【コラム】

ライトニングJava

74 Java SE 6へ - 継続されるEoD、スクリプト、デスクトップ強化…

    後藤大地  [2007/01/22]

    2006年12月11日(米国時間)、Javaプラットフォームの最新版であるJava SE 6(Java Platform Standard Edition 6)が公開された。Java SE 6は従来コード名「Mustang」のもとで開発が進められていたJavaプラットフォーム。本コラムが開始された当時は、EoDを主眼に据えたJava SE 5.0が公開されたころだった。メジャーバージョンアップを経てどういった成長をみせたのか、ここで振り返っておきたい。

    1 Java SE 6

    Java SE 6の仕様はJava Community Process, JSR 270 Expert Groupのもと「JSR 270: Java SE 6 Release Contents」において定められている。サブセットとして

    • JSR 199 "Java Compiler API"
    • JSR 221 "JDBC 4.0 API Specification"
    • JSR 223 "Scripting for the Java Platform"
    • JSR 250 "Common Annotations for the Java Platform
    • JSR 269 "Pluggable Annotation Processing API"

    などが含められている。

    Java SE 6の仕様を策定するにあたり掲げられているおもな目標は「EoDの実現」「デスクトップ環境の強化」「国際化機能の強化」「WebサービスやXMLサポート機能の拡張」「リソース管理や診断機能の強化」などだ。EoDについては引続き実施されていることがわかり、それ以外は流行を採り入れてWebサービスにおける機能強化やデスクトップ機能の強化というわけだ。

    2 スクリプト言語のサポート

    Webサービスという観点でみた場合、Java SE 6におけるもっともわかりやすい追加機能がスクリプト言語のサポートだろう。Java SE 6にはJavaプログラムからスクリプト言語を実行するための機能が用意されており(JSR 223)、Webアプリケーション開発において、Javaの強力さとスクリプトのアジャイルさの両方を活用しやすいように工夫されている。

    標準でサポートされているスクリプト言語はJavaScriptだが、仕様としては利用するスクリプト言語を限定するものではないので、GroovyJRuby、PHP、Kawa Schemaなどほかのスクリプト言語も活用することができる。Webアプリケーションで活用するにとどまらず、設定ファイルに使うなど実用用途はいろいろ考えられる。今後登場するアプリケーションでどのように活用されるかが見物だ。

    3 デスクトップ環境の強化

    Java SE 6でも多くの機能強化が実施されているが、最もわかりやすいものがデスクトップ環境の強化だ。言ってしまえば、実用レベルで活用できるプラットフォームになったとみていい。

    Java SE 6におけるデスクトップ環境の強化は大きくわけて2種類。ネイティブ環境との連携強化と便利なAPIの提供だ。ネイティブ環境との連携強化としてはシステムトレイへの対応、デフォルトアプリケーション実行への対応、プラットフォームのルック&フィールへの対応、ネイティブプラットフォームのテーマへの対応、ネイティブレンダリングエンジンの使用などがある。Java SE 6でデスクトップアプリケーションを実行すると、プラットフォームネイティブなアプリケーションと区別がつかない。ネイティブプラットフォームにフィットするGUIアプリケーションもJavaで開発しやすくなったということになる。

    便利なAPIの追加としては、スプラッシュスクリーン機能の追加、レイアウト機能の改善、ドラッグ&ドロップ機能の改善、JTableにおける整列やフィルタ機能の実現、JTabbedPaneの改善、スレッド処理ユーティリティSwingWorkerの追加などがある。NetBeans IDEにおけるGUIビルダなどを活用すると、GUIアプリケーションの開発はかなり便利になっていると見ていい。

    このほかにも、APIに和暦が追加されたことやUnicode正規化のサポート、リソースバンドルの拡張、XML関連APIの追加と改善など、代表的なものだけを取り上げても多くの改善と機能追加が実施されている。こうした取り組みの根底には、開発効率をアップするというEoDがあるという点で、Java SE 6においてもJava SE 5.0における取り組みが継続しているといえる。今後もしばらくはこうした流れが続いていきそうだ。

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