【コラム】
映画『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』(5月1日公開)に登場する悪のディーバ「ゼブラクイーン」が、劇中歌『NAMIDA~ココロアバイテ~』でCDデビューを果たした。太ももも露わなボンデージファッションに身を包み、奇抜なゴスメイクを施した彼女の雄姿が、毎日のようにメディアを賑わせている。
この『NAMIDA』という曲は、劇中では「40週連続ヒットチャートNo.1を獲得」したという設定の、寺尾聡もビックリの記録的大ヒット。通常こうして自らハードルを上げまくった場合、実際の楽曲のクオリティが追いつかないものだけれど、この曲はレディ・ガガを彷彿させる本格的なエレポップ・チューンに仕上がっていて、映画と連動したミュージックビデオの完成度も非常に高い。堂々たるセクシー・パフォーマンスも見事。果たしてこのミュージックビデオを超えるインパクトが映画本編のほうにあるのかどうか心配になるほどだ。
しかしここまでの完成度を実現していながら、ゼブラクイーンのオリコン・シングルランキングでの動きは今のところ予想外に鈍い。40週連続No.1は少々難しそうだと言わざるを得ない。
かつて00年代の初頭から半ばごろにかけて、映画やテレビドラマの登場人物が劇中のプロフィールのまま現実世界に飛び出して歌う、というギミックが流行ったことがある。『ムコ殿』(フジテレビ系)の桜庭裕一郎(長瀬智也)、『セーラー服と機関銃』(TBS系)の星泉(長澤まさみ)、『タイヨウのうた』(TBS系)のKaoru Amane(沢尻エリカ)、『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)の修二と彰(亀梨和也と山下智久)。そうしたキャラクターたちがヒットチャートを賑わせたものだった。
しかし今や『けいおん!!』をはじめとするアニメのキャラクターたちが歌うイメージソング(通称キャラソン)が全盛で、さらには初音ミクのようにユーザーが共創する「ソーシャルアイドル」の楽曲までスマッシュヒットするなど、キャラクター歌謡の世界は二次元キャラに席巻されてしまったふしがある。ゼブラクイーンは登場するのが少しだけ遅すぎたのかもしれない。
それでもこの唯一無二のセクシーキャラが期間限定のメタアイドルで終わってしまうのはあまりにも惜しい。出来れば映画の公開終了後も活動を続け、更に露出度を増して、バストを手で隠しただけの「手ブラ・クイーン」としても活躍して欲しいところだ。
真実一郎(しんじつ いちろう)
サラリーマン、ブロガー。ケータイサイト『モバイルブロス』、雑誌『Invitation』などで世相を分析するコラムを連載。アイドルに関しても造詣が深く、リア・ディゾンに「グラビア界の黒船」というキャッチコピーを与えたことでも知られる。ブログ「インサイター」
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