【コラム】

自作パーツ実験室

20 高速メモリ導入の効果は如何に!? - 「DDR2-600」「CL3」に挑戦

 

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メモリの安値が続いている。元々変動の激しいパーツなので、今が底値? まだ下がる? これからは上昇する? といった憶測が今でも飛び交っているが、ピンときたら買ってしまえというのが自作。今回は特に1GBが注目で、DDRもDDR2も共に1万円前後。画像/映像編集など大きなファイルを扱うユーザーには是非ともこの機会にと言いたいところ。しかし頻繁にテストを繰り返す筆者の環境では、メモリの故障もしばしば……質と価格を天秤にかけてコレぞと思う製品を手に入れたい。

メモリ動作クロックの違いによる性能差を確認する

前回は、CPUクロックの違いによる性能の変化を見てみた。3GHz(あるいは3000+)台のCPUが一般的となった今、CPUとグラフィックの重要度の比率をおおまかに再認識するためのテストだったが、ひきつづき今回チェックしたいのはメモリの性能。高速メモリというと、オーバークロック向けには動作周波数が向上した製品、規定の周波数で動かす製品であればCAS Latencyを低く設定しても動作する製品などが販売されている。

ブリスターパッケージ入りのCorsair「XMS2」

今回用いたのは675MHz 3-2-2-8の「CM2X512A-5400UL」

今回用意したパーツは、Corsair MemoryのDDR2メモリである「XMS2」シリーズの製品「CM2X512A-5400UL」。国内ではシネックスなどが取り扱っており、秋葉原のなかでもオーバークロックユーザー向けショップで販売されている。店頭価格は通常のDDR2-533メモリの3~4倍するマニア向けパーツだ。このメモリには標準でヒートシンクが付属、そこには675MHzと表記があり、Intel 955XやnForce4 SLI Intel Editionで対応したDDR2-667にも対応するほか、アクセスタイミングは3-2-2-8という。一般的なDDR2-533(PC2-4200)メモリのアクセスタイミングも4-4-4-12、DDR2-667(PC2-5300)の標準がCL5とされているので、通常よりかなり高速だ。

FSB1066MHzならDDR2-711MHzまで対応するP5AD2-E Deluxe(写真はほぼ同様のP5AD2 Deluxe)。FSBが800MHzの場合DDR2-600MHzまで設定できる

テスト環境

M/B ASUS P5AD2-E Deluxe
CPU Intel Pentium 4 560 3.60GHz
メモリ DDR2-533(CL4)/DDR2-533(CL3)/DDR2-600(CL3)
HDD Seagate Barracuda 7200.7 Plus 80GB
VGA GeForce 6800
OS Windows XP Professional SP2(E)

ここでIntel 955XやnForce4 SLI Intel Editionを用意できればよかったのだが、そこはゴールデンウィーク。BIOSからDDR2-600MHzを選択できるP5AD2-E Deluxeを用いて600MHzまでの計測を行うことにした。テストするパターンは3つ。DDR2-533のデフォルトである4-4-4-12、DDR2-533での3-2-2-8、DDR2-600の3-2-2-8について検証してみたい。

では今回もグラフで見ていこう。

Sandra 2005 SR1 Lite

Sandra 2005 SR1 Liteで計測したMmeory Bandwidth Benchmarkで計測した帯域幅を見てみると、DDR2-533でもCL4とCL3で160~190ポイント程度の差になっていることがわかる。逆に533MHz→600MHzという66MHz分の上昇は100ポイント以下。定格で動作させるのであればCAS Latencyに注目した方が効果は高いだろう。

PCMark04 overall

PCMark04 Memory - 8MB

システムがらみのテストPCMark04でもトータルのPCMarksでは効果がしっかり表れている。メモリでは先のSandraと同様にやはりDDR2-533のCL4→CL3での効果が大きい。そこから66MHz引き上げたDDR2-600では100ポイントほど上昇する。

3DMark05 overall

3DMark05 HQ

では3D性能はというと、3DMark05のテストではほとんど明確な差にならない。DDR2-533のCL4と比べ、CL3のDDR2-533/600は確かに数ポイントごと高いテストもあるが、どれも誤差の範囲だ。

Doom3

Far Cry

Doom3に至っては高速メモリが逆にスコアを下げる結果となった。こうなる理由も不明なのだが、Doom3では少なくとも効果薄であるようだ。これと真逆がFar Cry。1024×768や1280×1024のDDR2-600 CL3ではFPSが5も向上している。

Half-Lite2

Half-Lite2 HQ

最後に標準画質と高画質で計測したHalf-Life2も紹介しよう。Half-Life2もFPSが向上したパターンだが、その開きはせいぜい2FPS程度。しかも高画質では1280×1024以上はほとんど効果無しだ。

価格は高いがハイエンドユーザーには魅力。まずはCAS Latencyに注目してみては?

