【コラム】

イマドキのIDE事情

19 Silverlightにも対応したSpket IDE

    竹添直樹  [2007/11/22]

    Spket IDE

    EclipseはJava IDEとして確固たる地位を築いているが、もともとはJavaに限らず、さまざまな開発ツールを統合するための基盤となることを目指して開発されたものだ。その思惑通り、近年、商用/無償を問わずEclipseをベースとしたいろいろなIDEが登場してきている。Spket IDEもEclipseをベースとしたIDEの1つで、AjaxやXUL、SilverlightなどRIA技術のサポートに力を入れている。

    Spket IDEは以下のような言語・技術に対応している。

    • JavaScript
    • XUL/XBL
    • SVG
    • Laszlo
    • Silverlight
    • Yahoo! Widget

    Spket IDEはSpket IDEのWebサイトのダウンロードページからダウンロードすることができる。スタンドアロンのIDEとして動作するインストーラのほか、すでにインストール済みのEclipseにプラグインとして導入するためのアーカイブや更新サイトも用意されている。

    なお、Spket IDEは非商用利用の場合は無償で利用可能だが、商用利用の場合はライセンスを購入する必要がある点に注意して欲しい。

    強力なJavaScript編集支援機能

    Spket IDEの大きな特徴の1つが強力なJavaScript編集支援機能だろう。アウトライン表示、コード補完、構文チェック、変数や関数の定義部分へのジャンプルといった基本的なもちろんだが、JavaScriptのプロファイルとしてFirefox 1.5/2.0、OpenLaszlo、Silverlightなどが用意されており、プロジェクトごとに切り替えることができる。

    JavaScriptのプロファイルを選択

    たとえばSilverlightプロファイルを指定した場合、図2のようにSilverlight固有のコード補完を行うことが可能だ。

    図2 JavaScriptエディタでのコード補完

    さまざまな技術に対応したXMLエディタ

    JavaScript編集支援機能と同様にXMLの編集支援機能も強力だ。XUL/XBL、Laszlo、XAML、Yahoo! Widgetなど、Spket IDEが対応する様々なプラットフォームに対応した編集支援機能を利用することができる。XMLの要素や属性はもちろんのこと、XML内に記述するスクリプトのコード補完も可能だ。また、SnippetsビューからはUIコンポーネントなどのコードの断片(コードスニペット)をXMLエディタにドラッグ&ドロップすることも可能となっているほか、Documentationビューにはキャレット位置のコンポーネントのドキュメントが表示されるようになっている。

    図3 LaszloのLZXファイルを編集しているところ

    なお、XULやXAML、LaszloのLZXファイルでXML要素や属性のコード補完機能を利用する場合、別途設定を行ったり、XMLスキーマをSpket IDEの規定のフォルダに配置する必要がある。詳しくはSpket IDEのFAQXAMLエディタのページを参照してほしい。

    XAMLのプレビュー機能

    XULやLaszloに関しては前述の通りXMLの編集支援機能のみが提供されているが、Silverlightで使用するXAMLに関してはプレビュー表示機能も提供されている。XAMLファイルを開くと以下のように編集領域とプレビュー領域が上下二段に分かれたエディタが表示され、編集領域で編集した内容を即座にプレビューできるようになっている。

    図4 XAMLのプレビュー

    LaszloのLZXやXULなど、XAML以外のUI記述言語でプレビュー機能が提供されていないのは残念なところだ。

    Firefox拡張の開発をサポート

    Spket IDEにはJavaScriptや各種XMLを編集するためのエディタに加えてFirefox拡張を開発するためのプロジェクトを作成するウィザードが用意されている。プロジェクト作成ウィザードで「Firefox Extension Project」を選択することで以下のようなプロジェクトを生成することができる。

    図5 Firefox拡張を開発するためのプロジェクト

    プロジェクト直下にAntのビルドファイルが生成されており、このビルドファイルをAntで実行することでFirefoxにインストール可能なXPIファイルを作成することができる。ただし、スタンドアロン版のSpket IDEにはAntを実行するための機能が含まれていないため、別途Antをインストールしてコマンドラインから実行するか、EclipseにプラグインとしてSpket IDEを導入し、Eclipseに標準で搭載されているAnt実行機能を利用するといいだろう。

    まとめ

    Spket IDEは多くのRIA技術をサポートしているが、あくまでXMLやJavaScriptの編集のみに特化しており、実行やデバッグ、パッケージングなどの機能は提供されていない。IDEというよりも目的特化型のエディタに近いプロダクトといえる。スタンドアロンのIDEとして使うよりEclipseプラグインとして導入し、エディタとして利用するのもいいだろう。

    また、RIA技術をサポートしたEclipseベースのIDEという点では、本連載でも以前紹介したAptana(AjaxやAdobe AIRをサポート)が挙げられる。Spket IDEはXULやLaszlo、 SilverlightなどAptanaではサポートされていない技術もサポートされているため、必要に応じて使い分けるといいだろう。

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