健康を維持する秘伝のレシピを伝授します

どこにでもある"ヘルシー"なレシピではなく、からだの改善、不調などの症状に対応する"栄養科学的"な旬の食材にこだわった簡単に作れるレシピ集。土日祝日、休刊日を除いて毎日更新!

DHAを含むあじ

あじに含まれるDHAは、脳細胞の重要な構成要素であるn - 3系多価不飽和脂肪酸の一種。DHAには脳を活性化させ、脳の機能を高める働きがある。青魚に多く含まれている栄養素だ。

あじに含まれるDHAには、脳を活性化させ、脳の機能を高める働きがある

注目のn - 3系多価不飽和脂肪酸

第29回 さやいんげんのくるみ味噌和えにてご紹介したとおり、油は脂肪酸という成分から構成される。脂肪酸は大きく分けて、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分類されている。飽和脂肪酸は「酪酸」「パルミン酸」「ステアリン酸」などに分類され、肉の脂や乳製品に多く含まれる。飽和脂肪酸は人体内で合成でき、血中コレステロールや中性脂肪を増やす働きがある。

不飽和脂肪酸も、さらに一価不飽和脂肪酸(n - 9系列)と多価不飽和脂肪酸に分類される。一価不飽和脂肪酸の代表的な脂肪酸である「オレイン酸」は、オリーブオイルやマカデミアナッツに多く含まれている。他の脂肪酸に比べて酸化しにくい特徴があり、こちらも人体内で合成できる。一方、多価不飽和脂肪酸は人体内では合成できない必須脂肪酸で、「リノール酸」「アラキドン酸」(以上2点はn - 6系列)と、「α - リノレン酸」「エイコサペンタエン酸(EPA)」「ドコサヘキサエン酸(DHA)」(以上3点はn - 3系列)に分類される。

リノール酸は植物油のほか、米、小麦粉、そば粉など主食となる食材にも比較的多く含まれる。アラキドン酸は肉や肉加工品に多く含まれる。α - リノレン酸はしそ油、えごま油、くるみなどに多く含まれ、皮膚炎、ぜんそく、花粉症などアレルギー症状を予防する成分として効果が期待されているが、酸化しやすいので注意が必要だ。エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)は魚に多く含まれ、血液サラサラ効果や脳の発育、血中コレステロールの低下作用等さまざまな健康効果が期待されている。

多価不飽和脂肪酸のn - 6系列とn - 3系列は、体内で互いの作用を抑制し合う関係にあり、その摂取バランスが重要視されている。n - 6系列の脂肪酸摂取が多くなるほど、がんやアレルギー症状を発症しやすくなるといわれているためだ。主食、揚げ物、肉、肉の加工食品などを多く摂取しがちな人はそれらの量を控えると同時に、魚も食卓に取り入れてn - 3系列の脂肪酸を摂ることをおすすめしたい。

あじのピカタ

ふんわりとした卵の衣で、あじのうま味を包んだ一品。あじには学習能力に影響を与えるといわれているDHAが、卵には脳の記憶形成を助ける働きのあるコリンが含まれ、ダブルで脳の健康をサポートする。

【病態】脳力アップ
【栄養素】あじ:EPA、DHA、:コリン
【栄養価(1人分)】エネルギー:193kcal、n - 3系多価不飽和脂肪酸:0.24g、塩分:0.4g
【ジャンル】主菜

材料(2人分)

食材
1 あじ(中サイズ) 2尾(200g)
2 少々
3 こしょう 少々
4 小麦粉 適量(10g)
5 溶き卵 1個分(55g)
6 プチトマト 4個(40g)
7 レタス 2枚(40g)
8 きゅうり(千切り) 40g

作り方

(1) あじは頭を落とし、わたとぜいご(あじの尾の近くにある、硬いとげ状の鱗)を取り、3枚におろして塩・こしょうをふる

(2) (1)に小麦粉をまぶし、余分な粉をはたき落としてから溶き卵を全体にまんべんなくつける。これを油を入れて熱したフライパンに載せ、焦がさないようにじっくりと焼く

(3) 器に(2)を盛り、プチトマト、レタス、きゅうりを添える

※ お好みで、マヨネーズとしょうゆを小さじ1ずつ合わせたたれをつけて食べても美味しい

(注) このレシピは、病気の治療を目的とするものではありません。個々の症状については、早めに医師に相談しましょう。当方では一切の責任を負いかねます。