを示すために動作周波数はサポートされた範囲内でCAS Latencyの低いメモリがよく搭載されているし、マザーボードベンダーでは、定格よりも高周波数でメモリを動作できる独自機能が搭載されていたりする。これらを参考に高速メモリを試してみるのもいいだろう。

    効果という部分では、これらの高速メモリはシステムベンチマークやアプリケーションベンチマークでは有効だが、ゲームに関してはタイトルごとのクセによるだろうというのが今回の結論だ。高速なメモリがゲーム性能を向上させる可能性のあるパターンとしては、CPU-メモリ間が重要となるタイトルで、システム側の負荷が高い場合や、グラフィックカード側のメモリからテクスチャが溢れた場合のテクスチャスワッピングが頻繁に生じる場合などが考えられる。このあたりはゲームタイトル毎のクセが左右する分野なので検討してみるのがいいだろう。Half-Life2の高画質モードの高解像度のように、メモリだけを高速化しても他がボトルネックになってしまい、システム全体を底上げしないと効果が出ない場合もあるようだ。

    とはいえ高価な高速メモリの効用は、バルクメモリの"当たり"を探すよりも確実にその速度で動作させることができる点だろう。それにDDR2メモリではDDRと比べたアドバンテージが得られるのはDDR2-533以降という話もある。DDR2-667やその先のDDR2-800/DDR2-1000などというオーバークロックメモリもCorsairのほかOCZやPQIなどから製品発表されているので、いずれ国内でも入手できるようになると思われる。人柱志望のオーバークロッカーは試してみて欲しい。

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