東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-254円75銭となりました。

今週の高値は4月13日(月)の1万9975円66銭、一方、安値は17日(金)の1万9638円37銭。高安の値幅は337円29銭でした。今週の日経平均株価は一度も2万円台に乗せることなく推移しました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

4月13日(月)の東京株式市場は続落しました。前週末に英や独の株価指数が過去最高値を更新した上、米国市場でもGEの事業再編が好感され、ダウ工業株30種平均株価が約2週間半ぶりに1万8000ドルを上回ったことから、東京市場も朝方は買い優勢となりました。ただ、手掛かりとなる材料も乏しく、日経平均株価はすぐにマイナスに沈みました。

その後は、方向感が定まらない展開が続き、前週末の終値を挟んで小動きに終始しました。利益確定売りと押し目買いが交錯するなか、結局、日経平均株価は-2円と小幅安で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、その他製品、鉱業、証券、情報・通信、ガラス土石、精密、建設など16業種が上昇。一方、保険、電気・ガス、陸運、水産、食料品、自動車、不動産、倉庫など17業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

14日(火)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売り先行でスタートしました。ただ、その後は下げ渋り、しばらくは前日の終値を挟んで一進一退の展開が続きました。日米ともに主要企業による決算発表を控え様子見ムードも強く、方向感に乏しいなか、一日を通した日経平均株価の高安の値幅はわずか93円程度となり、結局、+3円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は紙・パルプ、水産、電気・ガス、鉄鋼、石油・石炭、海運、非鉄、繊維、銀行など22業種が上昇。一方、鉱業、証券、精密、食料品、不動産など11業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。

15日(水)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場が高安まちまちとなるなか、東京市場は売り先行で始まりました。前場の後半に日経平均株価は一時、プラス圏に浮上する場面があったものの上値は重く、その後はマイナス圏での推移が続きました。中国の1-3月期のGDP(国内総生産)が発表され、6年ぶりの低水準となるなか、市場予想通りの結果であったことから材料視はされず、日経平均は高安の値幅が90円という小動きの展開となりました。新興市場では、日経ジャスダック平均株価、東証マザーズ指数ともに前日に続き年初来高値をつけています。ただ、上昇率0.3%未満に留まりました。TOPIX業種別株価指数は、空運、保険、鉱業、陸運、建設、ガラス・土石、情報通信など10業種が上昇。一方、水産、証券、その他金融、医薬品、食料品、紙・パルプ、小売など23業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

16日(木)の16日の東京株式市場は反発しました。前日のECB(欧州中央銀行)理事会で量的緩和継続が決定されたことを受け、欧米市場は全面高となりました。ただ、東京市場は買い材料が見当たらず、朝方は小動きの展開となりました。日経平均株価は前場中ごろに-143円となり、その後も軟調に推移しました。後場に入ってからは、円高も一服したことから下げ幅を縮小する流れへと変わり、終盤に日経平均株価は徐々にプラスへと転じ、大引けにかけては一気に買いが広がり、結局、+16円で取引を終えています。TOPIX、JPX日経インデックス400は高値引けとなり、TOPIXは年初来高値を更新し、4月のSQ値(1597.41)を上回りました。TOPIX業種別株価指数は、鉱業、銀行、石油・石炭、鉄鋼、紙・パルプ、保険、その他金融など25業種が上昇。一方、空運、精密、小売、化学、サービス、食料品など8業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

17日(金)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場は軟調なスタートとなりました。為替がやや円高に振れたこともあり、売りが広がるなか、中・小型株を中心に下落しました。後場に入ると一段安となり、後場中ごろに日経平均株価は-247円となる場面もありました。結局、日経平均株価は-232円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は石油・石炭、非鉄、銀行、卸売、紙・パルプなど9業種が上昇。一方、小売、精密、鉱業、サービスなど23業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

来週の予定です。4月20日(月)には3月分のコンビニエンスストア売上高、4月分の月例経済報告が発表となります。21日(火)には3月分と2014年度分の全国スーパー売上高、2月分の景気動向指数の改定値が発表されます。22日(水)には3月分と2014年度分の貿易統計が発表となります。24日(金)には独で4月分のIFO企業景況感指数が発表されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。