【コラム】

趣味的第一種接近遭遇

44 痛車ミィティング! 富士スピードウェイに300台集まりましたの巻(後編)

    野口智弘  [2008/05/20]

    去る5月5日、「富士スピードウェイ」の一角に全国各地から約300台の痛車が集まった「FSW痛車ミィティング2008」。日本最大規模ということは……すなわち世界最大規模の痛車イベントとも言える。そちらの模様を今回も紹介していきたい。

    昼すぎから雨は断続的に降り続いていたが、こんな場合でも屋外に出たり、車内に退避したりと、臨機応変に楽しめるのがカーミーティングのメリット。写真を撮影させていただきつつ、参加者にいろいろと聞いてみた。

    小雨になったり本格的に降ったり……を繰り返す生憎の空模様。5月でも富士山麓はかなり冷えます

    痛車歴は今回のイベントを企画した中心メンバーでも2~3年前後といったところで、むしろ「ここ1年以内で始めた」という人がかなり多い。痛車ムーブメントがここ最近で急速に広がってきたことがわかる。画像データからカッティングシートを作成できたり、遠方同士でもSNSを使って交流したりと、パソコンの普及も確実に痛車趣味に恩恵を与えているようだ。男女比は9割以上が男性。

    また車とアニメ、どちらの趣味が先かを聞いてみると「車が先」という人がやや多数派。アニメオタク的にあれこれ見比べるというよりは、気に入った作品だけを追いかけるという人が多かった。一番多い層は20代で、20代の支持が厚い美少女系の作品『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』『魔法少女リリカルなのは』が痛車でも三強。初音ミクやPCゲーム系がそれに続いている。

    はるばる大阪からの参加したこちらのステップワゴンは、さき千鈴氏の描き下ろしイラストを全面に配置

    ステップワゴンのロゴを「HAYATE」に変えているだけでなく、ナンバーも「8810(ハヤテ)」! ビバ、希望ナンバー制度

    こちらの車はサイドの巨大なハルヒがメインかと思いきや……

    ハッチを開けるとご覧のとおり。モニター、抱き枕、メッセージボードと三拍子(?)揃った豪華仕様

    作り込まれた『CLANNAD』仕様車。作品グッズのほかに、ホームセンターや100円ショップを活用し、数週間かけて作成したとか

    『CLANNAD』のメーカーの社長のサインに加えて上部にはスカート&縞パンも。「痛車=女子」と証明された瞬間と言えよう

    「リリカルなのは」シリーズのはやてを描いたアルファロメオ。つまりイタ車の痛車なわけで……

    ヘルメットを着用し、痛アルファロメオがついにレーシングコースへ! やる気です

    ただ、なぜか男性キャラやロボットを扱った痛車はまったくと言っていいほど見当たらない(例外的に『くそみそテクニック』の痛車はあった)。美少女でなければ痛くないからなのか、圧倒的に男性の多い趣味だからなのか、いろいろと聞いてみたが、今回は明確な答えは得られなかった。これは今後の研究課題としておきたい。

    さて、撮影を進めるうちに、レーシングコースでは一般車と痛車の混合による体験走行がスタートしたようだ。チームステッカーが貼られたレースカーと、美少女キャラが貼られた痛車が走るのを遠くから見ていると、だんだん区別がつかなくなってきて「これアリじゃねえ?」と違和感がなくなってくるから不思議である。

    動画
    ヘアピンコーナーを立ち上がってくる痛ロードスター
    同じくヘアピンコーナーを立ち上がってくる痛インプレッサ

    いまはまだ体験走行にすぎないが、このまま痛車ムーブメントが広がれば、F1グランプリ、ル・マン24時間レース、ダカールラリーといった舞台に痛車が殴り込みをかけるのも日が来るかもしれない。そのときこそ「すべては富士スピードウェイから始まった」と言えるだろう……。

    <後記>
    2008年、同人ショップのメロンブックスがメインスポンサーとなったラリーチームが全日本ラリー選手権に参戦しており、同社のキャラクター「めろんちゃん」をプリントしたレースカーは現在までに2戦で優勝を飾っている。

    雨が降り出す前に、一般的なカッティングシートの貼り方を見せていただいた。まずは配置を検討し、マスキングテープで固定

    台紙からシートを半分はがし、車体にまんべんなく霧を吹く。水貼りと呼ばれる方法

    ヘラを使い、シワができないよう慎重に貼り付けていく。水貼りの場合は若干の微調整が効く

    同じ要領で残り半分も少しずつこすり、貼り付けていく

    よく乾かして完成。ステッカー業者に頼む場合、このサイズなら3枚7,000円程度とか

    雨に負けじとラジコン大会も開催。痛ラジコンはまだ少数派だが、これから増える予感

    車のお祭りだけあって、レースクイーンももちろんいました……

    本部のテントに詰まれた袋と箱の山。じつはプレゼント交換会用の品々

    交換されたプレゼントをバケツリレーのように手渡す様は、まさに痛車オタクへの配給状態。ギブミーチョコレート!

    痛車関係筋では名高い「おぱんちゅ号」(右)の引退セレモニー。もっとも2代目登場とのことなので、ファンはご安心を

    『魔法少女リリカルなのは』のなのは尽くしの初代(手前)と2代目(奥)。言わば痛車のエースオブエース

    全国の痛車イベントを巡って手渡されてきた寄せ書き。6月に札幌、7月に岐阜とさらに移動を続ける予定

    次回は札幌ということで、寄せ書きは北海道から参加したこちらの痛車オーナーに預けられた

    最後に全員で記念撮影。寒いなかお疲れさまでした

    かくして痛車を愛する猛者たちは、再び全国各地に散っていくのであった……

    痛車コレクション2008春 Part2

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