【コラム】
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広瀬アリス |
映画『仮面ライダーW&ディケイド MOVIE大戦2010』は、冒頭からいきなり仮面ライダーディケイドが他のライダーたちを無差別に殺りくし続けるという、噂に違わぬ奇怪な実験映画だった。2000年から始まった平成仮面ライダー・シリーズを二次創作的に破壊・再生させる、という物語の主題を、主人公であるディケイドが全てセリフで解説してしまうので、情緒に浸る余韻も無い。でも無問題だ。電波人間タックルを演じた新人女優、広瀬アリスが凄くキュートだったから。
電波人間タックルというのは、もともとは『仮面ライダーストロンガー』(1975年)に登場した初の女仮面ライダーで、てんとう虫がモチーフの赤いミニスカ衣装を着た、相当に弱いヒロインだった。はっきりいって足手まとい。その責任を感じてか、敵の怪人を道連れに自爆するという凄絶な最期を遂げる。以降は仮面ライダー・シリーズに客演することも無く、居場所の無い忘れられた存在となっていた。今回の映画は、そんなタックルをそのまま「自分の居場所を探し続ける存在」として蘇らせていて、その発想自体は面白い。
新生タックルを演じる広瀬アリスは、くっきりとした二重で目力が強く、鼻筋もすっきり綺麗なハーフ顔の美少女だけれど、実はハーフではなく純ジャパニーズ。映画撮影当時は14歳だったというのが信じられないほど、顔も体も大人びている。「ミスセブンティーン2009」に選ばれただけあって、昔はあれほど野暮ったく見えたタックルのコスチュームも、彼女が着るとむしろオシャレに見えるから不思議だ。
広瀬アリスを見ていると、2000年に『燃えろ!!ロボコン』のロビーナ役でデビューした頃の加藤夏希を思い出す。顔が似ているわけではないけれど、彼女も当時14歳の、ハーフじゃないのにハーフ顔の大人びた美少女で、早くから圧倒的な存在感を放っていた。仮面ライダー映画に出演したというキャリアも一緒だ。あれから10年(ディケイド)が経ち、加藤夏希はどんな役でもこなせる万能型の女優に成長した。広瀬アリスの10年後の活躍にも期待せずにはいられない。
真実一郎(しんじつ いちろう)
サラリーマン、ブロガー。ケータイサイト『モバイルブロス』、雑誌『Invitation』などで世相を分析するコラムを連載。アイドルに関しても造詣が深く、リア・ディゾンに「グラビア界の黒船」というキャッチコピーを与えたことでも知られる。ブログ「インサイター」
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