より高速なメモリを使うことで性能が向上するのはこれまでよく知られたこと。CPUやGPU、チップセットベンダーなどのリファレンスマシンでは、トップスピードを示すために動作周波数はサポートされた範囲内でCAS Latencyの低いメモリがよく搭載されているし、マザーボードベンダーでは、定格よりも高周波数でメモリを動作できる独自機能が搭載されていたりする。これらを参考に高速メモリを試してみるのもいいだろう。

効果という部分では、これらの高速メモリはシステムベンチマークやアプリケーションベンチマークでは有効だが、ゲームに関してはタイトルごとのクセによるだろうというのが今回の結論だ。高速なメモリがゲーム性能を向上させる可能性のあるパターンとしては、CPU-メモリ間が重要となるタイトルで、システム側の負荷が高い場合や、グラフィックカード側のメモリからテクスチャが溢れた場合のテクスチャスワッピングが頻繁に生じる場合などが考えられる。このあたりはゲームタイトル毎のクセが左右する分野なので検討してみるのがいいだろう。Half-Life2の高画質モードの高解像度のように、メモリだけを高速化しても他がボトルネックになってしまい、システム全体を底上げしないと効果が出ない場合もあるようだ。

とはいえ高価な高速メモリの効用は、バルクメモリの"当たり"を探すよりも確実にその速度で動作させることができる点だろう。それにDDR2メモリではDDRと比べたアドバンテージが得られるのはDDR2-533以降という話もある。DDR2-667やその先のDDR2-800/DDR2-1000などというオーバークロックメモリもCorsairのほかOCZやPQIなどから製品発表されているので、いずれ国内でも入手できるようになると思われる。人柱志望のオーバークロッカーは試してみて欲しい。

