OSSのソースコードを検索しよう

ソフトウェア開発においてオープンソースプロダクトを活用されるようになって久しい。OS、ミドルウェア、コンパイラ、ライブラリ、フレームワーク、さらには統合開発環境までソフトウェア開発に必要なあらゆるものがオープンソースで揃えられるといっても過言ではない。

オープンソースの強みの1つはトラブルに遭遇した際にソースコードを参照することができるという点だ。とはいうものの、手元にソースがないときに1ファイルのソースを見たいだけなのにソースアーカイブをダウンロードしたりソースコードリポジトリからチェックアウトするのは面倒なものだ。また、ライブラリやフレームワークなどの場合、そのプロダクトのソースコードよりも利用例を参照したいという場合も多い。

このような場合に役立つのがOSSを対象としたソースコード検索エンジンだ。今回はOSSのソースコード検索エンジンであるKodersとKrugle、そしてWebブラウザやIDE上からこれらの検索エンジンを簡単に呼び出すためのプラグインを紹介する。

Koders

Kodersは米Black Duck Softwareが運営するオープンソースソフトウェアを対象としたソースコード検索エンジンだ。

図1 Koders

Firefox(OpenSearch形式)、Eclipse、Visual Studio向けのプラグインが提供されている。プラグインはこちらのサイトから入手することができる。

Firefox向けのプラグインはFirefox専用というわけではなくInternet Explorer 7などOpenSearch形式をサポートしたブラウザであれば利用可能だ。ブラウザの検索窓からキーワードを入力するとKodersのWebサイトにジャンプし、検索結果が表示される。

Eclipse/Visual StudioプラグインではKodersビューにて検索が可能なほか、エディタ上で範囲選択し右クリックメニューから検索を行うこともできる。検索結果はIDE内に統合されたWebブラウザで表示される。

図2 KodersのFirefoxプラグイン

図3 KodersのEclipseプラグイン

また、スマートサーチという機能もサポートされている。これはエディタの編集中にカーソル位置のKodersでの検索結果をリアルタイムにポップアップ表示してくれるというものだ。ただし、スマートサーチを利用するためにはKodersのアカウントを登録する必要がある。

Krugle

KrugleもKodersと同種のソースコード検索エンジンだが、Ajaxを活用した使い勝手のよいユーザインタフェースが特徴的だ。

図4 Krugle

提供されているプラグインもFirefox 1.5、Firefox 2/IE7(OpenSearch形式)、IE6(IEツールバー)、Eclipseと、とりわけブラウザのプラグインが充実している。プラグインはこちらのサイトから入手することができる。

KrugleのEclipseプラグインはKrugleでの検索を行うためのビューが提供されているほか、Eclipseの検索ダイアログにKrugle検索が組み込まれる。また、検索結果をブラウザではなくEclipseのエディタで表示することができるため、Eclipseの機能で検索などを行うことができる点はKodersプラグインと比べて便利な点かもしれない。

図5 KrugleのEclipseプラグイン

図6 検索ダイアログ

まとめ

OSSを利用する以上、ソースコードを読むことは避けて通れない道だ。今回紹介したKodersやKrugleといったOSSのソースコード検索エンジンはOSSのソースコードちょっと調べたいという場面では非常に便利なツールだ。EclipseやVisual StudioといったIDEやWebブラウザにプラグインを導入することでコーディング中にOSSのソースコードを即座に検索することができるようになる。ぜひ活用してほしい。