KompoZerとは?

KompoZerはオープンソースのHTMLエディタで、もともとはMozilla Application SuiteのComposerと呼ばれるHTMLエディタにルーツを持ち、Composerの後継として開発されていたNvuをアップデートしたものだ。現在はNvuが開発を停止しており、KompoZerがMozilla Composerの直系のツールという位置づけになっている。

図1 KompoZerのWebサイト

KompoZerのインストール

KompoZerはこちらのURLからダウンロードできる。

本稿執筆時点での最新の安定版は0.7.10だが、2007年にリリースされてから2年以上が経過しているため、ここでは開発版である0.8b1を試してみる。Windows、Linux、Mac向けのファイルが提供されているので環境に応じてダウンロードしよう。日本語版も用意されている。

Windowsの場合はダウンロードしたZIPファイルを適当な場所に展開し、kompozer.exeをダブルクリックすればKompoZerが起動するはずだ。

図2 起動直後のKompoZer

HTMLをWYSIWIG編集

KompoZerはWYSIWYGタイプのHTMLエディタであるため、ワープロ感覚でHTMLを編集することができる。書式の指定や画像、テーブル、リンクなどの挿入はメニューやツールバーから行うことができる。エディタ下部のタブを切り替えることでHTMLを直接編集することももちろん可能だ。

また、エディタ右下のプルダウンからWYSIWYG編集時の表示モードを切り替えることができる。「HTMLタグ」を選択すると以下のようにどのタグがどの位置に記述されているかを視覚的に確認することができる。

図3 HTMLタグモードでの表示

CSSの編集を行うには「ツール」メニューから「CSSエディタ」を選択する。以下のようなウィンドウが表示され、内部スタイルシートおよび外部スタイルシートをGUIで編集することができる。

図4 CSSエディタ

そのほかにも不要なHTMLタグをクリーンアップする機能や、HTMLの文法をチェックする機能などがある。HTMLオーサリングツールの中には無駄の多いHTMLを出力するものも存在するが、KompoZerが出力するHTMLは比較的シンプルで、あとから直接編集する際もわかりやすいソースになっている。

サイトマネージャで一元管理

KompoZerでは複数のHTMLファイルを開くことができ、エディタ上部のタブを切り替えながら編集を行うことができる。またウィンドウ左側のサイドバーにはサイトマネージャが用意されており、サイト内のHTMLファイルや関連するファイルを一元管理することができる。FTPの接続設定を行っておくことでHTMLファイルをKompoZer上からFTP経由でサーバにアップロードすることも可能だ。

図5 サイトマネージャの設定

図6 ページの公開

ただし、高機能なWebオーサリングツールと比較するとJavaScriptなどの編集に対応していなかったり、サイトのデザインを一元管理するためのテンプレート的な機能が存在しないなど、Webサイトを統合的に管理するためのツールとしてはやや機能が不足している感がある。HTMLを編集するためのエディタと割り切って利用したほうがよいかもしれない。

まとめ

本稿で紹介したKompoZer 0.8b1はベータ版ということもあり、HTMLのソース編集時にソースの強調表示が行われなかったり、FTPによるサイトの一括アップロードがうまく動作しないなど不具合と思われる点や不安定な機能がいくつか見受けられた。これらの問題については今後改善されていくことだろう。ただし、現時点では安定版である0.7.10を利用したほうがよいかもしれない。

プロフェッショナル向けのHTMLオーサリングツールとしてはDreamweaverなど商用の製品が主流だが、そこまでの機能が不要というユーザも多いはずだ。無償で利用できるシンプルなHTMLエディタとしてKompoZerを試してみるのもいいだろう。