【コラム】

個人型確定拠出年金「iDeCo」特集

2 年末調整に滑り込みセーフ!? - iDeCoで所得控除する手続きとは

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公的年金にじぶん年金を上乗せできる仕組みとして、注目を集めている確定拠出年金。確定拠出年金には勤務先の企業で入る「企業型確定拠出年金」と、加入者自身が自分で入る「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の2種類があります。

「企業型確定拠出年金」は、導入している企業でのみ加入できますが、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は2017年1月から加入対象者が大幅に拡大し、「企業型」に加入している人も含めて、20歳から60歳未満であれば誰でも加入できる制度になりました。この特集では「個人型確定拠出年金(iDeCo)」について、ひとつずつ解説していきます。

税制優遇は1月から12月の1年サイクルで受けられる!

iDeCoは、毎月掛金を積み立てつつ運用内容を指示し、60歳以降に年金か一時金の形で受け取る仕組みになっています。公的年金で不足する老後資金を補てんするいわゆる「じぶん年金」を作るための制度です。iDeCoの最大の特徴は税制優遇を受けられること。会社員ではなかなか工夫が難しい節税ができる上に、老後のための資産作りができるというわけです。

iDeCoの最大のメリットは何といっても、その税制優遇にあります。しかも、優遇は「拠出時」「運用時」「受取時」という3つのタイミングで得られます。その効果を見ていきましょう。

(1)拠出時:毎月の掛金分が全額所得控除の対象になる
これは3つの中でも最も大きいメリットです。積み立てた掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になり、年末調整や確定申告により納付した税金から所得と掛金に応じて、所得税と住民税が軽減されます。将来のために積み立てをしながら、その年の所得税に加え、翌年の住民税の負担減という効果も得られるわけです。

(2)運用時:iDeCoの運用で出た利益に関して課税されない
通常、金融商品などの運用で利益が出ると約20%が課税されますが、iDeCoの場合どれだけ利益が出ても全額非課税となります。そのため、運用中に得られた非課税の利益分も再投資することで、複利効果を利用しながら効率的に資産が増やせるというわけです。

(3)受取時:年金として受け取る場合も、一時金として受け取る場合も控除が得られる
給付金は、60~70歳の間に年金か一時金、あるいはそれらを併用する形で受け取ることになりますが、いずれの方式でも一定金額以内であれば税制優遇が適用されます。

特に(1)の掛金拠出時の税制優遇は、1月から12月の1年単位で控除されるため、今年度の控除を少しでも受けたいのであれば、今すぐ申し込みをしましょう。1カ月でも2カ月でも今年の税金から控除が受けられるのは会社員にとってうれしいことです。

口座開設までに2カ月程度かかる

iDeCoを始めるためには、利用金融機関にもともと口座を持っているか否かに関わらず、新たにiDeCo専用口座を開設する必要があります。iDeCoでは加入できる金融機関がひとつに限られているので、複数の候補を比較して、じっくり検討して選びたいところ。

また、第1号被保険者(主に自営業)と第2号被保険者(会社員、公務員〉で必要書類が異なっていたり、ふだんなじみのない情報を記入しなくてはいけなかったりするので、慎重に書類を準備しましょう。必要書類がそろったら利用金融機関に書類を郵送しますが、受付金融機関から更に国民年金基金連合会に送付され、加入者資格の審査にかけられます。この審査に1カ月~2カ月ほどかかるため、口座開設まで2カ月程度を見ておいたほうが良いでしょう。

年末調整で控除してもらうためには年末調整の用紙のどこに書くの?

iDeCoの大きなメリットに掛金が全額所得控除になることは既に述べましたが、会社員や公務員のうち、本人名義の口座から口座振替で拠出している人は、年末調整をすることで税金の還付を受け取ることができます。年末調整で控除を受けるための、書類の記入方法を確認していきましょう。

iDeCoの掛金は「小規模企業共済等控除」という所得控除の対象となります。したがって、書類の右下にある小規模企業共済等掛金控除の欄にiDeCoの掛金額を記載します。その際に、国民年金基金連合会から送られてくる小規模企業共済等掛金払込証明書も一緒に提出しましょう。なお、この証明書は10月頃に送られてきますが、iDeCoの初回の掛金の拠出開始が10月以降の場合には、翌1月に送付されますので、確定申告が必要になります。

また、同じiDeCo加入者でも、拠出を給料から天引きにしている場合、会社側で社会保険料と小規模共済等控除を合計して控除するため、年末調整での手続きは不要になります。

ただし、収入がない専業主婦の場合には所得控除は受けられないので、拠出時の控除はなく、運用時と受取時の2つの節税メリットとなります。

まとめ

株式会社回遊舎


"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」、「NISA120%活用術」、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」、「子育てで破産しないためのお金の本」など。

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インデックス

連載目次
第11回 非課税枠をムダにしない! 受け取り方法と使い道
第10回 iDeCo積極派と消極派の最強ポートフォリオ
第9回 iDeCoで失敗しない商品を選ぶには
第8回 iDeCoの金融機関選び、絶対抑えるべきポイントは?
第7回 早いほど得とはいうけれど? - 年代別iDeCo運用法
第6回 iDeCo、3つのデメリットと落とし穴
第5回 会社員・公務員・自営業 - iDeCoタイプ別節税メリット
第4回 iDeCoの申込時に注意すべきこと
第3回 その差○○円! やる人だけが受けられるiDeCoの税制優遇
第2回 年末調整に滑り込みセーフ!? - iDeCoで所得控除する手続きとは
第1回 そもそもiDeCoって何? - まずは確定拠出年金の仕組みを知ろう

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