Atomのおすすめパッケージ

前回はGithub製の次世代テキストエディタAtomを紹介したが、今回はAtomのパッケージ(プラグイン)のうち、特にプログラミング時に便利なものを中心に筆者がおすすめのものを紹介したい。

日本語の折り返しを行うパッケージ

前回も触れたがAtomはデフォルトでは日本語の折り返しがうまくいかないという問題がある。しかしjapanese-wrapを導入することで日本語の折り返しが正しく動作するようになる。

プログラミング用途であっても日本語を記述するケースはあるだろうし、ドキュメントを書く際には折り返しが効かないと不便だ。現状ではAtomを日常的に使うためには必須のプラグインと言っていいだろう。

プログラミング言語に対応するパッケージ

Atomは多数のプログラミング言語のシンタックスハイライトに対応しているが、中にはScalaなど標準でサポートされていない言語もある。しかしこういった言語の場合でもパッケージ(Scalaの場合はlanguage-scala)を導入することでシンタックスハイライトを行うことができる。

もし使っている言語がAtomでハイライトされない場合は「language-言語名」というパッケージがあるかをどうかをチェックしてみてほしい。

図1:Scalaのシンタックスハイライト

コーディングを補助してくれるパッケージ

IDEではプログラムが間違っていたり、コーディングスタイルに従っていないと警告を表示してくれる機能を備えているものがあるが、Atomでもこういった機能を提供するパッケージがいくつか存在する。

中でもatom-lintはRuby、Python、JavaScriptと様々な言語のLintツールに対応しており、エラー箇所をエディタ上で確認することができる(ただし、各言語のLintツール自体は別途インストールしておく必要がある)。

図2:atom-lintでの構文エラーの表示

また、atom-beautifyでコードのフォーマットが可能だ。インストールするとCTRL+ALT+Bで様々なプログラミング言語のソースコードを整形することができる。

Atom内でターミナルを使用するパッケージ

また、コードを書いているとアプリケーションをビルド・実行したり、テストを流したりするためにターミナルが使いたくなるケースも多いはずだ。term2をインストールするとAtomのタブでターミナルを使えるようになる。

図3:タブ内でターミナルを利用可能

CTRL+ALT+Tなどでターミナルを開くことができる。日本語の表示に難があるものの、ウィンドウを切り替えなくてもちょっとしたコマンドやビルドを実行できるので便利だ。

また、git-plusではターミナルを使わずCOMMAND+SHIFT+H(Windowsの場合はCTRL+SHIFT+H)で表示されるパレットからGitの操作を行うことができる。Gitを多用する場合はインストールしておくと便利だろう。

図4:パレットからGitの操作を行う

キーバインドや外観もカスタマイズ可能

Atomは比較的素直なキーバインドになっており初心者でも扱いやすいエディタだが、中にはviやEmacsのキーバインドが指に染み付いているという方もいるかもしれない。そういった方はvim-modeemacs-modeを試してみてほしい。いずれのパッケージも完璧とはいえないものの、viやEmacsのキーバインドをある程度再現しているため、Atomに移行する手助けになるかもしれない。

Atomはデフォルトでは黒を貴重としたUIだが、設定画面で組み込みで用意されたテーマの中から切り替えることができるほか、パッケージ同様新たなテーマをインストールすることもできる。また、外観のカスタマイズという面ではfile-iconsパッケージをインストールするとツリービューやエディタタブのアイコンをファイルの種類に応じたものに変更することができる。見た目でファイルの種類を判別しやすいので便利だ。

図5:file-iconsで表示されるアイコン

まとめ

Atomのパッケージには様々なものがあり、さらに多くのユーザの手によって日々新しいパッケージが開発されている。これらを探してカスタマイズするのもAtomを使う上での楽しみのひとつと言えるだろう。是非自分の用途にあったパッケージを探してみて欲しい。

また、AtomはChromiumベースであるためパッケージはHTML、CoffeeScript、SASSといった既存のWeb技術を使用して比較的手軽にパッケージを作成することができる。次回はAtomのパッケージの作成方法について解説したい。