東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+418円94銭となりました。

今週の高値は20日(金)の1万8360円92銭、一方、安値は17日(火)の1万7901円26銭。高安の値幅は459円66銭でした。日経平均株価は14年9カ月ぶり、TOPIXは7年2カ月ぶりの高水準となっています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

16日(月)の東京株式市場は反発しました。前週末の欧米市場が上昇した上、取引時間前に発表された10~12月期GDP(国内総生産)が年率換算で+2.2%と3四半期ぶりにプラスに転換したことから、東京市場は朝方から買いが先行しました。日経平均株価は1万8000円台に乗せてスタートし、その後も相場全体に買いが広がり堅調に推移しました。ただ、後場に入ると、ユーロ圏財務相会合や日銀金融政策決定会合を控え、積極的に上値を追う動きにはなりにくく、終盤は高値圏でもみ合う展開となりました。結局、日経平均株価は2007年7月24日以来、7年7カ月ぶりに1万8000円台をつけて大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、銀行、鉱業、保険、卸売、証券、非鉄、その他金融など24業種が上昇。一方、その他製品、医薬品、繊維、水産、食料品など9業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

17日(火)の東京株式市場は高安まちまちの展開となりました。前日の欧州市場が下落した流れを受けて東京市場も朝方から売りが先行しました。その後は、内需関連銘柄に買いが広がり、相場全体が押し上げられるなか、TOPIXは上昇に転じました。後場に入ると、20年物国債の入札が順調との見方から長期金利が低下し、為替が円安に振れたことから、日経平均株価も一時上昇に転じる場面もありました。結局、大引けの日経平均株価は-17円と小幅安になったものの、TOPIXは2007年12月28日以来の高値で続伸となっています。

TOPIX業種別指数は、鉄鋼、建設、水産、陸運、その他製品、空運、卸売など20業種が上昇。一方、鉱業、紙・パルプ、その他金融、銀行、情報通信など12業種が下落。精密は変わらずでした。

日経平均株価は反落、TOPIXは続伸となっています。

18日(水)の東京株式市場は上昇しました。前日の米国市場が堅調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。為替が円安に振れるなか、日銀の金融政策決定会合で現状維持が決定されたと伝わると、イベント通過の安心感から相場全体に買いが広がりました。後場に入ってからも、幅広い銘柄に買いが入り、日経平均株価は2007年7月17日以来、7年7カ月ぶりの水準で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、銀行、精密、証券、ガラス・土石、電機、陸運、ゴムなど29業種が上昇。一方、石油・石炭、電気・ガス、鉱業、倉庫の4業種が下落。日経平均株価は反発、TOPIXは3日続伸となっています。

19日(木)の東京株式市場は続伸しました。前日に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨で、米国の利上げ観測が後退したとの見方が広がり、東京市場は朝方から上昇しました。その後も主力銘柄中心に買いが広がり、後場に入ると、日経平均株価は高値圏でもみ合い、結局、大引けは2007年7月9日の高値(1万8261円98銭)を上回り、2000年5月2日(1万8439円36銭)以来の高水準で取引を終えています。新高値銘柄数も259と今年最多となりました。TOPIX業種別指数は、銀行、証券、海運、陸運、その他製品、食料品、不動産など29業種が上昇。一方、紙・パルプ、空運、非鉄、保険など4業種が下落。 日経平均株価は続伸、TOPIXは4日続伸となっています。

20日(金)の東京株式市場は続伸しました。国内景気の改善への期待から東京市場は朝方から買いが優勢の展開となりました。日経平均株価は序盤に一時、1万8360円(+96円)となる場面もあり、堅調に推移しました。ただ、短期的な過熱感もあり、後場に入ると、利益確定売りが出るなか、一進一退の流れとなり、結局、日経平均株価は+67円で大引けを迎えています。連日で2000年5月2日(1万8439円36銭)以来の高値をつけました。TOPIXは2007年12月26日(終値)1508.47ポイント以来、7年2カ月ぶりの高水準となっています。

TOPIX業種別指数では、紙・パルプ、金属、鉱業、建設、機械など23業種が上昇。一方、海運、空運、石油・石炭、鉄鋼、繊維など10業種が下落。

日経平均株価は3日続伸、TOPIXは5日続伸、JPX日経インデックス400は10日続伸となっています。

来週の予定です。23日(月)には1月分の全国スーパー売上高が発表となります。25日(水)には中国市場が再開し、2月分のHSBC中国製造業購買担当者指数の速報値が発表されます。米国ではイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が下院で議会証言を行います。27日(金)には1月分の全国、2月分の都区部CPI(消費者物価指数)、1月分の完全失業率、有効求人倍率、鉱工業生産指数速報値、住宅着工戸数が発表されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。