健康を維持する秘伝のレシピを伝授します

どこにでもある"ヘルシー"なレシピではなく、からだの改善、不調などの症状に対応する"栄養科学的"な旬の食材にこだわった簡単に作れるレシピ集。土日祝日、休刊日を除いて毎日更新!

焼きなすの白和え風

今回は、動脈硬化症を予防し、血液をサラサラにする食材をたっぷりと使った白和え風の料理を紹介しよう。これらの症状がある場合に摂りたい栄養素は、ポリフェノール、n-3系多価不飽和脂肪酸、食物繊維などの抗酸化成分である。

なすの皮には、ナスニンというポリフェノールが豊富に含まれている。ナスニンは、動脈硬化症の予防に効果があるといわれている。今回は皮を剥いてしまうが、実の部分にもクロロゲン酸というポリフェノールが含まれており、なすを切って放置すると切り口が褐色に変色するのは、灰汁の成分であるクロロゲン酸が起こす酸化作用によるものだ。ポリフェノールは、活性酸素を除去して細胞の老化を防ぐ働きがあるため、血管の老化防止に役立つ栄養素でもある。

材料に使う豆腐に含まれる大豆サポニンには、血中のコレステロールや中性脂肪など血中脂質量を減らし、血液をサラサラにする効果が期待できる。また、くるみに含まれるα-リノレン酸は、n-3系多価不飽和脂肪酸の一種。善玉コレステロールを増やし、こちらも血液サラサラには欠かせない成分の一つだ。緑茶にはカテキンというポリフェノールが含まれ、血液の凝固を抑制する働きがある。このように「焼きなすの白和え風」は、血液サラサラに役立つ成分を一度にいただける一皿といえる。

水切りした豆腐に、すり潰したくるみと新茶を混ぜた衣。この目に鮮やかな緑色の衣を、冷えたなすに和えるだけ。まったりとした豆腐の衣が舌に絡みつき、ほのかに香る新茶の風味とくるみのコクが食欲をそそる。冷酒のおつまみにもぴったりな料理だ。

【症状】 動脈硬化症
【栄養素】なす :クロロゲン酸、 豆腐 :大豆サポニン、 くるみ :α-リノレン酸、 新茶 :カテキン
【栄養価(1人分)】エネルギー :147kcal、 多価不飽和脂肪酸 :6.64g、 塩分 :1.5g
【ジャンル】 副菜

材料(2人分)

食材
1 木綿豆腐(水切り) 1/2丁分
2 新茶(粉茶) 小さじ1
3 くるみ(粗みじん切り) 20g
4 焼きなす(皮を剥くいたもの) 2本分
5 うすくち醤油 大さじ1と1/2

作り方

(1) 皮を剥いた焼きなすは、水気をタオルなどでしっかり拭き取り、一口大の食べやすい大きさに切る。これをうすくち醤油大さじ1で下味を付けて、冷蔵庫で冷やしておく

(2) すり鉢にくるみを入れてあたる。くるみからねっとりと水分が出てきたら、水切りした豆腐、粉茶、うすくち醤油大さじ1/2を入れて全体を合わせる。そこへ(1)をさっくり混ぜ合わせる

(注) このレシピは、病気の治療を目的とするものではありません。個々の症状については、早めに医師に相談しましょう。当方では一切の責任を負いかねます。