Eclipseは有志の手による豊富なプラグインが魅力のひとつだ。しかし最近ではWTPなどEclipse標準のプラグインも充実してきており、最新の3.3(Europa)ではWTPなどが最初から導入済みのパッケージが提供されるなど、以前に比べ、自分でプラグインをインストールする必要性が薄れてきたのも事実だ。しかし、インストールすることでよりEclipseを便利に利用できるプラグインも多く存在する。

今回は、数多いEclipseプラグインの中から一般にはあまり知られていないものの、とくに便利な小物的なプラグインを紹介する。

RSE(Remote System Explorer)

RSEはEclipse FoundationのDSDPプロジェクトの一部として開発されているものだが、単独のプラグインとしても便利だ。FTPやTelnet、SSHなどを利用してサーバに接続し、リモートのファイルをブラウズ/編集可能なほか、ローカルファイルシステムも同様にブラウズ可能、ZIPファイルの中身も展開して表示可能など、高機能なファイルマネージャとして利用することが可能だ。また、Eclipse上でターミナル(コマンドプロンプトやTelnet、SSH)を利用することもできる。

図1 Remote System Explorer

RSEはEuropaの更新サイトから「Remote Access and Device Development」→「Remote System Explorer End-User Runtime」を選択することでインストールすることができる。

Eclipse Full Screen Plugin

Eclipse Full Screen PluginはEclipseを全画面表示するためのプラグインだ。インストールするとWindowメニューに「Full Screen」という項目が追加され、選択すると全画面表示になる。また、[ESC]キーで全画面表示を解除することができる。Windowsでしか動作しないものの、編集領域を多少なりとも広く確保できるため、ノートPCなど表示領域が限られた環境では重宝するはずだ。

図2 Eclipse Full Screen Plugin

Searchclipse

SearchclipseはEclipseのステータスバーに検索窓を追加するプラグインだ。デフォルトではGoogle検索やExcite翻訳などを利用することができるが、任意の検索エンジンを登録することも可能だ。検索結果はEclipseの内蔵ブラウザで表示される。プログラミング中、ちょっとしたことを調べたい場合に便利なプラグインだ。

図3 Searchclipse

ファイルブックマークプラグイン

ファイルブックマークプラグインはその名のとおり、ワークスペース内のファイルをブックマークするためのプラグインだ。Eclipseには標準でブックマーク機能が備わっているが、ファイルブックマークプラグインはWebブラウザのブックマーク機能に似たカテゴライズ機能を備えており、TODO管理や作業セットの簡易版として利用することもできる。また、URLをブックマークしておくこともできるので、EclipseをWebブラウザがわりに利用することも可能だ。

図4 ファイルブックマークプラグイン

Font Size Changer

Eclipseのデモを行う際などに、エディタのフォントサイズが小さく観客に見えづらいという経験をお持ちの方はいるだろうか。もちろんEclipseの設定で大き目のフォントサイズに設定しておけばよいのだが、いちいち設定画面を開いて切り替えるのも面倒だ。Font Size Changerを利用するとツールバーからフォントサイズを切り替えることが可能となる。Eclipse上でデモを行う機会のある方はぜひとも試してほしいプラグインだ。

図5 Font Size Changer

まとめ

Europaの登場により、利用者が独自にプラグインをインストールしなければならないケースはたしかに減りつつあるが、プラグインによって自分の使いやすいようカスタマイズできるという点はEclipseを利用する上での醍醐味のひとつでもある。本稿で紹介したもの以外にも多くの便利なプラグインが存在するので、ぜひ、さまざまなプラグインを試してみてほしい。