【コラム】
今回は冒頭から言い訳で恐縮だが、年末年始はどうしても新製品や新技術の発表等が少なくなる傾向にあり、このようなコラムではどうしてもネタ不足に悩むことになる。そこで今回と次回は、やや旧聞に属するネタになってしまうが、先月末ごろに相次いで情報の流れた来年のチップセットベンダー各社の製品ロードマップをご紹介したいと思う。今回はまず製品・話題ともに豊富なVIA Technologies(VIA)のロードマップをご紹介したい。
○V-Linkは533MB/sに
まずは一般向けチップセットについて見ていくと、Intel Pentium4プラットフォーム用チップセットについては、VIAは例のP4バスライセンス問題などどこ吹く風といった感じで、来年春頃に現行のP4X266AをベースにFSB 533MHz、DDR333、AGP 8xなどをサポートした「P4X333」を投入する見込みだ。またFSB 533MHzサポートに伴い、VIA独自のNorth Bridge-South Bridge間の接続技術であるV-Linkの速度も、現行の266MB/sから533MB/sにアップされる。
一方、AMD Athlon/Duronプラットフォーム用のチップセットだが、こちらは来年3月頃に、現行のKT266AをベースにDDR333に対応した「KT333」がリリースされる見込み。ただしKT333のV-Linkはまだ266MB/sのままと見られている。その後来年中頃には、KT333にAGP 8xを追加、V-Link 533MB/sに対応した「KT333A」へと発展すると予想されている。
もちろんV-Linkがスピードアップするとなれば、それに対応したSouth Bridgeが出てこなければ話にならないが、これについてはP4X333の発表にあわせて、新しい高速化したV-Linkに対応したSouth Bridgeとして「VT8235」が投入される。ただこのVT8235では、新たに追加される機能としてはUSB 2.0がある程度で、それ以外に目新しい機能は今のところ見当たらない。
○ついに新グラフィックスコア投入
統合型チップセットでは新しい動きがある。ご存知の方も多いように、VIAは昨年SONICblue(旧S3)のグラフィックスチップ部門を事実上買収、両社が共同出資する形で新会社・S3 Graphicsを設立したが、このS3 Graphics設立の際に必要とされる台湾政府の認可が遅れたことなどが関係して、新しいグラフィックスコアの開発が大幅に遅れが出てしまった。そのため、今年はモバイルを主なターゲットとしたProSavage8コア(SuperSavage)を春に発表した程度で終わってしまいそうだ。しかしここに来てようやく社内の体制整備が完了したようで、来年には久々に新しいグラフィックスコアが投入されるという。
まず来年早々に登場すると見られる「Zoetrope」コアだが、こちらはデュアルパイプライン対応でコアクロックは166MHz、メモリクロックは最高200MHz。メモリはDDR 64/128bitをサポートするということで、スペック的にはGeForce2 MXクラスの性能ということになりそうだ。ただ今のところこのコアが単体のグラフィックスチップとして登場する可能性は低く、実際には来年中頃に登場すると見られる、上記P4X333の統合版「P4M333」や、同じくKT333Aの統合版「KM333」などに搭載される形で一般に発表される可能性が高い。
一方でVIA(S3 Graphics)は、ハイエンドデスクトップ向けのコアとして「Columbia」コアの開発も進めている。こちらはコア/メモリクロックが300/300MHzで登場すると見られ、コアクロックに関してはさらに上がる可能性もあるという。またパイプラインが4本に増やされるほか、機能的にも現時点で未発表のDirectX9をフルサポートするとのことで、目標としてはnVIDIAやATIの次期グラフィックスコアのライバルを目指すことになりそう。このコアは、まず単体のグラフィックスチップとして市場に投入されると見られているが、実際にチップが市場に登場するのは早くても来年後半と見られており、場合によっては来年の年末、もしくは再来年までずれこむ可能性もある。
○モバイル向けやHammer対応も
それ以外のチップセットについて見ていくと、まずモバイル向けチップセットについては、ほぼ統合型チップセットの発表スケジュールと並行する形で、Mobile Pentium4用にはP4M333のモバイル版「P4N333」、同じくMobile Athlon用としてKM333のモバイル版「KN333」などが登場する見込み。機能的にも元となる統合型チップセットとほぼ同等になると見られている。
そして今回のロードマップでは、AMDの次期主力CPU・Hammer向けのチップセットの名前も登場している。「K8HTB」の名前で呼ばれているそのチップセットシリーズは、DDR333、AGP 8xに対応し、もちろんHammerの特徴といえるHyperTransport Busにも対応する。ただしマザーボードの設計にあたり従来のSouth Bridgeを流用することを考慮してか、North-South間の接続にはHyperTransportではなく、従来のV-Linkが引き続き使われる見込みだ。
というわけで今回はVIAの来年のロードマップをざっとご紹介したが、次回はSiS、ALiの両社を中心に情報をご紹介していきたい。
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