東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-106円39銭となりました。

今週の高値は7月21日(火)の2万850円、一方、安値は24日(金)の2万527円78銭。高安の値幅は322円22銭でした。東証1部の売買代金は74日連続で2兆円超となり、約7年半ぶりに連続記録を更新しました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

7月21日(火)の連休明けの東京株式市場は続伸しました。ギリシャリスクが後退するなか、前日の欧州市場が堅調な展開となり、米国市場でもナスダック総合株価指数が連日で過去最高値を更新しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から買いが先行し、前場の日経平均株価は2万700円台でのもみあいで推移しました。後場に入ると、上海市場もプラスに転じたことから、日経平均株価も一段高の展開となりました。終盤も上げ幅を広げ、結局、日経平均株価は6月24日以来、約1ヵ月ぶりに2万800円台で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、海運、電気・ガス、空運、小売、紙・パルプ、医薬品など27業種が上昇。一方、石油・石炭、鉄鋼、金属、非鉄卸売、保険の6業種が下落。日経平均株価は6日続伸、TOPIXは7日続伸となっています。

22日(水)の東京株式市場は下落しました。前日の米国市場が軟調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。その後、為替が円高に振れたのにつれて、日経平均株価も下げ幅を広げ、前場終盤には-265円となる場面もありました。ただ、売り一巡後は下値も限られ、下値圏での膠着状態のまま大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、石油・石炭、ガラス・土石、空運の3業種のみが上昇。一方、鉱業、銀行、電機、その他金融、繊維、水産など30業種が下落。日経平均株価は7日ぶりの反落、TOPIXは8日ぶりの反落となっています。

23日(木)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場が下落したものの、東京市場は前日に調整を挟んだ反動から、上昇して始まりました。企業業績の拡大期待からしっかりの展開となり、小売関連銘柄を中心に買いが入りました。ただ、相場全体に勢いはなく、日経平均株価の一日の高安の値幅は60円と、狭いレンジでの展開のまま、日経平均株価は+90円で大引けを迎えています。東証1部の売買代金は73日連続で2兆円超となり、約7年半ぶりに記録を更新しました。TOPIX業種別株価指数は、紙・パルプ、空運、小売、食料品、陸運、その他製品、医薬品など23業種が上昇。一方、海運、鉱業、石油・石炭、鉄鋼、金属、機械など10業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

24日(金)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。国内主要企業の2015年4月~6月期決算の発表が本格化するのを前に、日経平均株価の上値は抑えられ、総じて軟調に推移しました。結局、日経平均株価は-139円で大引けを迎えています。東証1部の売買代金は74日連続で2兆円超となりました。TOPIX業種別株価指数は化学、サービス、電気・ガスの3業種のみが上昇。一方、海運、非鉄、ガラス・土石、卸売、機械、水産、銀行など30業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

来週の予定です。来週から2015年4月~6月期決算発表が本格化します。7月27日(月)には、7月分の独Ifo 企業景況感指数が発表となります。28日(火)、29日(水)には、米国でFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されます。30日(木)には、国内で6月分の鉱工業生産指数の速報値が発表されます。米国で4月~6月期のGDP(国内総生産)速報値が発表となります。31日(金)には、6月分の全国、7月分の都区部CPI(消費者物価指数)、6月分の完全失業率、有効求人倍率、家計調査、住宅着工戸数が発表されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。