東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-1344円16銭となりました。

今週の高値は8月31日(月)の1万9019円61銭、一方、安値は9月4日(金)の1万7608円17銭。高安の値幅は1411円44銭でした。週末の日経平均株価は終値ベースで1万7800円を割りこみ、中国ショック発生後の安値をつけています。

では、この一週間を振り返ってみましょう。

8月31日(月)の東京株式市場は反落しました。前週末の欧米市場がまちまちの展開となるなか、東京市場は朝方から売り先行でスタートしました。前週末までの3日間で日経平均株価が+1329円も上昇したことから、戻り待ちの売りが膨らむ展開となりました。米雇用統計や中国製造業・非製造業PMIなど重要な経済指標の発表を前に、積極的な買いも入りにくく、結局、日経平均株価は-245円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、その他製品、紙・パルプ、食品、金属、石油・石炭、医薬品など8業種が上昇。一方、鉄鋼、機械、非鉄、銀行、自動車、海運など25業種が下落しました。日経平均株価、TOPIXともに4日ぶりの反落となっています。

9月1日(火)の東京株式市場は続落しました。前日の欧米市場が小幅に軒並み安となった流れを引き継ぎ、東京市場も軟調なスタートとなりました。午前10時に中国の8月製造業PMI(49.7)の結果が伝わると、市場予想通りとは言え、中国の景気減速懸念が改めて意識され、上海総合株価指数の下落につれて、日経平均株価の下げ幅も拡大しました。後場中ごろに先物にまとまった売りが入り、終盤にかけて下げが加速し、結局、日経平均株価は-724円と、今年3番目の下げ幅で大引けを迎えています。日経平均株価、TOPIXともに安値引けとなりました。TOPIX業種別株価指数は、医薬品、精密、電気・ガス、ゴム、その他金融、食品など全33業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに2日続落となっています。

9月2日(水)の東京株式市場は続落しました。前日の欧州市場が下落し、米国市場でもダウ工業株30種平均株価が-469ドルと大幅安となるなど、軟調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。序盤の日経平均株価は-308円となる場面があったものの、その後は急速に買い戻され、プラス圏に浮上しました。上海総合株価指数がプラスで前場の取引を終えたことから、日経平均株価も後場寄り直後に+301円まで上昇しました。ただその後、上海総合株価指数がマイナスに転じると、日経平均株価も上げ幅を縮小し、終盤にかけてはマイナスに沈み、結局、-70円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、陸運、医薬品、倉庫、空運の4業種が上昇。一方、紙・パルプ、鉱業、石油・石炭、鉄鋼、非鉄、卸売など29業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日続落となっています。

9月3日(木)の東京株式市場は反発しました。前日の欧米市場が堅調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。世界的な株安の要因となった中国市場が休場となるなか買い安心感も広がり、日経平均株価は一時、+386円となる場面もありました。その後、買いが一巡すると上げ幅は縮小し、ECB理事会や米雇用統計を控えるなか、さらに上値を追う展開にはならず、結局、日経平均株価は+86円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、保険、ガラス・土石、情報・通信、非鉄、金属、鉱業など20業種が上昇。一方、銀行、繊維、その他製品、海運、陸運、証券など13業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日ぶりの反発となっています。

9月4日(金)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場がまちまちとなるなか、東京市場は朝方から買いが先行しました。ただ、取引が始まった午前9時の水準がこの日の高値となり、その後、為替がやや円高に振れるのにつれて、日経平均株価はマイナスに沈みました。前場の終盤にかけて、日経平均株価は1万8000円を下回り、後場に入ってからは一段安の展開となりました。後場中ごろには一時、-574円となる場面もありました。その後も、軟調な展開は続き、結局、日経平均株価は1万7792円16銭(390円23銭)で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は電気・ガスの1業種のみが上昇。一方、その他金融、ガラス・土石、保険、情報・通信、化学、電機など32業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

来週の予定です。9月7日(月)には、7月分の景気動向指数の速報値が発表されます。尚、米国市場は休場です。8日(火)は4-6月期のGDP(国内総生産)改定値、8月分の景気ウォッチャー調査、中国では8月分の貿易収支が発表となります。10日(木)には、7月分の機械受注統計、中国では8月分のCPI(消費者物価指数)が発表されます。11日(金)は、メジャーSQ算出日です。また、7-9月期の法人企業景気予測調査が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。