東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-466円62銭となりました。

今週の高値は4日(火)の1万7127円66銭、一方、安値は4日(火)の1万6720円99銭。高安の値幅は406円67銭でした。3連休明けとなった今週の株価動向は、4日(火)の高安の値幅(レンジ)内におさまる相場展開となりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

4日(火)の東京株式市場は大幅に4日続伸しました。日銀が前週末に追加の金融緩和を決定したことを受けてリスクオンの流れが継続し、3連休明け後の東京市場は朝方から幅広い銘柄に買いが広がりました。為替相場で一時、1ドル=114円台のドル高・円安に振れたこともあり、日経平均株価は序盤に、1万7127円(+713円)まで上昇する場面もありました。その後は売り物に押されてこう着感を強めたものの、2007年11月以来、約7年ぶりの高値で大引けを迎えています。商いも膨らみ、売買代金は5兆4300億円と、昨年5月23日(5兆8376億円)以来の高水準となりました。TOPIX業種別指数では、証券、その他金融、海運、輸送用機器、電気機器など28業種が上昇。一方、鉱業、水産・農林など5業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに4日続伸となっています。

5日(水)の東京株式市場は5日続伸しました。前日の米国市場は、米中間選挙の結果や、雇用統計など注目イベントを前に方向感に乏しい展開となりました。その流れを受けた東京市場も前場中ごろまでは方向感が定まらず、日経平均株価は前日の終値を挟んでのもみ合いが続きました。後場に入り、米中間選挙で野党の共和党が上下院の過半数を占める見込みと伝わると、ねじれ解消による政策期待から為替が円安に振れ、日経平均株価も上昇基調となり、結局、2007年10月18日以来、約7年ぶりの高値水準で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、空運、電気・ガス、輸送用機器、化学など23業種が上昇。一方、不動産、金属製品、石油・石炭など10業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに5日続伸となっています。

6日(木)の東京株式市場は6日ぶりに反落しました。前日の米国市場が好調な雇用関連指標の発表などを背景に上昇した流れを引き継ぎ、東京市場も序盤は買いが先行しました。為替相場が1ドル=115円台に乗せると、日経平均株価の上げ幅が100円を超える場面もありました。後場に入り、寄付き直後は上げ幅が拡大したものの、その後は一気に下げに転じ、下げ幅は一時、200円超に拡大しました。終盤にかけては下げ渋る場面があったものの、結局、日経平均株価は-144円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、水産・農林、繊維製品の2業種が上昇。一方、不動産、電気・ガス、その他金融、銀行、医薬品など31業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに6日ぶりの反落となっています。

7日(金)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価やS&P500種株価指数が過去最高値を更新し、堅調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。為替が円安に振れたことから主力の輸出関連株を中心に買いが広がり、相場全体を下支えする展開となりました。後場に入ると、日本時間の夜に発表される米雇用統計の結果を前に積極的な売買は手控えられ、結局、日経平均株価は+87円で大引けを迎えています。5日ぶりに、売買高は30億株割れ、売買代金も3兆円割れとなりました。

TOPIX業種別指数では、電気・ガス、ガラス・土石、機械、紙・パルプ、卸売など26業種が上昇。一方、その他製品、その他金融、保険、鉄鋼など7業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

来週の予定です。10日(月)、11日(火)と、中国の北京でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開催されます。また、10日(月)には、10月分の中国CPI(消費者物価指数)、PPI(卸売物価指数)が発表されます。11日(火)には国内で9月分と4月~9月分の国際収支、10月分の景気ウォッチャー調査が発表されます。13日(木)にはG20(20カ国・地域の財務相・中央銀行総裁会議)がオーストラリアのブリスベンで開催されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。