マイコミジャーナルで記事を書くようになって早数年。業務上、展示会やイベントで会場の華であるコンパニオンやコスプレイヤーの皆さんを写真に収める機会も多い……が、周囲の人間に言わせれば、女性を撮った自分の写真はどうも面白みに欠けるらしい。「お前が撮った女の子の写真には、何かが足らん」との叱咤を受け、艶のある撮影テクニックを身につけるべく、編集・千葉氏を連れ立って、今回はアイドルの撮影会にお邪魔してみた。

お邪魔したのは、スタジオマーカスが主催する撮影会。出演者はフィットワン所属の吉川麻衣子さんと島野亜希子さんで、おふたりとも現役バリバリのグラビアアイドルとして活躍中。

今回1部と2部の撮影会が行われた東京・中野区の哲学堂公園。この日は祝日だったが人通りはさほど多くなく、静かな雰囲気

撮影会の様子から。島野さんと吉川さんが普段から友達同士ということで、ファン同士も顔見知りが多く、現場は和やかなムード

手前は島野さんを撮影する列。奥のほうに吉川さんを撮影する列も見える。列の順序さえ守れば、基本的にはどちらを撮影してもOKとのこと

この日は真夏ほどの暑さではなかったが、野外での撮影ということで、スタッフも虫よけスプレーが欠かせない

撮影会全体は4部構成となっていた。今回のように1部と2部が公園など野外での撮影、昼食休憩と移動を挟み、3部と4部がスタジオでの撮影、という流れがどこの撮影会でも一般的なようだ。各ブロックは1時間半ずつ区切られており、その1時間半は、例えばふたりのモデルが出演する撮影会の場合、

Aさん<30分撮影→15分休憩→45分撮影>
Bさん<45分撮影→15分休憩→30分撮影>

というローテーションになっている。AさんとBさんが入れ違いで休憩を取るようになっているので、撮影する側にとってはどの時間帯も必ずモデルがいることになるし、逆に撮影される側も途中休憩でメイクを直したりできる、という仕組み。

またスタジオマーカス主催の撮影会では、各ブロックの定員を15人程度に絞っている。参加者が多すぎては現場の収集がつかないし、何よりひとりあたりの撮影できる時間が少なくなってしまうので、だいたいこれぐらいの規模がいいそうだ。よその撮影会によっては、利益を追求して参加者を詰め込めるだけ詰め込むところもあるそうだが、そうした場合「ひとりあたりの撮影時間が少ない→順番がなかなか回ってこない→トラブルになりやすい」という悪循環が発生しやすくなるため、良好な雰囲気で撮影会を行うのが難しくなるのだという。

撮影会の料金は1部あたり会員で7,000円、一般で8,000円。全4部の通しだと会員で23,000円、一般で28,000円となっている。決して安くはない金額だが、そのため自然と濃いファンが残るそうだ。現場の参加者によれば「普段ちゃんと働いてて、趣味に使うお金を確保してるファンがほとんどだと思います。だから学生さんとかは滅多にいないですよ」とのこと。現場は和やかな雰囲気だが、どんどん場所を変えて撮影していくので、かなりテキパキと進む印象。大前提として「ひとりずつ順番に撮影する」というルールがあるので、結局のところ各人が自分の持ち時間を守ってスムーズに撮影していくのがベスト、ということになるようだ。

なんとなく場の雰囲気がつかめたところでこちらも参加者にまじり、編集・千葉氏との対決形式でモデルのおふたりを撮影させてもらうことに。しかし、ここでふたりのカメラがほとんど同機種という微妙な問題が発生。現場で協議を行った結果、

ライター野口「これ……単に構図の勝負になりません?」

編集・千葉氏「まあ、フェアでいいんじゃないですか?」

という編集の気楽な判断で対決がスタートした。

編集・千葉氏の愛機、パナソニックのコンパクトデジカメ「LUMIX DMC-FZ7」

対するライター野口の愛機、同「LUMIX DMC-FZ5」。はっきり言って違いは液晶モニタのサイズぐらい?

ライター野口、島野さんを撮影中。リュックがいかにもオタクっぽい

編集・千葉氏、吉川さんを撮影中。金髪がいかにも業界人っぽい

ちなみに我々のようなコンパクトデジカメで撮影する人もいるので、「いいカメラがないので撮影会に行きづらい……」と心配している人もその点は気にしなくていいようだ(さすがに携帯は避けたほうがいいようだが)。撮影会によってはカメラを貸し出してくれるところもあるそうなので、その都度チェックしてみてほしい。さて、勝負の結果だが……

編集・千葉氏の撮影による吉川さんその1。構図はごく普通だが、アイドルらしい立ち姿のラインがたいへん美しい

ライター野口の撮影による吉川さんその1。「ロケーションを利用しよう!」と思い立ち、手前に植物を入れてみるが、なんだかよくわからないことに

編集・千葉氏の撮影による吉川さんその2。ライター野口も撮ってみたが「うーん、いまいち」という周囲のダメ出しを受け、あえなく不戦敗

編集・千葉氏の撮影による島野さんその1。背景の緑が日本庭園風で、良家のお嬢様っぽい雰囲気

ライター野口の撮影による島野さんその1。「頭上の余白は敵だ!」という某マンガの教えを忠実に守ってみた例

編集・千葉氏の撮影による島野さんその2。普通に撮っただけだが、なにしろ被写体がいいので細かいことは気にならない

ライター野口の撮影による島野さんその2。島野さんのたいへん素敵な笑顔に寄ってみる。しかし、もはや哲学堂公園の意味はまったくない

ライター野口「……千葉さん普通の写真ばかりじゃないですか!」

編集・千葉氏「普通の写真でいいんだよ! 被写体がいいんだから!」

ということで双方が双方に難癖をつけ合い、あえなくノーコンテスト。そうこうしているうちにあっと言う間に時間が過ぎ、1部&2部の公園での撮影が終了。次回はついにスタジオ撮影にお邪魔する!

哲学堂公園の撮影が終わったところでツーショット。熱心なファンが多いだけあって、両手にプレゼントも

撮影の合間に猫を撮る編集・千葉氏。哲学堂公園の猫は撮影慣れしているのか、これだけ寄ってもまったく逃げず

<告知情報>
2008年10月16日~19日に上演される舞台『太陽がいっぱい』に吉川さんが、また11月2日に上演される舞台『劇団ショートケーキ』に吉川さんと島野さんが出演します。詳しくはGIRL'S RECORD VISUAL OFFICIAL WEBまで。