東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+647円59銭となりました。

今週の高値は23日(金)の1万7532円06銭、一方、安値は19日(月)の1万6911円58銭。高安の値幅は620円48銭でした。ECB(欧州中央銀行)による量的金融緩和の決定を受け、週末は投資家心理が好転しました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

19日(月)の東京株式市場は反発しました。前週末の米国市場が上昇したことから、東京市場も朝方から買いが先行しました。その後、前場中ごろには上海市場の急落につれて伸び悩む場面があったものの、後場に入ってからは持ち直し、底堅い展開となりました。ただ、米国市場の休場前であり、ECB理事会やギリシャ総選挙、日銀金融政策決定会合などを控えているなか、上値を追う勢いはつかず、様子見気分の強い展開となりました。結局、日経平均株価は1万7000円付近で膠着し、+150円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、鉱業、非鉄金属、ガラス・土石、卸売、医薬品、鉄鋼、精密など28業種が上昇。一方、空運、証券、銀行などの5業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

20日(火)の東京株式市場は続伸しました。

ECBによる量的金融緩和が確実との見方が強まり、前日の欧米市場は全面高となりました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から買いが先行し、徐々に上げ幅を広げる展開となりました。為替が円安に振れたことに加え、中国の10~12月期のGDP(国内総生産)が市場予想を上回ったことで、相場全体に買い安心感が広がり、結局、日経平均株価、TOPIX、JPX日経インデックス400の3指数いずれも高値引けとなりました。TOPIX業種別指数は、証券、機械、鉄鋼、鉱業、倉庫、その他金融、自動車など32業種が上昇。一方、空運の1業種のみが下落。日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

21日(水)の東京株式市場は反落しました。前日の大幅高の反動から東京市場は利食い売り優勢の展開となりました。昼休み時間中に、日銀が金融緩和政策の現状維持を決定すると、為替が円高に振れ、後場に入ってからは日経平均株価も下げ幅を広げました。ただ、後場中ごろには、ECBによる量的金融緩和への期待から押し目買いも入り始め、その後は下げ渋る流れで大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、空運、ゴム、陸運、繊維、小売、鉱業など9業種が上昇。一方、保険、金融、電気・ガス、機械、精密、非鉄金属など23業種が下落。電機は変わらず。

日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反落となっています。

22日(木)の東京株式市場はまちまちの展開となりました。ECB理事会、ギリシャ総選挙を控え、様子見気分の強い展開となりました。日経平均株価は前日の終値をはさんでの膠着相場となり、方向感に乏しい値動きが続きました。ただ、後場中ごろからは、国内企業の決算発表を前にした業績相場への期待から、押し目買いが入り、日経平均株価はプラスに戻して大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、石油・石炭、紙・パルプ、情報・通信、鉱業、食料品、その他金融など13業種が上昇。一方、ゴム、サービス、水産、不動産、電気・ガス、電機、精密など20業種が下落。日経平均株価は反発、TOPIXは続落となっています。

23日(金)の東京株式市場は上昇しました。ECBが量的金融緩和に踏み切ったことで欧米市場が上昇した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買い先行でスタートしました。投資家心理の改善から序盤は買いが広がったものの、ただ、その後は新規の手掛かり材料も見当たらず、上げ幅は徐々に縮小。日経平均株価は前場序盤につけた高安の値幅71円の狭いレンジ内での膠着状態が続きました。後場に入ってからも1万7500円近辺での膠着した相場展開となり、結局、日経平均株価は+182円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、保険、海運、鉄鋼、鉱業、非鉄など27業種が上昇。一方、ゴム、水産、医薬品など5業種が下落。

日経平均株価は続伸、TOPIXは3日ぶりの反発となっています。

来週の予定です。26日(月)には通常国会が召集されます。また、12月分と2014年分の貿易統計が発表となります。28日(水)には、米国でFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表されます。30日(金)には国内で12月分と2014年分の全国CPI(消費者物価指数)、1月分の都区部CPI、12月分と2014年分の完全失業率、有効求人倍率、鉱工業生産指数、自動車生産・輸出実績、住宅着工戸数が発表されます。また、米国では10月-12月期のGDP(国内総生産)が発表となります。

いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。