Ganymedeの小さな新機能たち

Eclipse 3.4 Ganymedeの新機能紹介も3回目になる。前回はGanymedeの目玉の1つであるJavaScript開発環境を紹介したが、今回はGanymedeで標準搭載されるようになった機能から「UDC(Usage Data Collector)」「RSE(Remote System Explorer)」「SQL Query Builder」を紹介する。

ユーザ情報を収集するUDC

GanymedeでEclipse Classic以外のパッケージを使用している場合、起動時に以下のようなダイアログが表示されることがある。

図1 UDC(Usage Data Collector)

これはGanymedeのUDC(Usage Data Collector)と呼ばれる機能の設定を行うためのダイアログで、ユーザがEclipseをどのように使用しているかの情報を収集することで開発者へフィードバックを行うためのものだ。UDCはロードされたバンドルやビュー、エディタ、メニューやキーボードショートカットなどの使用履歴を収集して送信する。これらの情報は今後のEclipseの開発に役立てられるはずだ。

なお、UDCで情報を送信したくないという場合はダイアログの一番下の「Turn UDC feature Off」を選択しておくといいだろう。UDCの設定はEclipseの設定ダイアログでも行うことができる。

図2 UDCの設定

リモートサーバにアクセスするためのRSE

JavaEEパッケージのみに標準搭載されているプラグインとしてRSE(Remote System Explorer)がある(本連載でも第24回で紹介した)。

RSEを使用するとFTP、Telnet、SSHなどでリモートサーバに接続し、サーバ上のファイルを直接参照したり、編集することができる。RSEは以下のように様々なビューを提供している。

図3 RSEが提供するビュー

この中でも特に利用頻度の高いビューがRemote Systemsビューだ。ローカルファイルやリモートファイルの内容をツリー表示し、リモートファイルをEclipseのエディタで開くこともできる。

図4 Remote Systemsビュー

また、Remote SystemsビューからはRemote Shellビューを呼び出し、Eclipse上からターミナル(TelnetやSSH)を使用してリモートサーバを操作することもできる。

図5 Remote Shellビュー

ふだんはEclipseとローカル環境で開発をしている場合も、テスト用の環境は別途リモートサーバを使うというケースもあるはずだ。そのような場合にはRSEが役に立つのではないだろうか。

SQLをビジュアルに作成するSQL Query Builder

DTPの新機能としてSQLをビジュアルに作成するためのSQL Query Builderが追加された。これはテーブルやカラムをドラッグ&ドロップで選択し、検索条件などをGUIで入力することでグラフィカルにSQLを作成するためのものだ。Microsoft Accessのクエリビルダに近いと言うとわかりやすいだろうか。

SQL Query BuilderはDTPが提供するSQLエディタで右クリック(コンテキストメニュー)から「Edit in SQL Query Builder」で起動することができる。

図6 SQL Query Builderの起動

SQL Query Builderでは以下のように参照するテーブルやカラム、結合するカラム、選択条件、グループ化といった指定をダイアログ上で行うことができ、生成されるSQLは上部のペインに表示される。また、ダイアログ下側の「SQL Results」というタブに切り替えるとSQLの実行結果を参照することもできるようになっており、結果を確認しながらSQLを作成することができる。

図7 SQL Query Builder

ただし、SQL Query Builderで作成できるSQLは比較的簡単なものに限られるうえ、一度生成したSQLを再度グラフィカルに編集することはできない。あくまで簡易的なSQL生成ツールと割り切って使用する必要があるだろう。

まとめ

今回紹介した機能は、ダウンロードしたGanymedeのパッケージによっては標準では含まれていないので注意してほしい。もちろん標準で含まれていない場合でも更新マネージャを使用することで追加インストールすることが可能だ。

RSEやSQL Query Builderはやや使いづらい面もあるものの、用途を限れば充分使えるツールだ。ぜひ活用してほしい。