前回、昼休みの取り方についてお話ししました。これに関して、読者からいただいた投稿の中に、「病欠」の扱いに関するものがありました。

<以下、当時読者からいただいた投稿内容です>

昨年末、私は、かなり楽しいトラブルプロジェクトにおりました。明らかな赤字が出ていますが、もうやるしかない、というプロジェクトで、サービスイン日は、何回か伸びたのですが、外注の方々と共に、大騒ぎしておりました。

私は、サブリーダをしておりましたが、 OJTという名目でこの春入社したばかりの1年生を5人入れたチームは、 総勢10名で、頑張ってました。この時期に、「病欠」はありませんでした。11月、12月は、風邪が流行りましたが、リーダが倒れて会社に来なくても、私の携帯の電池が切れるまで、電話をし続ける始末。USBの携帯充電器を、この時期に購入しました。

誰かが寝坊すると、その人から連絡が来るよりも早く、誰かが質問の電話をします。電車の中から飛ばした携帯メールが、転送されている事もありました。 でも、唯一、私は、「病欠」を取りました。もちろん、出勤表上ではありません。深夜帰宅後、ひどい頭痛と発熱で眠れず、たまらずに病院に行きました。

病院に行く前に、翌日、欠勤することをメールでチームメンバーに、携帯の番号と共に知らせました。しかし、電話が鳴る事はなかったのです。

後で聞くと、プロジェクトリーダは、「絶対に電話するな」と、予防線を張ってくれていたようです。

3日後、私は復帰し、事情を知りました。今、プロジェクトリーダには、非常に感謝しております。でも、そのプロジェクトリーダが倒れていた時、私が一番電話を握っていました。。。

ごめんなさいっ。

<読者からの投稿内容ここまで>

大抵の人は病気で仕事を休んだ経験はお持ちでしょう。当然、仕事は待ってくれませんから、自宅で静養しながら(?)資料作成に勤しむ方もいらっしゃると思います。しかし、そのワザを使えるのは、システム開発に携わる人間にとっては、設計フェーズが限度でして、プログラムをコーディングするフェーズから先は、開発環境やテスト環境に接続できなければ、仕事にならないんですよ。

ですから、開発が佳境を迎える時期には、無理をしてでも出社しなければならないのです。万一、欠勤することになれば、他のプロジェクトメンバーやクライアントから質問がマシンガンのように問い合わせられることでしょう。

病欠の扱い方は、私の経験の範囲では、会社によってマチマチ、場合によってはプロジェクト単位で異なっています。

・有休を消化させるケース

・有休や給与に影響なく病気休暇を認めるケース

・欠勤扱いで給与から天引きするケース

給与天引きなんて勘弁して欲しいと思う方もいらっしゃるでしょう。ですが、労働法では、病欠は欠勤とみなすことを述べているので、給与天引きというのは、実は一番妥当なケースなのです。

病欠は自己管理ができていない証拠だから、その分給与を減らされても文句は言えない、と教えられた営業職の方は結構いると思いますが、労働法から見ても、その考えは実は間違っていないんですよ。

皆さんの職場では、病欠に有休を充てる人は多いと思いますが、有休というのは事前に申請が必要なので、「今日は具合が悪いから有休を取らせて下さい」という意見が通るのは、あくまで上司(会社)の好意によるものであることをお忘れなく。ちなみに、私はプロジェクトの予算が厳しいからという理由で、無理やり有休を取らされたことがあります。

休みたいのに休めない人がいる一方で、働きたいのに休まされる人がいるというのも奇妙な話ですね。

著者紹介

吉澤準特 (ヨシザワジュントク)

外資系コンサルティング会社に勤務。守秘義務を破らない範囲でIT業界の裏話をつぶやきます。ファシリテーション、ビジネスフレームワーク、人材教育など執筆多数。日本能率協会、秀和システムそれぞれから書籍刊行。執筆依頼/インタビューお引き受けします。こっそりITIL Manager (v2)資格保有。

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この記事は吉澤準特氏のブログ「IT業界の裏話」の過去記事を抜粋し適宜加筆・修正を行って転載しています。