【コラム】
先週のPC業界の最大の話題といえば、何と言ってもサンフランシスコのMacWorld Expoで発表された新型iMacの話題に尽きるだろう。あの半球状の本体デザインについてはいろいろ賛否両論があるだろうが、いずれにしても「Appleらしいデザイン」ということだけは間違いなく言えると思う。
ただその一方で、同じくMacWorld Expoで発表されると見られていた、PowerPC G5を搭載した新しいPowerMacの発表は残念ながら見送られたようだ。一説にはMotorolaの方でPowerPC G5の生産が間に合わなかった、という話も聞かれるが、果たしてこの新しいPowerPC G5とはどのようなものなのだろうが。
○いよいよPowerPCもGHzが当たり前に
といっても、PowerPC G5に関する情報は決して多くない。今のところMotorolaのホームページで公開されているロードマップによれば、PowerPC G5は0.13μmプロセスで製造され、製造にはSOI(Silicon on Insulator)技術が採用されること、クロックは最高2GHz以上を狙うこと、製品の型番は85xx番台となることぐらいしか公開されていない。
ただ海外ニュースサイトなどの情報を総合すると、どうやらPowerPC G5は当初1.2/1.4/1.6GHzの3品目でデビューし(ただし歩留まりによってはこれが1.0/1.2/1.4GHzとなる可能性もある)、FSBクロックは400MHz、そして512KBのL2キャッシュがオンダイで搭載される見込み。またパイプラインのステージ数は10に拡大され、搭載トランジスタ数は約5,800万個、消費電力は1.4GHzの場合で26Wになると言われている。既にIntelやAMDのプロセッサではGHzが当たり前になっていたのに対し、PowerPCはややクロック数競争で遅れを取っていたが、PowerPC G5の投入でPentium4はともかく、少なくともPentium3やAthlon XPなどには肩を並べることになるようだ。また、PowerPC G5のチップセットでは、ついにDDR SDRAMがサポートされる。ただ具体的にDDR200/266/333のうちどのDDR SDRAMに対応するのかはまだ明らかではない。
○PowerPC G5の新I/Oアーキテクチャとは?
さて、PowerPC G5ではもうひとつ新しい技術が加わる。それは、Motorolaと米Mercury Computer Systemsが共同開発・推進している新しいバス技術「RapidIO」だ。
現在PCの内部バスアーキテクチャとして広く使われているPCIバスが、既に速度的に限界を迎えていることはご存じの方も多いと思われるが、このRapidIOもそんなPCIバスの後継を狙って開発された技術のひとつ。ただし、現在RapidIO対応機器の開発はサーバーや通信関連機器向けをメインに行われている。実際、RapioIOの規格策定などを行う「RapidIOコンソーシアム」の参加メンバーを見ても、参加メンバーはAlcatelやCisco Systems、Lucent Technologies、Nortel Networksなど通信機器関連メーカーが大半を占めており、今のところRapidIOは「通信機器の内部バス向けの次世代インタフェース」という見方が一般的だ。
ただこのRapidIOは最高速度が10Gbps以上と非常に高速であり、PCのチップセット間の接続技術としてとらえると、ライバルであるIntelのHUB ArchitectureやAMDのHyperTransportなどに比べても圧倒的に速い。現在のところRapioIOに対応した製品はまだ数が少なく、また「RapidIOは通信機器用の高速バスに限定した規格であり、チップセットなどの接続にはまた別の技術が使われる」という関係者もいることから、果たしてRapidIOが新しいPowerMacに採用されるのか、またこの技術が一般に広く普及するかどうかはまだ未知数だが、今後PowerPCの隠し球としてRapidIOには注目していきたい。
○果たして発表はいつ?
とここまで説明してきてやはり気になるのは、そんなPowerPC G5を搭載した新PowerMacがいつ登場するのか、という点なのだが、これについては今のところまだ新しい情報が入っていない。ただ、この後Mac関連で大きなイベントというと、一番直近では3月21~23日に東京ビッグサイトで「MacWorld Tokyo」が開催されることから、この基調講演で新しいPowerMac G5が発表される、と予想するのが一番妥当な線かと思われる。
「MacWorld Tokyo」といえば、昨年は幕張メッセであの「花柄iMac」が発表されあちこちで賛否両論が巻き起こったものだが、今年は果たして東京ビッグサイトに会場を移し、どのような発表が行われるのだろうか。果たしてSteve Jobsは今年も来日するのか、といったことも含めてこの春のMacWorld Tokyoからは目が離せなそうだ。
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