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インデックス

連載目次
第63回 Windows Vistaで組みたい「M2N32-SLI Premium Vista Edition」
第62回 Vista時代も省スペースで行こう! - minipc「LF800」をベースにVistaに挑戦
第61回 静音Athlonの決定打--Energy Efficient Small Form FactorのX2 3800+を試す
第60回 ハイエンドゲーマーの究極の野望「Quad-SLI」の世界をのぞき見る
第59回 Core 2 Duo E6300のオーバークロック耐性を試してみた
第58回 今年も暑い夏だから、MACSのペルチェ素子搭載クーラー第2弾を試す(2)
第57回 今年も暑い夏だから、MACSのペルチェ素子搭載クーラー第2弾を試す(1)
第56回 3.5インチHDDとPCI Expressグラフィックで武装できるミニPC「LF800」(2)
第55回 3.5インチHDDとPCI Expressグラフィックで武装できるミニPC「LF800」(1)
第54回 最新HDDの性能チェック - Barracuda 7200.10とRaptor Xをテストする
第53回 LinkBoostとは? SLI Memoryとは? nForce 500シリーズの新機能(2)
第52回 LinkBoostとは? SLI Memoryとは? nForce 500シリーズの新機能(1)
第51回 ASUSTeK「N4L-VM DH」 - オーソドックスに組めるCore Duoマザー
第50回 i975XでCore Duoどこまで回せるか!? - AOpen i975Xa-YDGを試す(2)
第49回 i975XでCore Duoどこまで回せるか!? - AOpen i975Xa-YDGを試す(1)
第48回 RAIDユニットの活用を考えてみる - RAIDON SOHORAIDを導入
第47回 限定モデルでメーカーの気合いを知る - DFI LANPARTY UT nF4 SLI-DR VENUS(2)
第46回 限定モデルでメーカーの気合いを知る - DFI LANPARTY UT nF4 SLI-DR VENUS(1)
第45回 NVIDIAのバリューGPU「GeForce 7300 GS」を試す(2)
第44回 NVIDIAのバリューGPU「GeForce 7300 GS」を試す(1)
第43回 パワーアップした白箱 - 挑戦者の「GLAN Tank」を試す(2)
第42回 パワーアップした白箱 - 挑戦者の「GLAN Tank」を試す(1)
第41回 975XとRadeon X1300でCrossFireを試す - アダプタも不要で手軽な高性能
第40回 玄人志向SATA2RE2-PCIeを試す - PCIe x1のSATA IIカードでeSATA環境を構築
第39回 静かと小型の両立を目指したミニピーシードットジェイピーのCF700を試す(2)
第38回 静かと小型の両立を目指したミニピーシードットジェイピーのCF700を試す(1)
第37回 ASUSのA8N32-SLI DELUXEをテストしてみた - nForce4 SLI X16の実力は? (2)
第36回 ASUSのA8N32-SLI DELUXEをテストしてみた - nForce4 SLI X16の実力は? (1)
第35回 AOpen MINI PC - "mini"のサイズ・デザイン・高性能がついにDOS/Vでも(2)
第34回 AOpen MINI PC - "mini"のサイズ・デザイン・高性能がついにDOS/Vでも(1)
第33回 動くといいなATOP - Albatron ATOPにバルクQuadroをおんぶさせてみた
第32回 RADEON X800 GTとは!? - X800/700シリーズ計4枚で比較(2)
第31回 RADEON X800 GTとは!? - X800/700シリーズ計4枚で比較(1)
第30回 目指せ2.xGHz - Athlon 64 3200+ Rev.Eのオーバークロックにチャレンジ(2)
第29回 目指せ2.xGHz - Athlon 64 3200+ Rev.Eのオーバークロックにチャレンジ(1)
第28回 帰ってきたペルチェ - 弱点解決で身近になったペルチェクーラーを試す(2)
第27回 帰ってきたペルチェ - 弱点解決で身近になったペルチェクーラーを試す(1)
第26回 エントリPC1台が組めちゃう価格のソルダム高級ケース「ALCADIA X-1」を試す
第25回 噂の真相は? バリューゾーンのSempron 3300+の64bit対応と性能を検証(2)
第24回 噂の真相は? バリューゾーンのSempron 3300+の64bit対応と性能を検証(1)
第23回 挑戦者の自作NASキット「LAN Tank」の組み立てに挑戦してみる
第22回 Pentium M対抗のモバイルCPU「Turion 64」をデスクトップで動かそう(2)
第21回 Pentium M対抗のモバイルCPU「Turion 64」をデスクトップで動かそう(1)
第20回 高速メモリ導入の効果は如何に!? - 「DDR2-600」「CL3」に挑戦
第19回 CPUスピードはゲームに効く? 傾向と対策
第18回 高級ケースAbee AS Enclosure M2を手本に静音マシン作りのヒントを見出す
第17回 AOpenのi915GMm-HFS発売"Alvisoデスクトップ"の可能性を探る(2)
第16回 AOpenのi915GMm-HFS発売"Alvisoデスクトップ"の可能性を探る(1)
第15回 意外と今イチバン楽しいCPUかもしれないGeode NX 3モデルを試してみる(2)
第14回 意外と今イチバン楽しいCPUかもしれないGeode NX 3モデルを試してみる(1)
第13回 超難関!? HTPC製作に向けソフトウェアで機能拡張を試みる
第12回 難しい? それとも簡単? - 自作しながらHTPCを検討してみる
第11回 LGA775静音計画第2弾 - Power MasterのSilentモードでは思わぬ効果も!?
第10回 LGA775静音計画第2弾 - Power MasterのPerformance・Normalモードを検証(2)
第9回 LGA775静音計画第2弾 - AOpenのPower Masterを検証する(1)
第8回 GPUの素朴な疑問 - 16パイプのGPUをクロックダウンしたらどうなる?
第7回 LGA775のクーラーを考える - 巨大ヒートシンクXP-120を付けてみる
第6回 Pentium MでPCを黙らせよう(3) ファンレス実現範囲を見極める
第5回 Pentium MでPCを黙らせよう(2) こだわりのクーラー工作
第4回 Pentium MでPCを黙らせよう(1)
第3回 一風変わったマザーボード「P4GD1」「P5P800」を試してみよう(3)
第2回 一風変わったマザーボード「P4GD1」「P5P800」を試してみよう(2)
第1回 一風変わったマザーボード「P4GD1」「P5P800」を試してみよう(1)

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