東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+264円86銭となりました。

今週の高値は2月12日(木)の1万8005円45銭、一方、安値は10日(火)の1万7550円03銭。高安の値幅は455円42銭でした。一進一退の日経平均株価の動きに対し、JPX日経インデックス400は5日続伸し、堅調に推移しました。

具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

9日(月)の東京株式市場は続伸しました。前週末の米国市場は下落したものの、1月の米雇用統計が市場予想を上回ったことから米景気の先行きに強気の見方が広がり、為替相場は1ドル=119円台の円安に振れました。円安につれて日経平均株価は朝方から買いが先行し、一時、+151円となる場面もありました。ただ、その後は手掛かりとなる材料も見当たらないなか、買い一巡感から伸び悩み、上値も下値も限られる展開が続きました。結局、日経平均株価は+63円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、紙・パルプ、保険、ゴム、ガラス・土石、非鉄金属、情報通信、食料品など21業種が上昇。一方、金属製品、鉱業、空運、精密、陸運など12業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

10日(火)の東京株式市場は高安まちまちの展開となりました。ギリシャ債務問題の懸念やウクライナ情勢の先行き不透明感から、前日の欧米市場はほぼ全面安となりました。祝日を控えた東京市場も朝方から売りが優勢となり、日経平均株価は一時、-161円となる場面もありました。ただ、後場に入ると、好業績銘柄へ押し目買いも入り始め、終盤は公的年金とみられるインデックス買いも入り、結局、日経平均株価は-59円で大引けを迎えています。TOPIX、JPX日経インデックス400はプラスに転じました。

TOPIX業種別指数は、鉱業、保険、サービス、石油・石炭、電気・ガス、空運、陸運など25業種が上昇。一方、倉庫、機械、海運、非鉄金属、鉄鋼など8業種が下落。

日経平均株価は3日ぶりの反落、TOPIXは3日続伸となっています。

12日(木)の東京株式市場は上昇しました。10日、11日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が100ドル以上も上昇した流れを引き継いで、東京市場も朝方から買いが先行しました。為替相場が1ドル=120円台の円安で推移した他、ギリシャ債務問題でEU財務相会合の再協議が来週に設定されたことで、妥協が成立するとの見方が強まり、相場を下支えしました。後場に入ると、日経平均株価は12月8日以来、約2カ月ぶりに1万8000円台をつける場面もありました。ただ後場中ごろからは、海外情勢の先行き不透明感が依然として続くなか、日経平均株価はやや伸び悩み、結局、+327円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は、陸運、小売、保険、銀行、食料、倉庫、精密、空運など29業種が上昇。一方、石油・石炭、鉱業、ゴム、卸売の4業種が下落。日経平均株価は反発、TOPIXは4日続伸となっています。

13日(金)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場が大幅に上昇したものの、東京市場は前日の大幅高の反動から利益確定売りが優勢となり、朝方から軟調に推移しました。為替がやや円高に振れると、日経平均株価は下げ幅を広げ、一時、-115円となる場面もありました。ただ、銀行や証券関連銘柄への買いがTOPIXやJPX日経インデックス400を下支えし、結局、TOPIXはほぼ横ばい、JPX日経インデックス400は5日続伸で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、不動産、その他金融、鉱業、証券、石油・石炭、紙・パルプなど15業種が上昇。一方、電気・ガス・空運、その他製品、繊維、医薬、海運など18業種が下落。

日経平均株価は反落、TOPIXは5日ぶりの反落となっています。

来週の予定です。16日(月)に国内で10月~12月期のGDP(国内総生産)速報値が発表されます。米国市場は休場です。18日(水)は日銀金融決定会合の結果が発表となります。また2014年の家計調査、1月分の貿易統計、全国百貨店売上高が発表されます。中国は18日(水)から旧正月に入り、中国市場は24日(火)まで休場となります。20日(金)は1月分の食品スーパー売上高、全国コンビニエンスストア売上高が発表されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。