東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+139円32銭となりました。

今週の高値は8月6日(木)の2万817円48銭、一方、安値は3日(月)の2万369円50銭。高安の値幅は447円98銭でした。この一週間のTOPIXは一日も下げることなく、8日続伸となっています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

8月3日(月)の東京株式市場はまちまちの展開となりました。前週末の米国市場が軟調に推移したことから、東京市場も朝方から売りが先行しました。日経平均株価は前場の後半に一時、-188円となる場面もありました。その後、上海市場が落ち着くのにつれて、東京市場も後場中ごろから買い戻しが入り始め、終盤にかけてはTOPIXとJPX日経インデックス400がプラスへと浮上しました。日経平均株価も下げ幅を縮小し、結局、-37円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、医薬品、海運、ガラス・土石、小売、情報・通信、ゴムなど15業種が上昇。一方、鉄鋼、石油・石炭、倉庫、鉱業、電気ガス、不動産、保険など18業種が下落。日経平均株価は3日ぶりの反落、TOPIXは4日続伸となっています。

4日(火)の東京株式市場はまちまちの展開となりました。前日の米国市場が軟調だった流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。日経平均株価の下げ幅は前場の序盤に一時、-98円となる場面もありました。ただ、その後はじりじりと戻し始め、前日同様にTOPIX、JPX日経インデックス400はプラスに転じ、日経平均株価も結局、-27円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、電気・ガス、医薬品、空運、小売、陸運、不動産など17業種が上昇。一方、水産、卸売、電機、非鉄、鉱業機械など16業種が下落。日経平均株価は続落、TOPIXは5日続伸となっています。

5日(水)の東京株式市場は上昇しました。前日の米国市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。その後、前場中ごろから日経平均株価はプラスに浮上し、後場の序盤には一時、+195円となる場面もありました。ただ、その後は売りに押され、日銀決定会合や米雇用統計を控えた様子見ムードもあり、伸び悩む展開のなか、+93円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、水産、金属、不動産、精密、建設、海運など28業種が上昇。一方、小売、石油・石炭、自動車、食品、サービスの5業種が下落でした。日経平均株価は3日ぶりの反発、TOPIXは6日続伸となっています。

6日(木)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場ではISM非製造業景況感指数が10年ぶりの高水準となったことを好感し、為替相場のニューヨーク時間では、1ドル=125円台に乗せる場面もありました。その流れで迎えた東京市場は、円安につれて日経平均株価も朝方から買いが先行しました。好決算を発表した大型銘柄や、しばらく低迷していた外需関連銘柄に買いが入り始め、日経平均株価は前場に一時、2万817円をつける場面もありました。ただ、後場中ごろになると、まとまった売りが出始め、日経平均株価、TOPIXともに急速に上げ幅を縮小し、結局、いずれも安値引けとなっています。TOPIX業種別株価指数は、紙・パルプ、繊維、保険、ガラス・土石、自動車、非鉄など22業種が上昇。一方、水産、電気・ガス、空運、ゴム、医薬品、小売など11業種が下落。日経平均株価は続伸、TOPIXは7日続伸となっています。

7日(金)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が大幅に下落し6日続落となったことから、東京市場も朝方から軟調に推移しました。日銀金融決定会合の結果と米雇用統計を控え、積極的な売買が手控えられるなか、日経平均株価は一時、-96円となる場面もありました。その後、昼休み中に、金融政策決定会合にて金融政策の現状維持が決定されたとの報道が伝わった後、後場に入ってからは、日経平均株価がプラスに転じました。終盤にかけて上げ幅を広げ、結局、+60円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は保険、金属製品、建設、繊維、ガラス・土石、機械、鉄鋼など24業種が上昇。一方、空運、倉庫、陸運、小売りなど9業種が下落。日経平均株価は3日続伸、TOPIXは8日続伸となっています。

来週の予定です。8月10日(月)には、6月分の国際収支、7月分の景気ウォッチャー調査、7月分の消費動向調査が発表となります。12日(水)には鉱工業生産指数の確報値が発表されます。13日(木)には、6月分の機械受注統計と、7月~9月期の機械受注見通しが発表となります。14日(金)には8月分のオプションSQの推計値が算出されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。