Markdownとは?

Markdownとは、ドキュメントを執筆するためのテキストフォーマットのひとつで、シンプルなマークアップで記述されたテキスト文書からHTMLを生成するためのものだ。HTMLやXMLなどと比べるとWikiなどの記法に近く、そのままでも文章として読みやすい記述が可能だ。

最近ではGithubやBitBucketなどのホスティングサイトでも標準的なマークアップ言語として採用されており、READMEやWikiなどの記述でMarkdownを利用する機会は多い。今回、紹介するMarkdownPadは、Windows上で利用可能な高機能なMarkdownエディタだ。

MarkdownPad

MarkdownPadはWindows上で動作する高機能なMarkdownエディタで、非商用の用途であれば無償で利用可能だ。また、有償のPro版($14.95 USD)も用意されており、無償版の機能に加えて以下のような機能が利用可能だ。

  • PDFへのエクスポート
  • 画像アップローダ
  • 自動保存
  • Markdown Tables(HTMLテーブルなど)のサポート
  • 開けるドキュメント数が無制限に
  • 無制限のカスタムCSSファイル
  • 新機能への早期アクセス
  • 商用利用可能

MarkdownPadはダウンロードしたインストーラを実行するだけでインストール可能だが、.NET Framework 4以降が必要になる。

MarkdownPadの基本機能

MarkdownPadはタブ型のエディタで、複数のMarkdownファイルを同時に開くことができる(ただし、無償版では開けるタブは4つまでに制限されている)。

画面は左右に分割され(Pro版では上下に分割することもできる)、左側にMarkdown、右側に変換後のHTMLが表示される。Markdownを編集するとリアルタイムにHTMLに反映されるので、実際の表示を確認しながら編集できるほか、MarkdownをスクロールするとHTMLも該当の箇所までスクロールされる。長いドキュメントを編集する際などは、非常に便利だ。

図1 : MarkdownPad

図2 : 編集位置にあわせてプレビューもスクロールする

エディタ上ではMarkdownの記法が強調表示され、画面上部のツールバーからMarkdownのマークアップを簡単に挿入できるほか、以下のキーボードショートカットでもマークアップが可能だ。

  • 太字(CTRL+B)
  • 斜体(CTRL+I)
  • 引用(CTRL+Q)
  • ソースコード(CTRL+K)
  • 見出し1~4(CTRL+1~4)
  • ハイパーリンク(CTRL+L)
  • 画像(CTRL+G)
  • 順序なしリスト(CTRL+U)
  • 順序リスト(CTRL+SHIFT+O)
  • 罫線(CTRL+R)
  • 日付と時刻(CTRL+T)

高度な設定

「ツール」メニューの「オプション」から様々な設定を行うことができる。ただし、Markdownの設定や高度な設定などはPro版でのみ設定可能となっており、無償版では設定を変更できない項目が多い。特にMarkdownエンジンとして、表を簡単に記述するための記法を利用可能なMarkdown Extraを選択できないのは残念なところだ。

図3 : オプションダイアログ

HTMLプレビューで使用するスタイルシートはデフォルトでいくかのものが用意されており、その中から選択できる。スタイルシートは自由に編集できるので、HTMLのスタイルを自由にカスタマイズすることが可能だ。Pro版では最初から登録されているスタイルシートだけでなく、新たなCSSファイルを追加することもできるようになっている。

図4 : スタイルシートの選択

図5 : スタイルシートの編集

まとめ

MarkdownPadは高機能なMarkdownエディタだが、長文のドキュメントを編集する場合を考えると、見出しのアウトラインを表示する機能なども欲しいところだ。また、無償版は機能がかなり限定されているのも残念なところだ。商用利用する場合はもちろんだが、非商用利用でも利用頻度が高いようであれば有償のPro版の購入を検討してもよいだろう。

今回紹介したMarkdownPad以外にもMarkdownを編集するためのツールはオンラインサービスを含め様々なものがあるので、自分の用途にあったものを探してみて欲しい。