Wide WisE-mailの起動画面。起動と同時に画面はiPhoneの向きにかかわらず、横位置となる

iPhone / iPod touch標準搭載のメールクライアント「メール」は、入力画面が縦位置に固定されており、不満を持つユーザーも少なくない。この入力スタイルの不満を解消してくれるのが、今回紹介するメールメッセージ作成ソフト「Wide WisE-mail」だ。メール送受信や閲覧は「メール」に任せて、横位置での文字入力に特化しているのだ。

またWide WisE-mailには、メッセージ作成のみならず、メッセージ本文に現在地の位置情報を付加する機能も搭載されている。特筆すべきは、位置情報埋め込み時にGPS情報に誤差があった場合は、手動で微調整が可能な点だ。

ソフト名 Wide WisE-mail
バージョン 1.1
作者 Totus Pty Ltd
カテゴリ 仕事効率化
種別 シェアウェア
動作環境 iPod touch(第2世代以上)、iPhone(iPhone 2.0以上)
ファイルサイズ 0.2MB
価格 115円

横位置での広い入力画面を備えるメール作成ツール

入力画面は横位置が標準。十分な桁数を確保できるので、メッセージ全体を楽に確認できる

Wide WisE-mailを起動すると、iPhoneの向きにかかわらず自動的に横位置のメッセージ入力画面が表示される。たとえばiPhoneを縦位置で保持していた場合、iPhoneの左側面が下となる画面配置になる。またiPhoneの右側面が下になるように持つと、自動的に画面が回転し、右側面が下となる配置に変更される。

タイトルバーには、左から新規作成のアイコン、[メッセージ送信]ボタン、[位置の追加]ボタン、設定アイコンが用意されている。残りはすべてメッセージ本文のスペースだ。

メッセージ本文を入力する際のフォントサイズを変更することも可能だ。画面右上の歯車アイコンをタップすると、「設定」画面が開く。ここの「文字のサイズ」でフォントサイズを変更できる。大・中・小と3段階のフォントサイズが用意されているので、表示可能な行数・桁数を変更できる。必要に応じて変更してみてほしい。

設定画面。タイトルバー右側の歯車アイコンをタップして設定画面を開く。文字サイズは大中小の設定が用意されている

表示フォント(大)

表示フォント(中)

表示フォント(小)

なお、設定画面を閉じた直後は、メッセージ入力画面でもキーパッドやキーボードは表示されない。

キーボードやキーパッドが表示されない状態では、画面全体でメッセージを確認できる

位置情報の付加機能を搭載

「位置の追加」をタップすると、取得した位置情報を元に地図を表示し、現在地をドロップピンで表示する

現在位置を相手に伝える際、文章ではなく緯度経度などの数値データや、GoogleマップのURLであれば、誤解もなく正確な場所が伝わる。タイトルバー右側にある[位置の追加]ボタンをタップすると、取得された現在地を示すドロップピンと、取得精度を示す青い円が表示される。

地図表示画面で右上の「完了」をタップすると、メッセージ本文に、「位置」「高度」「日時(執筆時には"時日"と記載されているが、翻訳ミスだろう)」「地図リンク」が流し込まれる。用件の末尾に現在地情報として付加すれば、相手に自分の所在地が確実に伝わって便利だ。

地図表示画面で右上の「完了」をタップすると、メッセージ本文に、位置情報が流し込まれる

前回の位置情報のキャッシュが残っている時など、表示される位置情報が現在地とまったく違う場合、iPhoneを軽く振れば、改めて位置情報を取得してくれる(バイブレーションで位置情報を新規に取得開始したことがわかる)。

なお、画面をタップすることで一時的に表示されるフロートメニューで、航空写真や地形図に変更することもできる。表示倍率の変更は、標準のマップと同じように2本指によるピンチで行うが、ドラッグによる表示位置の変更はできない。

地図の表示倍率は、ピンチで拡大・縮小が可能。ただし、ドラッグによる表示位置の変更はできない

位置情報の手動修正で正確な場所を指定

建物の影など十分にGPS衛星を補足できない場所では、間違った場所をにピンが表示される

iPhoneの内蔵GPS(A-GPS)で取得した位置情報、つまり、ドロップピンの位置が、実際の現在地に合致していれば問題ないが、ビルに囲まれた場所や屋内など、十分なGPS衛星を完全に捕捉できない場所では、表示される現在地がずれていることもあるだろう。特に衛星が全く捕捉できない屋内では、キャリアのアンテナ情報を元に位置を推定するため、大きくずれてしまう。

Wide WisE-mailが埋め込む位置情報は、手動で修正することも可能だ。現在地を示すピンの位置を修正するには、地図が表示された状態で、指定したい場所を指でタップする。

タップした場所に十字マークが表示され、画面下に小さなピンマークと、「地図」「航空写真」「地形図」がしばらくフロート表示される。このピンマークをタップすると、ドロップピンが十字マークの位置に移動する。ここで右上の「完了」をタップすれば、修正した位置情報がメッセージに埋め込まれる。

実際の現在地を地図上でタップすると、そこに十字マークが表示され、フロートメニューが表示される

メニューのピンマークをタップすると、指定された十字マークの位置にピンが移動する

ピンの位置を修正した後は、メッセージ本文に位置情報を埋め込み、メッセージを作成する

「メッセージ作成」をタップすると、確認メッセージが表示される。設定で確認なしに変更することも可能

「メール」の新規メール画面。設定したCC先も含めて作成したメッセージが「メール」に渡される。あとは必要に応じて宛先やサブジェクトを指定して送信すればいい

宛先・CC相手・サブジェクトをテンプレートとして指定可能

Wide WisE-mailでは、作成したメッセージを標準メールに引き渡す際に、「宛先」、「CC先」(Carbon Copy)、「主題」(メッセージのサブジェクト)を自動的に挿入するように設定できる。宛先やサブジェクトのテンプレート設定はさほど必要ではないが、CC先を指定できるのは思いのほか便利だ。

たとえば、送信するメッセージ全てを自分宛にも送信したい場合、「設定」のCCに自分のアドレスを入力しておけば、メール送信を担当する「メール」にメッセージ内容が引き渡される際に、自動的にCCの内容も設定されるので、送信時に毎回指定する必要がない。